勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第2章 魔法の使える世界

第4話 救出が来た、でも……

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 警察官、2日前。
 待機中に救助要請が来た。手が開いている者3人でダンジョンに向かい、現在消息不明の大学生4人を探しに行った。
 潜ったのは一昨日、水とか食料を多少でも持っていると良いのだが……。

 銃とボディーアーマーやバリスティック・ヘルメットに加え、小型のバリスティック・シールドを装備し探索に向かった。
 ただ、学生が遭難した日に、ダンジョンの変動があり、ダンジョンやモンスターの変化があったと報告が来ている。

 浅い階層では順調で、ゴブリンやコボルトを倒していく。全員幾度となく休日にダンジョンアタックをして、浅いダンジョンなら攻略して開放したこともある。
 6階でオークとの遭遇率に愕然としたが、なんとか進む。駆け足ではあったが7階へと降りることができた。

 ダンジョン内での行為としては危険であるが、大学生の名前を呼んで見る。
 彼らを知っている者からの情報があり、大体8階から9階でふだんはオークを狩っていたと言っていた。降りてきている可能性があるので、名前を呼びながら進んでいく。

 オークはいいが、今回発生したオーガには情報通り銃の弾があまり通らない。
 救助のための探査と言っても、単なる警察官。
 ダンジョンが出来てから、配備される予備弾薬が増えたと言っても弾数はそう多くはない。
 通常、事件・事故発生時の警察官としての対応は初動のみ。無理なく状況を確認し、必要に応じて本部に連絡を上げるのが職務とされている。
 今回の状況は、正当な職務執行の範囲を逸脱だと言える。

 8階、9階と進むとオーガが主となり、たまに複数となってきた。
 いかん、引き返そう。
 そう相談して引き帰し始めたが、残弾が少なく。切羽詰まっていたせいか、曲がり角で先頭を歩いていた村井が、ソルジャーらしいやつに、出会い頭に切られてしまった……。

 頭に向けて、それも目に向けて数発打ち込み倒すことができた。だが曲がり角からすぐに次のやつが出てきて、怪我をした村井を置き去りにして逃げ出した。やがて道がわからず、行き止まりで俺たちは力尽きた……。



 大学生たち、5日前。
 いつものダンジョンの8階と9階でオークを倒し、お小遣いを稼いでいた。オークの魔石は1.5cmより大きく1個1200円になる。たしかにオークは強いが、殴れば殴られた方を向くため、2人いればはめ技が使える。そのおかげでだいたい勝てる。4人いれば楽勝というレベルだ。

 そんなとき、ズンという突き上げが来た……。
 やばい、ダンジョンの再構成と呼ばれている現象だろう。魔物のランクとダンジョンの形状まで変化をする。
「やばい、きっと再構成だ逃げるぞ」

 9階に居た私たちは、慌てて戻ろうとするが、突然壁が消え再び生えてくる。気がつけば壁の中にいるだけは避けなきゃ……
 なんとか、はぐれないように4人が塊で移動する。こんなときに真のバカが、お尻とか触ってくるけど気にしていられない。

 8階に戻り…… 景色が変わっていた……。
 呆然としていると、オークより一回り大きな角が生えた奴が剣を振ってくる。必死で逃げ、曲がり角でスネを殴ってみたり、倒れたら頭を殴ったりして必死で逃げた。
 必死で逃げて、気が付けば道は袋小路……。

 幸いなことに、通路の幅が狭くモンスターはここには入ってこられないようだ。少し広い方に出れば変なやつが徘徊している。多少の水と食べ物は持っている。ここに来ることは言ってあるし、家に帰らなければ誰かが通報してくれるはず。涼子も知らない間に足を切られていた。簡単に動くことはできない、誰か助けに来て……。



 自衛隊……。
 駐屯地に救助要請が来た。4日前に大学生チーム4人がダンジョンから帰還せず、行動中にダンジョン再構築にあった模様。
 そして昨日、大学生探査のために、警察官3人が突入し未帰還……。

 情報を聴き、時間の調整がついた2チーム10人で突入することにした。装備はシールドと9mm機関けん銃でいいか? 水と、携帯食を少々。

 情報では、主とする階層は8階と9階、と報告がある。再構成にあって逃げていることを考え6階以上を重点的に捜査する。

 1~2階は、通常のダンジョンと変わらずゴブリンやコボルト。よく知られた配置だ。これから、集団で来るだろうが問題ない。2チームに分かれ、探索しながら進んでいく。
「次からが、重点探査階層に入る6階だ、気を引き締めていけ」

 階段を降り状況確認。3人セットで飛び込んで行く。……何だこの状態は? 次から次へとオークが湧いて来る。
 休むまもなく、どんどんとやってくる。

 5人でチームを組み直し、進んでいくが、ギリギリだ。準備されたマガジンがどんどんなくなっていく。オークと言っても9mm1発では倒れることはない。音のせいで集まるにしても、この遭遇率はおかしい……。

 残弾を考慮し、撤収する決断をする。
「装備を見直し、明日再突入する。階段で集合し撤収だ」
 無線機を通し隊員に命令をする。

 隊員に軽微な怪我はあったが、無事にダンジョンは脱出できた。6階の状況を考え弾倉ともう少し強力な装備が必要かもしれん。

 部隊は、駐屯地に戻り銃弾と手榴弾の使用許可を申請する。


 大学生たち。
 食事をもらって落ち着いた後、警察の方も一緒に、株式会社 特別指定外来種対策会社の神崎さんとフレイヤちゃんに守ってもらいながら、帰路についた。のだけど、まるで緊張感のないお散歩のような脱出だった。
 この5日間、あんなに怖かったのに……。

 まるで出てくるのがわかっているように、神崎さんはただ殴るだけ…… フレイヤちゃんも可愛くぴょんと飛んで、ペタッと手を当てる。すると、なぜかモンスターは吹っ飛んでいく……。

 6階以降は、ああまだリポップしていないのかと言って、たまに魔石が転がっているダンジョンを出口に向かう。

 途中で私達を気遣い、休憩を入れる。コーヒーを入れてくれたり、お茶を入れてくれたり……。今気がついたけれど、どこから物を出しているの……?


 警官たち。
 彼に9階で助けられ。8階では、まるでそこにいるのがわかっているかの様に振る舞い、要救助者を発見。飲み物や食事を振る舞い。落ち着くと脱出にかかった。
 私達が銃を使っても苦労していたモンスターを、散歩しながらハエでも払うような振る舞い。あの猫? にも恐れ入る……。 一体あれは何だ?

 やがて、時間はかかったが、無事に脱出することができた。

 神崎くんに、どこで同僚が亡くなったかを聞かれて、9階の大体の場所を伝える。すると、ちょっと見てきますと言い、散歩にでも出かけるように、またダンジョンへと戻っていった……。
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