勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

文字の大きさ
32 / 167
第2章 魔法の使える世界

第15話 非常識な社長たち

しおりを挟む
 5階へ降りてきて、すぐにオークがいた。
 さっき、社長が言ったような状態に、なかなか持っていけない。
 そんな事を思っていたら、フライングにゃんこがペシッと額に猫パンチ ……首が折れ、吹っ飛んでいくオーク。

「まあ、今のは仕方が無い。頑張れ」


 横から出てくるコボルトや、グレイウルフなどは、スピードが早く対応が難しい。

 すると、社長が横から出てきて、普通にフルスイング。すると誘い込まれるようにグレイウルフはストライクゾーンへ入り、バットを振り抜かれた。

「どうして、わかったんですか?」
「見ていたらわかる? 様になる」

「次。左の通路から、オークが来るぞ。頑張れ」

 言われて、通路をみると少ししてオークが現れた。正面側に一翔が回り込んだので、俺は後ろから思い切り殴る。すると、くるりとこちらを向いた。
 すぐに一翔が殴る。すると、こちらを無視して向きを変える。
 なんだよコレ。少しするとオークは消滅して、俺も多分一翔も、レベルアップをしたようだ。

「ほれ。どんどん行け」

 社長の周りでは、見えた瞬間に、すべてのモンスターが消滅していく。

 女の人と俺達の前のみ、モンスターが出てくる。
 落ち着いてくると分かって来る。
 出てくる前に、モンスターの種類を社長が教えてくれていた。
 テンパっていたのか、今まで気が付かなかった。

 あっという間に5階を制覇。6階へ。
 いやしかし、この人達。休憩無しでガンガン進んでいく。俺はすでに体中の筋肉がきしみ。すごく辛い。

 そんな事を思っていたら。
「ヒール」
 と声が聞こえて、体のきしみが治った。

「ちょっと休憩するか」
 社長が宣言。全員の動きが止まった。ただオークなどは出て来るが、視界に入ると勝手に爆散している。

「飲み物は、何が良い?」
「何があるんですか? 今日は、何も準備していませんが?」
 俺が質問すると、
「仕事中はこっちで持つから良い、福利厚生だ」
 と社長から説明された。

 そして、どこからともなく、テーブルと椅子。テーブルの真ん中にはスポーツドリンクやお菓子が出てきた。

「なっなっ」
 と、一翔と一緒に驚いていると、
「社外秘だ。喋るなよ」
 と言われた。

 その時。後ろにちらっとオークが見えたが、音もなく消えていった。
 猫が走っていって、魔石をかじっている。

「社長、あの猫。魔石をかじっていますけれど、良いんですか?」
「それも、社外秘だ。喋るなよ」

「はあ。堪能した。スポーツ飲料頂戴」
「ほいよ」
 又どこからか、出てきた。
「この方は?」

「あん? あーと、俺の婚約者みたいなものだ。名前は、松沼美月だ」
「みたいなもんじゃなく、婚約者です。よろしくね」

「「はい」」


「いつ婚約したんだよ。あっ思い出した、お前、家の鍵くらい毎回閉めろ。コイツらが忍び込んだときに、鍵がかかっていなかったみたいだぞ」
「ほんほ。ごべん」
「飲みながら、喋るな」

「ったく」

 あっ、またモンスターが消滅した。

「社長。後ろで、モンスターが消滅しているみたいですけれど?」
「ああ。フレイヤが見張っていて、くれているからな」
「はい? ほんとに猫ですか?」
「うーん、秘密だ。その秘密を知るものは、世界の深淵を覗くことになる。深淵を覗く時。深淵もまたおまえを覗いている。それに耐えられるなら教えよう」
 と凄く怪しい顔をして、社長がどこかのラノベの主人公が言いそうな、怪しいことを言ってくる。

「あーよくわからないですが、遠慮します」
「ドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(1844年~1900年)の著作『善悪の彼岸』の一節だよ」
「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。と言うものだ。主には、人間の内面に対する警鐘らしいけどな」

「特に芳雄。お前、笑いながら戦っていたぞ」
「えっそうなんですか? 確かにレベルアップして、体が思う通りに動き出して、楽しかったですけれど」
「もう。普通に喧嘩はするな。軽く殴っても、多分相手を殺すぞ。一翔も同じだ」

「自分では、わからないんですけどね」
「そんなもんだ。 次にダンジョンに入ったらきっとわかる。あっ体育はあるのか?」
「あっ授業は、あるかもしれないです」
「本番前に、自分の力を試しとけ。絶対だ」
「「はい」」


 30分ほど休憩をして。
「さて、後半分だ。さっさと済まそう」

 社長がそう言って、テーブルや椅子がまた消えた。
 もしかして社長アイテムボックスを持っているのかな? と言うか持っているよね。


 そこからは、時間の関係なのか、社長たちがガンガンに倒し1~2匹ずつこっちに回ってくる。それを一翔と一緒に殴り倒す。

 あっという間に、6階が終わり7階へ。

 すると。モンスターがオーガが主となり、2匹セットや武器を持って出始めた。
 ただ社長たちは、歩くだけ。すれ違うとモンスターは消えていく。

 美月さんでも、足元や腹にバットを一閃。前かがみになったオーガの脳天に一発という形でガンガン倒している。
 俺たちは、それを真似させてもらうことにした。

 攻撃をかいくぐり、どこでも良いからひと当てして、前かがみにさせる。そこで控えていたほうが頭部へ一撃。
 不思議なことに、最初は見えなかった攻撃が、見えるようになっていた。なにかのノルマのように対処ができる。

 最初のゴブリンに、生き物だからとか言っていたのは、自分たちが怖くて言い訳をしていたとしか思えない。実際そうだったと思う。
 いじめられていたときも、怖くて嫌が言えず。すぐに、しゃがみこんで縮こまっていた。
 あの時。立ち上がっていれば。もしかすると、あの高校に今も通っていたのかもしれない。

 でも、やめたおかげで、社長たちに会えたが……。 会い方を間違えると、あのチームの奴らと同じで、強制的に刑務所か、行方不明だったよな。 ……この人達。絶対普通の人間じゃないよ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...