54 / 167
第2章 魔法の使える世界
第37話 初めての県外遠征 第四夜~
しおりを挟む
「しまった。あそこで、ご飯のお代わりをしなければ間に合ったのに」
「仕方が無い。ホテルの人に行先聞こう」
玲己はフロントで聞くが、教えてもらえない。
「知っていても、お教えすることはできません」
びしっと断られた。
「そんな、殺生な。 ……帰って来るまで、ロビーで待っとこ」
「おい、あれ教えなくていいのか?」
「ああまあ、かわいい感じの娘だし、ロビーの賑やかしに丁度じゃないか。聞いてきたら、神崎様達がチェックアウトしたことを教えよう」
その頃、一司達。
「きゃあ」
登りの階段で、俺の目の前でわざとらしく足を踏み外して、こけそうになる美月。
当然、俺はよける。
「ぶー、ここはやっぱり支えてくれて、はずみでキスとかじゃないの?」
「それで、みんなを魔法使いにするのか?」
「……どうしてだろう? 私もその話、聞き覚えがある」
「どうしてだろうな?」
そんなこんなで、結構楽しく観光をしていた。
当然、風穴がダンジョン化とかはしていなかった。
ほかにもいくつか観光地となっている所を巡り、帰ることとした。
レンタカーは、営業所返却ができるので、車で帰ることにした。
普段来ることが無いSA・PAとかも堪能した。
遊びまわって帰り着くと夕方で、慌てて車を返却しに行く羽目になった。
私、神地玲己(かみちたまき)20歳。
今ホテルのロビーにいるの…… いい加減おかしい。
今18時。結局、朝からずっと此処にいた。
仕方がない。
「神崎さん達チェックアウトは、もうされていますよね」
「はい。今朝、出発される時にされています」
「今朝、言ってくれませんでしたよね?」
「チェックアウトに関しては、お聞きになられませんでしたので、お答えいたしませんでした。申し訳ありません」
「そうですか……」
私は、とぼとぼと家に帰る。
ふと耳にかけたイヤホンからK〇KIAさんのありがとうが流れてくる。
頭の中で自分と重なり涙があふれてくる。
泣きながら歩いている姿を、幾人かに見られたらしく、私は大学で泣きの神地として伝説となっていくことをまだ私は知らない。
次の日に、役所へと出かけて、助けられたお礼を言いたいと凸した。
きっと個人情報とかで、教えてくれるのはダメだろうと思っていたら。
「請け負ってくれたのは、○○市の株式会社 特別指定外来種対策会社です。代表者が神崎一司(かんざきかずし)さんとなっています。所在地と代表の電話番号がこれですね」
とあっさり、情報が入手できた。
しかも代表番号が、携帯の番号だ…… いいのかしら?
早速電話をかけようかと思ったが、思い直して履歴書を買ってきて書き始めた。
5枚ほど使い。
5枚目にしてようやく気に入る作品が書けた。
履歴書で、作品を書いていいのか分からないが、とにかく志望の動機についてはアピールができるはず。
まだ2回生だが、就職してはいけないという決まりはないと思う。
この時、私の頭の中では、いきも〇がかりさんのYELLが、ガンガンに鳴り響いていた。きっと。自分の足元を見つめ。過去を。これから先を見据えて…… 「一歩踏み出すのは今よ!!」
「ドン!!」「ひぃぃ」隣から壁が殴られた。やかましかったらしい。
次の日に、早速登録されている住所へとやって来た。
うん普通の独身者用のマンションね。ベルを押す。
「うん? 鳴っている気配がない?」
こういう時は、メーターを見る。動いていないわね。
あれぇ、確認のために地図アプリで住所を入れると、赤丸は私の上にある。
隣に行き、ピンポンする。
ガラの悪そうなお兄さんが、機嫌悪そうに出てきた。
「すいません、隣って引っ越したのでしょうか?」
「ああっ、知らねえよ。時間があるなら、中に入って話しようか?」
と言われたが、会った瞬間に、なめまわすような視線をくれて、そんなことを言われても危険以外の言葉が出ない。
「いえ、すみませんでした。お邪魔しました」
と身を翻したが、手首をつかみに来るのが目の端に映った。
こちとら、ダンジョンで鍛えているんでぃ。
何とか、躱して逃げた。
後ろから「ちっ」と舌打ちが聞こえたが、無視をする。
「あー怖かった」
どうしよう…… あっ、ダンジョン関係の仕事をしているなら役所でわかるかも。
地元の役所へ行き、きょろきょろと見回す。
びっくり、買取カウンターが自動化されている。
講習会は、だめだろうし…… 魔道具を売っているカウンターの脇で、さぼっている人がいる。あの人に聞いてみよう。
「すみません」
「はい? いま私、休憩中なんですが」
「そこを何とか、お願いします。株式会社 特別指定外来種対策会社の代表者、神崎さんに連絡を取りたいのですが、会社が引っ越しているみたいで」
「神崎君の所に用事? ちょっと待ってね」
携帯を取り出して、連絡を取るようだ……。
しまった、私も番号知っているじゃん。
「もしもし、私窓口のゆかちゃん、一司きゅん。お引越ししたの?」
「ぶち、つーツーツーツー」
「あれ? 切れたわね。なんで?」
と言っていると、
「遅くなりました。納品です」
そう言って、紙が差し出された。
「あら、一司きゅん。なんで電話が切れたかと思えば、すぐそばにいたのね」
「ああ納品の催促かと思って。ちょっと遠出していたので、とりあえず5千あればいいですか?」
「ああはい。前に比べれば、落ち着いたから大丈夫。それと、その子が用事があるみたいよ。私はちょっと確認するわ」
「すみません、神崎さん先日は助けていただきまして、ありがとうございました」
お礼を言うが、怪訝そうな顔。
「ああと?」
「私、ダンジョン駆除部隊Aの神地です」
「ああ、そうですか」
「覚えていません?」
「ええ全く」
私は、力なくへたり込んだ。
すると、神崎さんは言い訳を始める。
「……あの時はほら ……みんな見た目にインパクトがあって、なるべく見ない様にしていたから」
言われて、あの時は自分の汚物まみれだった格好を思い出した……。
「ああ、そうでしたね」
「それで用事とは?」
なんだか、きりっとした顔になった。
「ああ、そうなんです。お礼と就職をしに来ました」
そう言ったが、理解ができないようだ。
「はい?」
「いやだから、お礼と就職をしに来ました」
「お礼は良いとしても、就職?」
「会社を、しているのですよね?」
「ああ、まあそうだね」
まだ神崎さんは、きょとんとしている。
「それで来たんですが。住所が変わったんですか? さっき行ったら誰も居なくて」
「えーと、ああ。住所変更の届出していないね」
するとさっきの人が、顔を突っ込んできた。
「住所が変わったら、こちらにも連絡ください。個数確認しました。その子も一司きゅんの毒牙にかかったのね。でも私が先よ、うふ」
そう言われて、思い出す。
「神崎さん、婚約者って、この人なんですか?」
「いや違うよ。この人魔道具の窓口だけど、人の金を狙っているお姉さん。以上、終わりだな」
きっぱりと言い放つ。
「そんな、お金だなんて…… 少しでいいのよ」
「課長の高梨さんに、担当変えてもらおう」
「いや、それはやめて。結構切実に。普通の事務仕事で出会いもなく、数字と戦うのはもう嫌なの」
そう言って、床に沈み込んでいく。
「……とりあえず、事務所の新住所です。それじゃあ…… あれ、名前が分からない……」
「ゆかと呼んで」
「じゃあ窓口のお姉さん。また」
役所から出ると、
「とりあえず。ここじゃなんだし、事務所というか家だけど行くか」
と言ってくれた。門前払いは回避できたようだ。
「お願いします」
「仕方が無い。ホテルの人に行先聞こう」
玲己はフロントで聞くが、教えてもらえない。
「知っていても、お教えすることはできません」
びしっと断られた。
「そんな、殺生な。 ……帰って来るまで、ロビーで待っとこ」
「おい、あれ教えなくていいのか?」
「ああまあ、かわいい感じの娘だし、ロビーの賑やかしに丁度じゃないか。聞いてきたら、神崎様達がチェックアウトしたことを教えよう」
その頃、一司達。
「きゃあ」
登りの階段で、俺の目の前でわざとらしく足を踏み外して、こけそうになる美月。
当然、俺はよける。
「ぶー、ここはやっぱり支えてくれて、はずみでキスとかじゃないの?」
「それで、みんなを魔法使いにするのか?」
「……どうしてだろう? 私もその話、聞き覚えがある」
「どうしてだろうな?」
そんなこんなで、結構楽しく観光をしていた。
当然、風穴がダンジョン化とかはしていなかった。
ほかにもいくつか観光地となっている所を巡り、帰ることとした。
レンタカーは、営業所返却ができるので、車で帰ることにした。
普段来ることが無いSA・PAとかも堪能した。
遊びまわって帰り着くと夕方で、慌てて車を返却しに行く羽目になった。
私、神地玲己(かみちたまき)20歳。
今ホテルのロビーにいるの…… いい加減おかしい。
今18時。結局、朝からずっと此処にいた。
仕方がない。
「神崎さん達チェックアウトは、もうされていますよね」
「はい。今朝、出発される時にされています」
「今朝、言ってくれませんでしたよね?」
「チェックアウトに関しては、お聞きになられませんでしたので、お答えいたしませんでした。申し訳ありません」
「そうですか……」
私は、とぼとぼと家に帰る。
ふと耳にかけたイヤホンからK〇KIAさんのありがとうが流れてくる。
頭の中で自分と重なり涙があふれてくる。
泣きながら歩いている姿を、幾人かに見られたらしく、私は大学で泣きの神地として伝説となっていくことをまだ私は知らない。
次の日に、役所へと出かけて、助けられたお礼を言いたいと凸した。
きっと個人情報とかで、教えてくれるのはダメだろうと思っていたら。
「請け負ってくれたのは、○○市の株式会社 特別指定外来種対策会社です。代表者が神崎一司(かんざきかずし)さんとなっています。所在地と代表の電話番号がこれですね」
とあっさり、情報が入手できた。
しかも代表番号が、携帯の番号だ…… いいのかしら?
早速電話をかけようかと思ったが、思い直して履歴書を買ってきて書き始めた。
5枚ほど使い。
5枚目にしてようやく気に入る作品が書けた。
履歴書で、作品を書いていいのか分からないが、とにかく志望の動機についてはアピールができるはず。
まだ2回生だが、就職してはいけないという決まりはないと思う。
この時、私の頭の中では、いきも〇がかりさんのYELLが、ガンガンに鳴り響いていた。きっと。自分の足元を見つめ。過去を。これから先を見据えて…… 「一歩踏み出すのは今よ!!」
「ドン!!」「ひぃぃ」隣から壁が殴られた。やかましかったらしい。
次の日に、早速登録されている住所へとやって来た。
うん普通の独身者用のマンションね。ベルを押す。
「うん? 鳴っている気配がない?」
こういう時は、メーターを見る。動いていないわね。
あれぇ、確認のために地図アプリで住所を入れると、赤丸は私の上にある。
隣に行き、ピンポンする。
ガラの悪そうなお兄さんが、機嫌悪そうに出てきた。
「すいません、隣って引っ越したのでしょうか?」
「ああっ、知らねえよ。時間があるなら、中に入って話しようか?」
と言われたが、会った瞬間に、なめまわすような視線をくれて、そんなことを言われても危険以外の言葉が出ない。
「いえ、すみませんでした。お邪魔しました」
と身を翻したが、手首をつかみに来るのが目の端に映った。
こちとら、ダンジョンで鍛えているんでぃ。
何とか、躱して逃げた。
後ろから「ちっ」と舌打ちが聞こえたが、無視をする。
「あー怖かった」
どうしよう…… あっ、ダンジョン関係の仕事をしているなら役所でわかるかも。
地元の役所へ行き、きょろきょろと見回す。
びっくり、買取カウンターが自動化されている。
講習会は、だめだろうし…… 魔道具を売っているカウンターの脇で、さぼっている人がいる。あの人に聞いてみよう。
「すみません」
「はい? いま私、休憩中なんですが」
「そこを何とか、お願いします。株式会社 特別指定外来種対策会社の代表者、神崎さんに連絡を取りたいのですが、会社が引っ越しているみたいで」
「神崎君の所に用事? ちょっと待ってね」
携帯を取り出して、連絡を取るようだ……。
しまった、私も番号知っているじゃん。
「もしもし、私窓口のゆかちゃん、一司きゅん。お引越ししたの?」
「ぶち、つーツーツーツー」
「あれ? 切れたわね。なんで?」
と言っていると、
「遅くなりました。納品です」
そう言って、紙が差し出された。
「あら、一司きゅん。なんで電話が切れたかと思えば、すぐそばにいたのね」
「ああ納品の催促かと思って。ちょっと遠出していたので、とりあえず5千あればいいですか?」
「ああはい。前に比べれば、落ち着いたから大丈夫。それと、その子が用事があるみたいよ。私はちょっと確認するわ」
「すみません、神崎さん先日は助けていただきまして、ありがとうございました」
お礼を言うが、怪訝そうな顔。
「ああと?」
「私、ダンジョン駆除部隊Aの神地です」
「ああ、そうですか」
「覚えていません?」
「ええ全く」
私は、力なくへたり込んだ。
すると、神崎さんは言い訳を始める。
「……あの時はほら ……みんな見た目にインパクトがあって、なるべく見ない様にしていたから」
言われて、あの時は自分の汚物まみれだった格好を思い出した……。
「ああ、そうでしたね」
「それで用事とは?」
なんだか、きりっとした顔になった。
「ああ、そうなんです。お礼と就職をしに来ました」
そう言ったが、理解ができないようだ。
「はい?」
「いやだから、お礼と就職をしに来ました」
「お礼は良いとしても、就職?」
「会社を、しているのですよね?」
「ああ、まあそうだね」
まだ神崎さんは、きょとんとしている。
「それで来たんですが。住所が変わったんですか? さっき行ったら誰も居なくて」
「えーと、ああ。住所変更の届出していないね」
するとさっきの人が、顔を突っ込んできた。
「住所が変わったら、こちらにも連絡ください。個数確認しました。その子も一司きゅんの毒牙にかかったのね。でも私が先よ、うふ」
そう言われて、思い出す。
「神崎さん、婚約者って、この人なんですか?」
「いや違うよ。この人魔道具の窓口だけど、人の金を狙っているお姉さん。以上、終わりだな」
きっぱりと言い放つ。
「そんな、お金だなんて…… 少しでいいのよ」
「課長の高梨さんに、担当変えてもらおう」
「いや、それはやめて。結構切実に。普通の事務仕事で出会いもなく、数字と戦うのはもう嫌なの」
そう言って、床に沈み込んでいく。
「……とりあえず、事務所の新住所です。それじゃあ…… あれ、名前が分からない……」
「ゆかと呼んで」
「じゃあ窓口のお姉さん。また」
役所から出ると、
「とりあえず。ここじゃなんだし、事務所というか家だけど行くか」
と言ってくれた。門前払いは回避できたようだ。
「お願いします」
30
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる