勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第9話 邂逅

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 あっ

 と、いう間に30階。

 ここには、見たことがないモンスターが居た。
「あれって何ですか?」
「あーと、キマイラだな」
 その時には、目の前で黒い霧となって消えていく。
「……そうですか」
 返事を返した時には当然だが、彼か彼女かは分からないけれど、もう居ない。

 階段を降りると、ミノタウロスさんが押し寄せて来ていた。
「ああ。さっきのキマイラが、蓋をしていたのか」

 などと、解説をしている間に、ミノタウロスさんは、どんどんと消えて逝っている。
 うん、打ち寄せる波のように。押し寄せては消えていく。
 そんな、ミノタウロスさんの奥で、でっかい三つ首の犬? がいる。

「あれも、見たことがありませんね?」
「うん? あれは、有名だな。ケルベロスとなっている」
 何を読んでいるんだろう。一司さんそんな感じだ。
「へー初めて見ました」
 そう返事をすると、
「おれも、実物は初めてだな」
 一司さんもそんなことを言ってくる。

「あれが、後ろから追い立てて、前はキマイラが蓋をしていたのか。なかなかミノタウロスも不幸だな」

 のんびりと話をしていると、ケルベロスが来ないなら行くよ、という感じで動きを見せる。
「あっ、ケルベロスが炎を吐いていますよ」
「ちっ、美月みたいなやつだな」
 結構な範囲で炎を吐くため近寄ることができない。
「ああ。鬱陶しい。フレイヤ。前にだけ、神言を許可する」
「にゃ」
 何かを一司さんが言って、フレイヤさんが一声鳴くと、目の前でわさわさしていた、ミノさんもケルベロスさんも突然黒い霧になった。

その時。すごい勢いで体が熱くなる。
「あっ、一司さん私ダメ。うっ、ああっ……いやぁぁ」

「おう、レベルアップだな」
 そんな冷静なことを言いながら、そっと後ろに回り、私を支えてくれる。うむ。これは良い。うふ、うふふふ。
 つい見上げてしまう。

凛々しい横顔…… でへ。自分の顔が赤くなるのが分かる。
 ぷりーず。きすみー…… 目を閉じて、身構える。

「うん? おう、もう大丈夫だろう」
 と支えていた腕を、離されてしまった。ちっ。

 前を見ると、魔石が大量に落ちていた。フレイヤさんが、嬉しそうに走り回っている。どうやって回収するのか、通り抜けると消えていく。

 フレイヤさんの魔石回収を待って、再び走り始める。

 不意に思い出される、高校生二人の言葉。
「神地さんのレベル上げでしょ。デートのお邪魔はしません。僕たち宿題がありますので遠慮します」
 そうだね。ひたすらダンジョンでランニング。
 周りでは、不可思議な現象が起こっているけど暇だもの。でも、私が手を出してモンスターと格闘している間に、この人たちは、きっと10階くらい先に行きそう。

 あっまた、せっかくケルベロスさんが混ざっていたのに…… 一声も吠えることなく、消えて行った。

 それで、40階。……目の前のホールには、大きなフェンちゃんが居る。
 手前には、いつものフェンちゃんが居るから別なのね。
「おーいフェン。あれ、知り合いか?」

「きゅうん?」〈同種だが、知り合いじゃあないな〉
「なんか、向こうは知り合いぽいぞ?」

「……わん」
〈知り合いでも、はとこのご近所さんくらいだろう〉
「おうそうか。それならいいか」
「にゃん」〈死ね〉

「あっ」

「フレイヤ、容赦ないな」
「にゃ」〈行くぞ〉

 なんだか、会話があった様で走り始めた。
「あの、今のって?」
「フェンリルだ。一応フェンに、知り合いかどうかは聞いたのだが、知らんらしい。フレイヤが殺した」
「そうですか…… えっ、フェンちゃんてフェンリルなんですか?」
「言っていなかったっけ?」

「聞いていません。でも聞いてても信じられませんよ。なんで一司さん、フェンリルを飼っているんですか?」
 一司さん、首をひねりながら、
「たまたま、知り合ったから?」
「たまたまで、知り合えるものなのですか? ってさっき殺しましたね」
 居るのはいるけど、懐くかどうかが境界線なのか…… 私も一匹ほしいな。


 50階に来ると、またフェンリルちゃんと竜人? が二人いた。
「またいたぞ、フェン知り合いか?」
「ふん」〈知り合いだが、殺してかまいません。主〉
「おい、いいのか?」

〈昔しばらく、番として一緒にいただけのこと。ほかのメスにも、ちょっかいを出したので咎めたら、私に傷を負わされて力を奪われ今の状態。十分に愛想も尽きて居る。ほれ、フレイヤやっておしまい〉
「にゃ」〈あのバカ犬より、横の竜人。お前竜神だろうが、なぜそんな恰好をしておる〉

〈おお、俺のことを知っているのか? あん? おまえセクメトではないか。えらくかわいくなって、こっちへ来い。撫でてやろうぞ〉
〈いらんわ〉

〈あの猫と、お知り合いですか?〉
〈あんな格好だが、あの死神だよ〉
〈死神? げっあの、なんでそんな方が〉
 竜人の片方が蒼くなった。
〈それに横の人間? 現地人か? 何者だ。世の理の力を3つも持って、化け物じゃないか〉

〈理由はしらんが、その理に好かれたのか、勝手に入ってきたんだよ。おかげで死にそうになったよ〉
〈死にそうだけで済んだのなら。いみじいやつよのう〉
〈竜神お前も、横のドラゴニュートと組んでいるのか? それなら何が目的じゃ〉
〈ふぉっふぉ、ちがう、違う。向こうで寝て居ったら、頭の奥底でささやかれたのよ。此処じゃない。かの地へ赴けとな。あの魂へのささやき。かなり上位の者が、絡んでおるとわしは考えるぞ〉
〈おぬしよりも上位…… 神々がこの戯れに噛んでおるのか……〉

〈われらのような魔素で作られた、思いのみが元となった者が滅びようとしているのかもしれぬ。あがくための、物質世界への干渉かもしれんな。きっとそれは神も同じなのかもな。まあこれは、長き年月を生きてきた、年寄りの妄想かもしれぬがな〉

 えっと、みんなが動きを止めて、にらみ合っているんだけれど。
 まあ、たまにみんな笑っているけど。
 どういう状態? よくわからないけれど。ただここで、下手に手を出すとまずいのはよくわかる。
 なんだか、空気が重くて気温は低くないのに寒い。鳥肌バシバシ。ついでに背筋がゾクゾクして、おしっこちびりそう。逃げたいけれど動くと死ぬよね。きっと…… 私だけ場違い感がすごいけど、動けない。こわいよぉ。
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