勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第10話 玲己、管理者になる

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〈まあ、と言うことで、死合ってみようか。人間〉

〈はぁ? なんで、そうなるんだ。……話の流れからすると、俺に力を貸してくれても良いんじゃないか?〉
〈セクメトや、そこなメスのフェンリルみたいにか?〉
〈ああ、そうだ〉
 考え込んでいたが、
〈ふーむ、ダメだな。わしは、そこな2柱のようにかわいく変化できん〉
 そう念話をしながら、両手を広げて首を振る。
〈なっ〉
 一司は、表情が崩れて何言ってんだ状態。
〈それにの。長年、暇だったのだよ。力のあるものとの闘い。考えるだけで、うっきうっきじゃ〉
〈なんじゃこいつ〉
 しびれが切れたのか、フレイヤが先に動く。
〈なら、敵にゃ。死ね〉
 兵隊竜人とフェンリルが、驚いた顔をしながら倒れる。
〈にゃ、はじかれた〉
〈力のない、今のお前程度。神言なぞ効かんわ〉

 にらみ合いが続いていると思ったら、いきなりフレイヤちゃんが鳴いて…… 竜人みたいな人とフェンリルが死んじゃった。
 でももう一人は、平気みたい…… って大きくなりだした。

 気持ちわる…… 蛇? 違う…… 龍?
 部屋いっぱいに、鱗が…… とぐろが……。

 いきなり部屋の気温が下がる。
 これはフェンちゃんの仕業ね。
 でも、寒いわ。

「さすがに、神には効かんのか。すごいな。じゃあとりあえず死ね」
 一司さんが言った瞬間。部屋の中。
 空間が軋んだ……。

〈ほう空間ごと私を切り裂くか、素晴らしい。本当は、力を見せたかったが、その暇さえ与えてくれんとはな。空間切断か、さすがに耐えられんが、お前にこのわしの司る理を与えるのは気に食わんな。そこな娘に与えてやろう。もう一人の娘と悩むがいい。それじゃあの……〉

 さすが一司さん。龍が切れた。

 するとポンという感じで、目の前にクリスタルが出てきた。
 ……へっ、なにこれ。きれいなクリスタル。無意識に手を伸ばすと、なぜか胸に吸い込まれていった。
「うぎゃあ」
 頭の中へ、色々な情報が流れ込んでくる…… 頭が割れる。馬鹿になる。

「もう一人の娘と、悩むが良いだと、あの爺。こっちの状態をわかっていて、火種を撒きやがった」
 だが、お前は分かっていない。
 ……美月には最近慣れたが、親は怖いのだよ。ははっ。

「はあ、これなんですか?」
 ああもう取り込んだのか。
「ああ、管理者のクリスタルだ。なんだった?」
「水を司るものみたいです。雷も使えますね」
 水と雷。便利ではあるな。
「そうか。ついでに、あそこの壁に雷を撃ってくれ」
「えーと、はい」
 ガラガラダーンという音が、一瞬した。

 あっ、壁が崩れた。
「あの奥の、浮いているクリスタルもやるよ」
「えっ良いんですか」

 体が軽い。
 一瞬で、クリスタルの許へたどり着き、手を伸ばす。
 今度のクリスタルはつかめたが、また頭の中へと情報が流れ込んできた。ダンジョンて…… そうかそうやって閉じるんだ。

 ぼーっとクリスタルを抱えていると、
「もう亜空間収納が使えるだろう。しまっとけ」
 と言われて試す。

 あっそうか? 理解ができる。

 ダンジョンからの転移で、外へ出る。
 すると脇の壁に黒い渦ができる。
「ひどいな、自分だけで出るとは、まあいい。転移もできるようだな。じゃあ閉じよう」
 えっあっ。一司さんたちを忘れて来てた。
 うん、閉じる? でもここのマスター私のはず。
「えっなんで、一司さんが、閉じられるんですか?」
「お前がまだマスターになっただけで、何も設定していないから。俺の権限の方が強いんだ」
「へー」
「じゃあ、お前は帰るか。体の使い方を練習しとけよ」
「体の使い方って、なんだかエッチですね」
 そう言うと、なぜかがっくりされた。
「美月と言い、お前らはもう…… 帰るぞ」

 足元に渦ができると、飛び込む。
 家のダンジョンだ。
 フレイヤちゃんとフェンちゃんも来た。
 この2匹。戻ってきたら、ちゃんと足を拭いてる。
〈当たり前にゃ。念話が漏れている。練習しとけにゃ〉
〈はいにゃ〉「あっ釣られた」

 その後、一司は初級から上級までゲートで飛んでは、ダンジョンにスキャンをかけ階数と大まかなモンスターの分布をメモしていった。

 初級が20階、中級30階、上級だけがなぜか50階になっており、初級ボスがトロールだったりミノタウロスだったり、中級はトロールだったりケルベロスだったり。上級はケルベロスだったり、フェンリルだったりだが、ドラゴニュートがうろうろしているな。まあ弱いからいいか。

 そんな頃、家のダンジョンに戻った玲己は、早速お風呂へ行き、水魔法の練習をしていた。
 今までは、飲み水を出す程度しか出来なかったのに、ふと、意識をするだけで思った通り、水をコントロールができる。
「ほうー。これは、これは。少し、収束をして振り上げる」
 そんな感じで、イメージを言葉にすると、より簡単にその形がとれる。実際さっきの水流は湯船の角と壁を壊した。
「あちゃあ、えーとダンジョンの修復と…… あっ出来る。ふふーん。修復」

 湯船の角を拾い上げて押し当てる。修復と念じるだけで、思ったように修復ができる。
 切れた壁も、破片は無いがなぜか修復ができる。不足分は魔素を変換しているのかもしれない。

 切れた壁や床を修復して無防備な格好だが、後ろから近づく火炎魔人にはすぐ気が付きピリッと放電をする。
 やってから、自分もしびれると思ったが平気だった。
 振り返ると、美月がぴくぴくしている。

 ちょっとだけ放電。
 美月がぴくっとする。
 面白がってやっていると慣れたのか、美月の目が開き。炎を吹き上げる。
「玲己ちゃん、ひどいとは思わない? 私は何もしていないのに」
「いや、普段後ろからやって来ると、必ずおもむろに胸を揉むでしょう」
「当り前じゃない。揉むと大きくなるし、感度もよくなるのよ」
「それって迷信ですよね。感度の方は知らないですけど」

「それに、気持ちいいじゃない」
「本音はそれか!」
 パリッ。玲己が放電する。
「ぴい。酷いわ。また、びりびりした」

 それから二人は、真魚に怒られるまで、くるくる回りながら1時間ほどにらみ合いをした。そんなおバカな二人なのに、風邪はひかないようだ。

 いや、おバカだから、風邪を引かないのか……。
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