勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第20話 1月5日……それは、寒い日の午後でした

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 家の中で、ぼーっと考える。
 ぼつぼつどこかのダンジョンに入ろうか。

 それとも、魔道具を作ろうか。
 どうせすぐに、転移防止の魔道具がいるって国から言ってきそうだしな。
 ただで持っていかれるのは嫌だから、調達できやすいように先に販売してやる。

 ついでに、ゲートも売り出そう。

 あれ? 名前なんだったっけ? 画期的で素敵な名前を考えていたのに?
 まあいいや、時空シリーズつなぐ君と止める君にしよう。

 電話しよ。
「もしもし、井守先生ですか?…… いや飲み会じゃないです。ちょっとお仕事で… …いやまあ、仕事をしないといけないでしょう。 ……まあ、今回は、完全受注生産で見本のみ渡しておきます。神マークの時空シリーズ。つなぐ君と止める君です。 ……ありがたいやら、ありがたくないやらって何ですか? いや、神崎ですから、丸の中に神の文字にしようかと…… じゃあ商標登録お願いします。それで物は、つなぐ君が一対のゲートの間の空間をつなぐもので、止める君が指定エリア内の空間魔法を阻害するものです。俺の亜空間庫も使えなかったので大丈夫でしょう…… それじゃあ、おねが…… かくていしんこく? そんなもの、食べたことがないのでお任せします。……いや知っていますよ。冗談です。はーい。どっちにしろお任せします。でわ」

 よしまあ、これで…… 見本をもう少し作っておくか。
 個人ダンジョンの工場区域へ移動して部屋を追加する。
「こっちが、つなぐ君工場で、こっちが止める君工場っと。両方ともテスト用に10セット位でいいか」

 稼働させると、一瞬で終わった。まあそうだよな。
 それを亜空間庫の中にしまって、表に出ると呼び鈴が鳴っている。
 ああ? 誰だと思ってモニターを見ると、怪しい格好をした木村さんが居た。

「いらっしゃい、どうされたのですか?」
「昨日年始の挨拶後、移動通知が来て移動になった。警備部に配属されたよ」
「まあ栄転でしょう。おめでとうございます」
「君のおかげというか、君のせいというか難しいところだな」

「と言うことで、行こうか」
 と手を出してくる。
「そんな、大昔のテレビに出てきたT部長じゃあるまいし、何も言わず行こうは無いでしょう?」
「しまったな、アイマスクとヘッドフォンが必要だったか?」
「木村さん、実は50代ですか?」
「そんなはずないだろう。話のタネに見たことがあるだけだ」

 と笑いながら、
「まあ行こう」
 許してくれなかった。


 そしてまた、首相官邸です。
「いやあ。神崎さん2日ぶりだね」
 とハイテンションな総理がやって来た。
 一応立ち上がり、迎える。

「いやあ、気にしなくてもいい。座ってくれたまえ」
「またの御呼ばれ、どういった御用事でしょうか?」

 少し悩んだふりをして、総理が口を開く。
口元はにやけているから、ろくでもないことに違いない。

「実はね」
「辞退します」
「あっ。いやちょっと待ってくれ。そんな、話位は聞いてくれ」

 ジト目で応酬し。
「まあいいでしょう。それで?」
「いや考えるに、君以上に現在の状況を把握している人はいない。だから」
「却下」
「少しくらい考慮してくれても、良いのじゃないかね?」
「それに詳しいといえば、フレイヤですね。推薦します。きっと魔石で釣れますよ」
「だが彼とは、会話ができないしね」

 少し考えて、ゲートを繋ぎフレイヤを引っ張り出す。
 なぜか、毛糸玉がフレイヤの両手に巻かれている?
 ゲートの渦から、美月の首だけが出てきた。
「一司、今フレイヤちゃん連れて行っちゃだめ。毛糸の巻きなおしをしているんだから」
「そうか。でもこっちの相手も、フレイヤに用事があるそうなんだが」
「えー誰よ」
 総理の方に顔を向かせる。

 こっちに向き直る、美月。
「見たことあるんだけど誰だっけ。それで、今どこにいるの?」
「ここは総理官邸で、あの人は総理だ」
「なんで、そんなところに居るの?」
「呼ばれたんだ、恨むなら木村さんにしてくれ」
「木村のお兄さん?」
「さっき来て、攫われたんだ」
「ふーん。フレイヤちゃん返すわ。ごゆっくり~」

 フレイヤの手から、毛糸がすごい勢いで巻き取られていく……

「それで、なんでしたっけ?」
「ああ、そのフレイヤさんとは、言葉が通じないという話だったよな」
「それなんですが」
 と言いかけて、面倒くさいことに、なりそうだと言葉が止まる。

「いや、そうですね」
「ちょっと待ってくれ、さっきの言葉の続きは何だ?」
「えーと聞きたいですか?」
「ああ、頼む」
「うちの会社の、アイデンティティに、関わってくるんですけどね」
「そんなに重要なのか?」

 ちょっと、もったいぶる。一司。
「今、ダンジョンを完全に閉じられるのは、うちの会社だけで、他は穴が開いたままなんですよ」
「完全に閉じられる? そんな話は聞いていない」
「いや役所の依頼で、行(おこな)っているので、情報は上がっているはずです。それでその穴って、モンスターは湧かなくても別空間なので、あまり放って置くのも良くないのです」
「いやまあ、そうだろうな、そうでなくとも悪用が考えられる」
「それで、うちはそれを完全に閉じられます」

「その秘密を聞けば、念話が使えるようになります。面白そうですが、言いたくないのもご理解いただけますでしょうか?」
「あーまあそうだな……」
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