勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

文字の大きさ
102 / 167
第3章 本格的侵攻開始   か?

第41話 コバルト君の成果とこちら側の対応

しおりを挟む
 その後、ネット上に流れた情報によると、低階層でのモンスター増殖が速くなっていることと、死んでいたはずのダンジョンが復活したこと。

 日本でも、一司が潰した所は消滅させたが、ボスを殺しただけで放置されていたダンジョンは多数ある。

 連絡アプリの通知を見て、一司は頭を抱える。
 また、半年前の悪夢の再来。真っ赤な日本地図が送られてきた。
 さすがに、鬱陶しくなったので、到頭(とうとう)ダンジョンコアの秘密を売ることにした。

 完全攻略をすると、亜空間収納と念話が使えるようになる事。そしてダンジョンの知識を得ることができること。潰さなければ、マスターに成れ、そのダンジョンをコントロールできることを書いて、真っ赤な日本地図をお願いの返事の代わりに、『いくらで買います?』と書いて送った。

 帰って来た返事は、『ちょっと相談するから待って』だった。

 一司からの暴露。それを受けて、緊急の会議が開催された。
 国益として、非常に大きい。
 どの国も欲しがる情報だろう。
 さらに、亜空間収納のおまけと念話だ。利益は計り知れない。

「なんで彼は、いきなりこんな情報を投げて来たのだ?」
「あの地図見て、面倒くさくなったんでしょう」
「それでも、前回よりは少ないぞ。都心部の、ほかの駆除従事者が対応できそうなところは省いているからな」
「それは、まあそうですが、面倒な所のみとも言えますね」
「仕方がないだろう、彼は距離も場所も不問なのだから」
 総理と防衛大臣の会話である。

「しかしこれが本当なら、自衛隊に、それも幹部には持っていて貰いたいな」
「いえ、補給部隊も。重いものを持っての行軍が無くなるのですよ。その利益は非常に大きい」
「だから、テロや犯罪組織にわたると恐ろしい情報だな。いきなり何もない所に武器や爆弾が出てくるんだぞ。セキュリティは…… また彼頼りか」
「ああっと、それについては、転移防止のシールドで防止できるそうです。同じ空間系の魔法との事です」
「そうか」
 
 そんな事を喋りながら、二人はエレベーターから降りて会議室へ向かう。

 そう、彼らは忘れていた。近頃のエレベーターは、カメラやIoT技術が組み込まれ。独自の回路を通してモニターされていることを。
 官邸での管理は警備部絡みだが、エレベーターには独自の回路がある。エレベーター管理に派遣されていたA君は、ダンジョンという言葉と亜空間収納という言葉に反応して、ネットでささやいてしまった。

『ダンジョンで、アイテムボックスが拾えるらしい』
 その囁き記事はあっという間に拡散された。
 みんなが、その方法を模索し始める。
 タイミング的には、枯れていたダンジョンが復活して、再びボスを倒さないと奥の壁は掘れない。
 それに、かなり固い。
 闇雲に掘ってもクリスタルは見つからない。

 まあ、そんな些細な事は良い。
 タイミング的に考えると、官邸から漏れたのは間違いない。

 ちなみに、一司と総理たちの連絡には専用のスクランブルアプリが入っているので、そこから漏れることはほぼない。


 その数日後、書面も何もないのに、こそっと10億ほどの金が入金されていた。
 それに対して、なぜか松沼父経由で連絡が来て、
「何も言わず受け取ってくれ。と、総理から伝言だ」
 と言い残して帰っていった。

 後日、会計士さんの関口さんから、
「なんですこの金は」
 と聞かれて
「知らんけど、貰った」
「これって振込者、総理ですよね」
 そう言って関口さんは、頭を抱えて困ることになる。

 その後、「理由か。じゃあ面倒の手付金としよう」と連絡が入る。
 一司はその後、2週間ほど自衛隊と警察の幹部を連れて、ダンジョンに籠もることになる。

 だが、それに参加した人間からもたらされた情報は、関係者の予想をはるかに超えた。

 集合地点は警察と自衛隊合同。
 通常業務もあるため、1日10人ずつ参加。
 1日では大した結果は出せないだろうが、少しくらいレベルアップをすればいいか。
 上層部は、そんな軽い感じで派遣した。

 参加者曰く、一番初めのダンジョンでは、ダンジョンの目の前にいきなり移動して、彼の抱えた猫が「にゃあ」と鳴いたら、黒い渦を潜ってダンジョンの最奥にいた。
 彼が、「ここだな」と言って壁を殴ると、壁が崩落。

 空間が開いた中には、クリスタルが浮いていた。
 まずは、今回の作戦コード001番がクリスタルに触った。
 その瞬間に何かを受け取った様で、001番は強く頷き、クリスタルを収納した。

 目の前にできた黒い渦へと潜り、次の瞬間にはすでに次のダンジョン前にいた。
 だが、参加者の一人が、
「すみません、レベルアップもしたいので」
 と口に出した。おそらくは自衛官だろう。
 それを聞いた彼、いや教官は、いやな顔もせず説明してくれた。
「それなら、全員ダンジョン内に入って。そうそう、そこまで。ここから前には出ないでね」
 と教官が言ったら、また猫が鳴いた。

 その後は、すごい勢いで体が熱くなり、思わず皆が
「うっ」とか「ぐっ」と言っている間に、最奥のボス部屋にいた。
 説明では、ダンジョン内で使っているのは、転移でダンジョン間はゲートを使用すると言っていた。
 クリスタルを取れば、自分の管理するダンジョン内では、転移が使用できるようだ。


 そう説明しながら、教官の崩してくれた部屋に何とか002番が入り、クリスタルを受け取る。

 それを繰り返して、40分程度の時間が経った頃。教官が言うんです。
「もう全員目的は達成したから、実践だ。体と意識のずれを補正しろ。見ていてやるから、奥までみんなで到達してみろ」と。

 
 そう言われて戦闘を始めたのですが、ゴブリンなどはパンチ一発で頭が粉砕。
 彼に言われる道を、どんどん奥へ進むと分岐を一度も間違えず、10階層のボス部屋へ到達。
 5人がチームを組んだのですが、3匹いたオーガなど瞬殺でした。
 相手の動きが、集中するとスローモーションになるんです。

 その後も、どんどんと進んで行き。
 たまに脇から出てきたモンスターは、我々に近づく前に魔石に代わるんです。

 最終段数は30階。
 そこに到達できて、教官の説明によると呼称ケルベロスが居たのです。
 その時には、全員最初にあった恐怖など全く抱くことなく、モンスターと対峙することができました。
 一人ずつ順に、ケルベロスの前に立ち、1分ずつ相手をして交代するということをしました。
 最後の一人が終了して、先生が「終了」と告げると、突然ケルベロスが消滅。

 そこで先生から、
「よし、もういいだろう。全員合格」
 と、お言葉を頂いて、終了いたしました。

 その時は皆歓喜して、性別や所属を関係なく、師の下(もと)で一団となれたと思います。

 お昼に頂いた、バーベキューはおいしかったです。



「どう思う、この報告書」
「最後のバーベキューと、彼、教官、先生、師のくだりはなんだ? 洗脳でもされたのか?」
「いや、医者に言わせると、崇拝だそうだ」

「彼と一緒にいると、崇拝するようになると?」
「そうだな」
「幹部を預けて、大丈夫だったのか? 防衛大臣」
「総理、いまさらそんなことを言われても…… もう、全員終わりました。これが本当なら警察と自衛隊の幹部は彼を崇拝しています……」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...