勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第43話 おかしな人たち

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 ここはダンジョンの、芳雄の部屋。
「ねえ、芳雄」
「うん? なんだみゆき」

 ゆったりとしたソファーに二人で座り? いや、芳雄の上に、みゆきが対面に抱っこするように座っている。
 ちなみに服は着ている。

「ここへ来て、ずいぶん経つけどさ。最近、神崎さんたちって変だよね」
「今更なんだ?」
「私も、人間じゃないみたいだけど、最近神崎さんの言っている電話の対応で、総理って言う言葉が頻繁に聞こえて来て。一般人だよね、私ら」

「あー、たぶん気にしちゃだめだよ」
 そう言いながら芳雄は、ふと思い出した。
 スマホの動画を開く。
「これってさ、アメリカで公開されていた奴で、えらい人が記者会見で流したらしいんだ」

「えー、どれどれ?」
 と言いながら、みゆきは、ソファーに座り直す。
 そうして、芳雄は動画を再生する。

 再生される画面をしばらく見るが、たしかに見覚えがある。

「これって?」
「ああ、どう見ても、社長の一件だよな。確か、家でテレビを見ていて、生放送だったから暇つぶしでやった奴。今、アメリカじゃあ、社長。ルシファーって呼ばれているらしい」
「あらまあ」
 二人は顔を見合わせる。

 その頃、マンションの隣の部屋。
「ねえ、一翔」
「なあに、霞ちゃん」
「最近、なつみちゃんが、こっちに来ていないね」
「ああ? そう言えば、そうだな」
「諦めたなら、嬉しいんだけど。寂しくもあるわね」
 と霞が言うと、突然おろおろし始める、一翔。

「えっ。あきらめたって、俺と付き合うのを?」
 と言って、慌てる一翔。
「なによ、私だけじゃ不満なの?」
 当然ながら、霞ににらまれて、
「いや、そうじゃ無いけど」
 と口ごもる。
 

 その頃の、なつみちゃん。
「あーやっぱり、ここのお風呂が良いわ」
 そう言いながら、岩盤浴の板の上に真魚と一緒に寝転がっている。

「最近、ずっとこっちにいるけれど。冬月さんは良いんですか?」
「あー、一翔。そうねえ。最初は、霞も手をあげて来たんで、むきになっちゃったんだけどねぇ。最近どうでもいいや。という気になって……」
 ごろごろしながら、そんな事をぼやき始める。

「ねえ、真魚ちゃん。お兄さん、みゆきちゃんと別れる気配ない?」
 それを聞いて、一瞬驚く真魚だが、
「なつみちゃん駄目ですよ。お兄ちゃん達。ラブラブなんですから」
 と真魚が答える。

「時間をおいて…… 頭が冷えて、客観的に見るとね。どうしたって、お兄さんの方が良いのよね」
 そう言われて、素直に嬉しくなる真魚。

「ありがとうございます。だけど…… まあ良いかな、なつみちゃんなら」
「なあに? なにかあるの?」
 岩盤浴の効果で、けだるそうに額に汗を浮かべたなつみ。
 腹ばいの状態で、組んだ腕に頭を乗せていたが、顔を上げて真魚を見つめる。

「あのですね。みゆきさんは、管理者なので特別なんです」
「管理者?」
 なつみの頭の中で一体なんの? という疑問が浮かぶ。
「ええ。簡単に言うと、神様?」
「神様?」
 それを聞いて、すごく怪訝そうな顔になる、なつみ。

「一司さんをはじめとして、美月さん。めったに来ないんですけれど、玲己さんやフェンちゃんとかフレイヤちゃんも。全員管理者なんです」
 真魚にそんな事を言われて一瞬驚く。
 しかし、ふと思う。
 社長の使う魔法は、巷に広がる魔法と違うことは、自分でも変だと思っていた。

 自分たちが、救われたときも。
 あれだけ、周りにモンスターがあふれていた状態。
 彼女たちが動くこともできずに、色々な物にまみれてまで震えていた状態が、一司がやって来たとたん。
 一瞬で静かになり、さらに自分たちが光ったと思うと、次の瞬間には綺麗になっていた。

 その後、一翔と芳雄。
 それに、対象が女の子ということで、みゆきちゃんがやって来て、飲み物や食べ物をくれた。

 その時に、芳雄とみゆきの雰囲気で関係を悟り、一翔に特攻したが、その後の付き合いの中で、なにかが違うと感じ始めた。
 わざわざ転校までしたのに……。

 いや違う、社長の魔法の話だった。

 そうそう、モンスターは居なくなっていた。
 助けられたその帰りも、近くにモンスターが、居なかった訳ではない。
 近くへ来ると、突然モンスターは消滅して魔石となって転がる。
 そんな不思議なものを、出口から出るまで嫌というほど見た。

 考えれば、チーム全員が亜空間庫を持ち、オーガレベルでもワンパンだ。
 今となっては、自分もそうだが、普通のチートとは明らかに違う。

 ダンジョンの閉じ方も、未だに一般には知られていない。
 大体、自宅にダンジョンを持っているのもおかしい。
 自分も、クリスタルを貰い。
 ダンジョンマスターとなったが、未だに一から創ることはできない。

「そうね、此処にいると普通になっちゃうけれど、世の中の普通からは、完全に外れているわよ。真魚ちゃんも、言動に気をつけたほうが良いわよ」
「大丈夫です。もっと大きくならないと、管理者にならないことになっていますから」
 嬉しそうに話す真魚。

「管理者って、そんなに簡単になれるの?」
 そう言われて、きょとんとする真魚。
「そうなんじゃないですか? なんだか勝手に集まってくるって、一司さんがぼやいていましたから」
 その言葉に、なつみは目を丸くする。

「そう、なんだ。神様って簡単になれるんだね」
 純真な表情を見せる真魚の手前、そう答えたが、絶対違うと心のなかで叫ぶ。
 真魚ちゃんも常識からすでに外れている。
 そんな事を思い、不安になるなつみであった。

 そして、二人で打たせ湯を少し受けて、脱衣所へ出る。
 コーヒー牛乳を右手に持ち。
 左手は腰に当て、一気に飲む。
「「ぷはー」」
 と声が出る。
 未だに二人は、真っ裸。


 汗が引くのを待って外へ出ると、壮二がふらふらと風呂に向かうところだった。
 すると、なつみの目が光る。
「壮二くん、今からお風呂?」
「はいそうです」

 なつみは、満面の笑みで、
「お姉さんが、背中流してあげようかぁ。何なら他のところもじっくりと。どう?」
 真面目な壮二は、その言葉を聞いてオロオロするが、
「なつみさん、悪戯が過ぎます。それに、節操がなさすぎです」
 と、すべてを凍りつかせるような、真魚の目が光っていた。
 それを見たなつみは、こっ、こいつは怒らせてはだめだ。生物的本能が、そう告げる。
 そんな気配が、真魚から伝わってくる。
 
「ごめんなさい」
 と一応謝る。だが、
「いつでも、誘ってね」
 懲りずに、壮二へ向かって言い残し、ダッシュで逃げる。

「まったくもう」
 と両手を腰へと手を当て、仁王立ちの真魚は言う。
 しかし、ぼーっとなつみが居なくなった方を、見つめる壮二。

 気になって、真魚は聞いてみる。
「なに? なつみさんが好きなの?」
「う、うん」
 そう言って、もじもじする壮二。
 まさかの、壮二からのその返しに、真魚驚嘆!!

 色々な所で、密かに騒動の種が広がっていくようである。
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