勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第12話 考察

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〔メイソン・スミス中尉は、バケモンになったって? 〕
〔そのようですなぁ、各計測器を振り切るそうです〕
〔しまったな、遠慮せずに小隊クラスで放り込むべきだったか……〕

〔それだけで、スペシャルチームが作れましたね〕
〔残念だ〕

 誰とは言わない、アメリカの有名施設での会話である。

 撮影されたビデオを眺めながら、ふーんとかへーとか…… 言える状況じゃなかった。


〔何だこれは? 現実なのか?〕
〔一気に気温が下がったようだ、誰の能力だ?〕
〔不明です〕

〔あの猫と犬は? 彼はいつも連れている。あれがキーじゃないのか? 〕
〔そんなはずはないだろう。あんなキュートな2匹が、何をするって言うんだ? 〕
 そんな的を射た話は流されて、訳の分からない方向へ話は向かって行く。

〔すべては、神崎。彼だ。この中でのすべてを、彼はコントロールしているように見える〕
〔そんなことは、みな分かっている。まともな意見を出せ〕
 まあ、無理な注文である。

 映像の中では、次々に来襲する高速なワイバーン達。
 普通に避けるだけでも、無理な話だ。
 だが彼らは、散歩にでも出かけるかのように歩みを進め。近くに居るものは殴る。
 それだけで、すべてが消えて行く。

 そして、あれが起きる。
「よし、もう良いか? 」
 それで、すべてが終わる。完璧だ。彼らは、この凶悪なモンスターに対しても動じない、そして引かない。
〔”よしもう良いか。”の意味は何だ?〕

〔端的にいえば、『この位で十分だ』を示しているようです。さっきまでの戦いは彼らのトレーニング時間のようですね〕
〔はい?〕
〔彼らは、遊んでいたのか? あの凶悪なモンスターと?〕
 ここに集まるのは、アメリカでのエリートたち。

〔ふーむ、レベルが違うのはよく分かった。それで、彼らについて行った我が国の将官、え~と〕
〔メイソン・スミス中尉です〕
〔彼は、ついて行っただけで、力を得たと〕
〔そうです。尋常ではありません〕
 テクニシャンから、解析結果が報告される。

〔彼は、士官学校出身。配属されて3年。まあ、標準的な尉官です。それが、今回体力については、モンスターレベルになっています。握力で300kg以上。背筋は1tonを超えているでしょう〕

〔今回、彼らについて行っただけで?〕
〔そうです。彼はモンスター? いやヒーローにジョブチェンジしました。リポートはこれです〕
〔あっ? 和牛イズグレート? 何だこれは……? 〕
〔帰還して。迎えが来る待ち時間に、神崎から和牛バーベキューに誘われて、ビールを飲み堪能したようです〕
〔それは…… 許せんな……〕

〔ほかに、後から彼を迎えに行った小隊も、和牛Is Greatの言葉を残しています〕
〔なんだと? それは許せんな。私でも、記念日に頂くほどなのに。なぜ私は、前線に行っていなかったのだ〕

〔まあ和牛はまあいい。先に行け〕
〔はっ、申し訳ありません。大統領〕

 次の階に到着すると、ついた瞬間、魔石の降る光景……。
〔何だ、これは?〕
〔魔石の降雨ですな〕
〔それは、見ればわかる。なぜかと聞いているんだ〕
〔さあ? 彼に、聞かないと不明です〕

〔……〕

 次の階では、アクションカメラが揺れている。
〔どうしたのだ?〕
〔のちの状況を考えると、彼、メイソン・スミス中尉は、レベル酔いという症状だと考えられます〕
〔レベル酔い?〕
〔詳細は不明ですが、急激にモンスターを大量に倒す。または、強力なモンスターを倒した時にこのような状況になるようです〕
〔まあ見た感じ、強力なモンスターを大量に倒しているからな〕

〔後日聞くと、もうフラフラで、目の焦点すら合わない状況だったようです〕
〔ふむ、他にその症例はあるのか?〕
〔ええ、モンスターハンターと呼ばれる者たちの中で、新人は、これに良くかかるようです〕

〔一般的な、症状なのだな〕
〔そうです〕

〔普通なら、数体を倒すのがやっとの状態なのに、彼らは殲滅と言っていい。おかしくなっても不思議ではない〕

 そんなことを言っている間に、次の階。
〔モンスターが、変わったぞ〕
〔報告では、レッドドラゴン。火を吹くそうです〕
〔シールドで耐えれそうか?〕
〔無理でしょう〕

〔優に、シールドの耐久温度を超えています〕
〔そうか、早急に対応が必要だな〕

〔どうしました? 大統領〕
〔いや猫がな、神崎が何かを言うと、鳴いているのだ『にゃあ』とな〕
〔猫が、ですか? では、それを念頭に解析を進めます〕

〔ああ頼んだ〕
 引っかかる。神崎が、ただのペットをダンジョンに連れてくるとは思えない。

 黒猫だからというわけではないが、死の使いに思えてしまう。
 そう、事情を知っていれば、大統領ナイス!!の声が聞こえて来そうだ。


 月のコバルト君

「うー。まいったぞ。死ぬ所だった。地上へ下した分体への攻撃で、こっちまで影響を受けるとは…… いやまて、聞いたことがあるぞ。 死を司る管理者。セクメト様の能力は防げない、彼を怒らせるなと昔長老に聞いた覚えがあるな。あの時は、我が一族の半数が一瞬で消えたとか…… 原因は、日向ぼっこをしていた、セクメト様の日光を我が一族の者が飛んでいるときに遮った。だったか? いやでも、あのようなお方がなぜ。まさか体を代えられて。一時的にレベルが下がって、巻き込まれたなどと言うことは…… まさかそんなことは…… 調査をしよう。セクメト様をどこかで見かけなかったかと。管理者様を向こうに送れば、そもそものあの方の計画が崩れてしまう。理不尽に耐えかねての逃亡先なのに…… はっ、聞かれていないよな」

コバルト君は、周りを見回して安堵する。
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