勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第15話 家も世界も混乱中。

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 家へ帰ってくると、楽しそうな壮二から、写真が送られて来ていた。
 友人と一緒に、楽しそうな表情をした写真だ。
「壮二も、友達と楽しそうだな」

 写真を見ながら、真魚に言うと、
「前の中学と違って、いま壮二。モテモテみたいです」
 ほう、
「理由は?」

「それはやっぱり、前と違って清潔にしてきちんとした服も着ているし、本人も随分明るくなったので。全部一司さんのおかげです」

「まあ、普通ならお前たち良い子だし、友達位普通だろう」
 そう俺が言うと、真魚がなぜか嬉しそうに微笑む。

 こっちに向き直り、
「その普通が、つい最近まで、どうしてもできなかったんです」
 そう言って、抱き着いて来る。
 俺は、飛び込んでくる体を、受け止め真魚の頭をなでる。


「まあ、見て奥さま。真魚ったら最近いつもこうなんですよ? 甘えすぎだと思いません事」
 美月が、昼下がりの奥様ごっこをしているようだ。
 無視だな。
 ちなみに、一人芝居で相手はいない。

 おや? そう言えば、さっきまでいた、玲己はどこへ行った?
「なあ、玲己はどこに行った?」
「んー、たぶんお風呂。なに? 一緒に入りたいの? 」
「お前は良くても、他の連中が困るだろう? 」

「困らないよね~」
 と美月が真魚に言うと、すごい勢いでうんうんと首を縦にふる真魚。
 なんか毒されているな。
 リクエストにお応えして、女湯へ移動する。

 風呂場に着き、ガラッと引き戸を開けると玲己じゃなくて、みゆきちゃんが居た。
 声をあげるでもなく、俺を上から下までじっくりと見て、
「そうなんだ。あれが…… 」
 と、一言言って出て行った。なんだ?

 とりあえず、美月と真魚による強制洗体を受けて湯船につかる。
「ふう…… 真魚は、学校どうなんだ?」
「楽しいですよ。お友達もできたし」
「ラブレターとか、告白とか来るんじゃないか?」
「冗談でしょう。同学年なんか、アウトオブ眼中です」

 そう言いながら、真魚の目が光る。
 その時、温かいはずの風呂場に冷たい風が吹く。
「おお、そうか……」

 玲己はそのことを後で聞き、泣いた。
 その時間、一司の部屋の前でセキュリティを破るために、四苦八苦していたらしい。

 リビングに居ると、泣きながら玲己がやって来た。
 話を聞くと、俺の部屋のセキュリティが破れなかったらしい。
「うん? 玲己なら、認証が通るはず。鍵なんか、かかっていなかっただろう?」
「押しても引いてもだめでした」
「ドアノブを回して、横に開くんだ」

 その瞬間、玲己の顔ががーんとなった。
 そこに、美月が火種を投げ込む。
「せっかく、玲己がいると思って、一司を連れて女湯に入ったのに。残念ね」
 がっくりと、膝をつく玲己。

「なあ、俺が言うのもなんだが、おかしいよな?」
「何が?」
 玲己が、どこかのヤンキーのような顔であ゛あ゛っと言う顔をする。

「すごい顔をしているぞ?」
 そう言ってやるが、まだ顔が戻っていない。
「一応、俺には、美月と言う婚約者がいるんだが?」

 あっ、顔が戻った。
「男なら、黙って抱いてください」
 真面目っぽく言っているが、変だぞ。

「美月さんは、良いとおっしゃっています」
 俺は、美月を見る。
 なぜか、うんうんと頷いている。

 なんだ? この状況。 俺が悪いのか?

「なら私も」
 と真魚が言うと、
「「あんたは駄目」」
 見事に、そろった声が聞こえる。

「もう、いいじゃん。えっちしよ」
 ふらふらと、立ち上がり、玲己がこっちへやって来る。
「おっおい」
 美月を見るが、手のひらを顔に当てて指を開いている。
 見えているだろう。

 あっ、気を抜いていた俺は、押し倒されておもむろにキスをされる。
「むぅ。おい」
「いいじゃん。真魚は、お部屋に戻ろうか?」
 そう言って、真魚は必死で顔をこっちに向けながら、美月に連れていかれる。
 
「おおい。日本は一夫一婦制だ」
「うん」
 また、キスをされる。

 玲己の顔を見ながら、聞いてみる。
「良いのか、それで?」
「いいに決まっている。私が許す。私が法なの」
 もう、訳が分からない。

 もう俺は、あきらめた。
 美月が許可しているならいいや。どうとでもなれ。

 気が付けば、ダンジョン側の部屋で3人仲良く寝ていた。



  時は数日戻り、各国の代表者がビデオ会議を開催していた。
〔いや、ビデオを見ました。すごいですな〕
〔ああ。彼はぜひ、西側で共有すべきだ。国として、ダンジョンとモンスターの脅威を抑えるには彼以上の適任者はいない〕
〔日本が独占というのは、ダメだろう〕
〔しかし、彼は、日本人だからな〕
〔そこでだな。世界レベルのダンジョン対策システムを構築して、それに加入させるべきではないか? 〕

〔そうだな、それが良い。早速立ち上げて、ある程度、権利を持たせばいいだろう〕
〔国連の下部組織か? 〕
〔それだと余計な所が、金と人数で押して来る可能性が高い。独自に立てるべきだろう〕

〔ちょっと、ヨーロッパにも話を投げてみようか〕
〔ああ、あっちも、対策に苦労をしているだろう。組織を作ってあっせんするだけで、きっとかなりの額が見込める〕

〔まあ自軍を動かすより、早くて効率的。さらにリーズナブルだ。仲介だけで儲けになる〕
〔ジャパニーズ。ファーストフードだな〕
〔なんだ? それは〕
〔アメリカ大統領たるものが知らんのか? それは問題だな。ジャパンには、寿司やてんぷらだけではなく、牛丼とか、うどんヌードル、ラーメンとかいい物がたくさんある。合言葉は早い安いうまいだ〕

〔そうか、それは良い。話はすぐに、ヨーロッパと…… アラブだな。まとめよう〕
〔ふっふっふ。任せたよ〕



 だが、そうはうまくいかない。
〔アメリカ大統領の仰ることには賛成だ。確かに自軍を動かす経費を考えれば安い。だがな、長年の移民問題や、世界的伝染病による経済的打撃。どこかの侵略による燃料の打撃。そこへ今度のダンジョンとモンスター騒ぎ。ヨーロッパでうまく回っている国は少ないのじゃないかな。それにシステムを作るなら、ほかの貧困国からも依頼を出してこれるように配慮してもらえると助かる。モンスターが何とかなっても、立ち行かなくなるような金額は捻出できない。対費用効果を考えれば1億ドルだろうが安いと言えるが、今はさすがにつらい。半年前なら出せたのだが〕

〔かといって、彼らも命を張って任務を行う。あまり安くもできんだろう。引き受けてくれない場合、自軍とモンスターの消耗戦へとなり、それこそ国が滅びないかね〕
〔だから反対とは言っていない。1ミッションの費用を少し安くと言っているんだ。経済状態が上へと向かえば、今度は多少値上がってもいい〕
〔うちならば、5~6千万ドルは出せるが。他はどうだ?〕

〔うちはいくらでもいい。モンスターを何とかしてくれればね。砂の中を移動する厄介なのが居てASM(空対地ミサイル)を撃ち込んでいるんだが、効き目がなくてね。困っているんだ〕

〔困っているのは何処もそうだ。金を持っているからと言って、金額を引き上げられてはかなわん。金額の多さではなく緊急度で順番を決めてくれ〕
〔うちは、病気の影響や干ばつもあって、復活しかけたところをモンスターにやられた。主要農産物はだめだ。今年は何とかなっても、来年はどうなるかわからん。ドメーヌもいくつかは潰れるかも、いや小さな所は確実に潰れるだろう〕

〔何か画期的な武器でもあれば、ましなのだろうが、効き目が弱いとばらまくしかなくなるからな。それだけで、経費ばかりがかさんでいく〕

〔だから、それは何処も同じだろう。どうだろう? 初回は表へと出ている野良モンスターの駆除だけということで、1千万ドルと経費。それと倒したモンスターの魔石は向こうの利益で話をしてくれないか〕

〔どの国も、表に出ている野良の駆除が一番手間がかかり、経済圧迫の理由じゃないのか?〕
〔いや、だからそれを何とかしてもらえたらだな、こちらの状況もきっとよくなるんだ。そうすれば次回は多く出せる〕

〔分かった。まあ彼に拒否されないことを、祈っておくことだな。つまらん所をけちると国が亡ぶぞ〕
〔言われなくても、わかっているさ〕

〔じゃあダンジョン&モンスター対策協会の設立は発表する。今の所、公式チームは神崎のチーム『株式会社 特別指定外来種対策会社』のみ。あとは選考中とでも言っておこう。同レベルのチームが居ればいいが…… 出てこんだろうな〕
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