勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

あるかもしれないお正月の話 (お正月に合わせて書いた閑話です。ネタばれあり)

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 俺たちは、今、7階建ての自宅で餅を食っていた。

「ピンポン」
 チャイムの音がして、来客が来る。
 出てみると恵比寿様を始めとして、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天様だ。

「みなさん。あけましておめでとう、ございます。本年もよろしくお願いします」

「あれ? 布袋様。楽器を始めたんですか?」
「ああ、ギターは良いぜ」
 なぜか、電源もアンプもないのに音が出ている。

 弁財天様からクレームが入る。
「現世に降りてからロックにはまったらしくてね。やかましいのよね」
「良いじゃねえか。こうして生身になると色々が面白くてな。今はギターが面白い」
「帝釈天。ほれ昨日釣ってきた鯛だ」
 恵比須様から差し入れが来た。

「しかしあれだな、帝釈天お前ももう階位が上がって菩薩レベルにはなっているはずなのにな」
 毘沙門天様から突っ込まれる。

「こいつはだめだよ。欲望に忠実すぎる。また女を増やしたのだろう」
 弁財天様から突っ込みが入った。

「成したものは偉大なのにな」
「ほっといてくれ。まだ修行中だ」
 俺はジト目で返す。

「だめですよ、皆さん期待しているんですから」
「真魚」

「そうですよ、一司さん」
「玲己まで」
 気が付けば、皆がこっちを見ている。

「まあ、飲もうや正月だ。鯛は大きいから半分は刺身で半分焼くか」
 俺がそういうと、
「そんなケチなことをしなくても、増やしてやる」
 恵比須様が手を振ると鯛や伊勢海老がわさわさ湧いてくる。
「さす神」
 俺がそういうと、
「何を言っておる。お前もできるだろうが」
「そう言えば、生物創造持っていたな」
 試すと、タラバが出てくる。
 そういえば、蜘蛛に貰ったやつだと思った瞬間、タラバから蜘蛛に変わり始める。
「うっわー」
 場が騒然としたが、毘沙門天様が手を振ると蜘蛛が消えた。

「まだまだだな。自分で言うように修業が足らん」
 芳雄から、突っ込みが。今は孔雀様か?

「一司さん。昨日の昼から飲みっぱなしでしょう?」
「なんだよ、孔雀様まで。うん? 今は芳雄のほうか? 良いじゃないか正月くらい」

 ワイワイと言いながら、増えた鯛や伊勢海老。タラバで料理を作り始める。
「阿修羅はどうした?」
「今実家に手伝いに行っています」
「ああ人間の親か、息子のほうには私が加護を与えたからな」
 弁財天様がそういうと、わしも与えたぞ。周りでみんなが言いはじめる。

「あいつ、知らないうちにチートかよ」
「お前の息子だしな」
「もう魔法使っているんですよ」
「ああ、セクメトが面白がって教えているんだよ」

「まさか、神言とか使っていないよな?」
「さすがにそれは……」
「確認をしておけよ。あぶないぞ」
「どうやって確認をするんです」
「ダンジョンで試すしかないだろう。それとも受けてみるか?」
「ああまあ、受けても大丈夫ですけどね」

「ほんとか?セクメトより強いんじゃないか? 皆からの加護もあるしな」
「あいつの生まれたタイミングだと、中にだれか上位の方でもいるんじゃないか?」
「おい冗談でもやめてくれよ」
「生まれたときに『天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)』とか言わなかったか?」
「おい冗談でもやめてくれ、そんな方がいれば、さすがに存在がわかるだろう」
「まあそれはそうか」
 どっと笑いが起こる。

「そういえば、天界の再構築から始めるんだろう」
「あっ、言うの忘れていた。もう終わったぞ。ポータルは鵜戸の奥にあるのを復活させてある」
「そういうことは、コミュニケーションアプリにグループ作ったんだから流せよ」
「ああ、あの『神の集い』ですか?」
「中に菩薩様とか居るんで怖いんですよ、神罰来ません?」
「そんな短気な方は、菩薩になれん」

「菩薩さまといえば月光菩薩(がっこうぼさつ)様、なつみ様はどこに」
「ああ。すまん、まだ寝ている」
「昨夜一司さん酔っぱらっていたから、無茶をしたんでしょう」
「もう少しで光を得ることができると、張り切ったのはあいつのほうだよ。今年は私がいちばーんとか言って」
「菩薩を雑に扱っているのはお前じゃないか、何が怖いだよ」
「あいつはいいんですよ。身内だから」

「さあできた、飲みましょ食べましょ」
「うえーい。カンパーイ」
「本年も良い年でありますように~」

「この蜘蛛の足うまいな」
「それはタラバガニ、蜘蛛じゃなくせめてヤドカリと言ってください」
「そうか? どっちでもいいや。福を授けてやる」
 そう言って福禄寿様が謎の光線を世界中に発する。

「これで今年1年世界は平和になる。多分?」
「そこは、断言してくださいよ」
 また笑いがおこり、ほかの神もついでだと光を発し始める。

「まだしばらく歴史は続く。よろしくお願いします」
「誰に言っているんだよ」
「いろいろあるんです」

「「「「「ということで、今年もよろしくお願いいたします」」」」」
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