勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第5章 空間崩壊と混ざり合う世界

第1話 所により、ゴブリンが降って来るでしょう

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「今日、太平洋の赤道上。よくエルニーニョやラニーニャ現象が観測される海域の上空で、原因不明の高気圧が観測されています。現在周辺観測を行っていますが、まだ原因は分かっていません。今年はまだラニーニャ現象が続いています。今年の夏は暑く、冬は日本海側は平年より雪が多くなる可能性が高いと予想されます」

 スタッフがメモを持ってくる。
「続報です。先ほどの地点に向けて、異常が出る少し前に、月からブレス攻撃があり気象観測衛星一基が消滅した模様です」


 神崎家のリビング。
「あー壊れたな。修復します?」
「いやどうせ壊れる予定だったんだ。海の上なら被害は少ない。降って来てもゴブリンだろ。海に落ちたら死ぬだろう」
「そうなんですか? いやな予感がするんですけどね」
 まだのんきな、一司と孔雀。


 
 その3日後。
「先日発見された、太平洋上の高気圧ですが、現地を飛行した航空機から撮影された映像が、ネット上に公開されました。大変ショッキングな映像となっていますご注意ください」

 そう言って流され始めた映像には、空に10mほどの黒い穴が開き、そこから何者かによってゴブリンがこちら側に投げられている映像だった。
 不思議なことに、飛行機はバンクして周囲を旋回しているのに見えている場面がずっと同じで、2機で別方向から見ても同じ景色が見えるそうだ。
 上や下から見ると真っ黒の球体に見えるらしい。
 上や下から見ていると、黒い穴の2~3m下に、突然ゴブリンが現れて落下を始めると報告が来ている。

「先ほどの映像ですが、穴から落下していたのは人間ではなく、特別指定外来種のゴブリンとのことです。ゴブリンは、落下によりすべて死亡しているのが確認されています。ご安心ください」

「いやあ、問題は向こう側でゴブリンを投げていた存在と、穴が3日でかなり大きくなったという事実ですね。UFO研究家? の○○さんこれからどうなると思われますか?」
「どうなると思われますか? と言われても、今の映像を見て、なぜ私が呼ばれたのか不明です。見たままで良いのなら、穴が広がり続けた場合、いずれこちら側にも影響が広がるでしょうという予測しか立ちませんね」
「お聞きになりましたか? 穴が広がり続けた場合、いずれこちら側にも影響が広がるでしょうという予測。そうおっしゃいました」
 満面の笑みで、興奮気味に報告するアナウンサー。

 不機嫌そうに椅子の背もたれにもたれかかり、腕組みをしているUFO研究家のおっさん。
「それで、どうして私が呼ばれたの?」
 そう聞かれると、にこやかだったアナウンサーの表情が消えて、
「対象が空ですから。それと今、なぜかオカルト系の方一切捕まらないのですよ」
 と、アナウンサーだと思えない、小さな声でぼそぼそと報告する。

 それを聞き、ああっ。と、みんながなぜか納得をした。
「死にたくありませんものね。最近ではPCのモニターに映るウィンドウの裏から黒い男が這い出して来るからGUIは使うな。時代はCUIだという人間がいるようですし。詳細が不明なのは、会ってしまった人間は死んだからだと言われていますね」
 アナウンサーがぼそぼそと説明すると、研究家も答える。
「ええ不都合な事実を書き込んだりしても、気温が急に下がると終わりということです」
 この、ほぼ雑談部分は視聴率が跳ね上がり、リツイート数もすごかった。

 関係者は放送後おびえたのだが、なぜか、全員無事で情報も拡散されたままだった。


 その頃のアメリカ。
〔先に情報が出てしまったな〕
 大統領がぼやく。
〔神崎さんはなんと?〕
 携帯の画面を見せてくる。
〔壊れるまで待つからほっといてください。どうせ作り変える予定〕
〔という事だそうだ〕
 補佐官は驚き質問を返してくる。

〔すると、知っていたということですか?〕
〔上の方で、話し合いがついているとのことだよ〕
〔上。我が国を差し置いて、上とは?〕
〔神々だそうだ〕
 そう言って、イスに深く座り直す大統領。

〔神崎様は、それに出たということですか?〕
 補佐官にそれを言われて飛び起きる。
〔そこに気が付かなかった。聞いてみよう〕
 慌てて電話をかける。
〔はい。神崎。大統領のジェンセンだ〕
〔なんでしょう?〕
〔君の送ってきたメールだが、君は神々の会議に出たのかね?〕
〔出るわけ無いでしょう? 報告を受けただけです〕
〔報告? 誰から?〕
〔おーい孔雀かわれ、ご指名だ〕
「あん誰だよ?」
「アメリカという国の偉い人だ」

〔アーもしもし、なんだ?〕
〔君は?〕
〔あん? 明王の孔雀だ。明王は階位だな〕
〔君は会議に出たのか?〕
〔そんな物出られるわけないだろう。あれに出られるのは創造神レベルだよ。各宇宙のバランスをどうするかという話だ。俺たちなんか、近寄るだけで神の発する神気にやられて燃えちまう。あんた出たかったのか?〕
〔いや、そうではないが〕
〔出るんなら人生数億回修行しろ。それでも足りないかもしれんが。じゃあな〕
 ブチ、ツウー。

〔切られた。出るなら人生数億回修行しろとのことだ。明王の孔雀と名乗ったぞ。調べてくれ〕
〔人生数億回ですか。間に合いませんな。アジアの輪廻という考え方ですね〕


「うん? どうした」
 俺が深刻な顔をしていると、孔雀が聞いて来た。
「今なあ、創造者、次元管理、生命創造。という力があるんだけど。こんなの持っていて大丈夫かな?」
「それで菩薩さまが、お前に任せろか。なるほどな。修行しろ。使えるまで。お前の場合、創造神より破壊神シヴァ様に近そうだがな」
 そう言ってけらけら笑われた。笑い事じゃねえよ。
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