5 / 120
第1章 異世界との遭遇
第5話 やっと聞いた、魔王の顛末と今の状況
しおりを挟む
「あーだからだな、今から10年ほど前になるかの?」
じいさんがそう聞くと、周りのばあさんたちが頷く。
「その頃から今まで居なかった、モンスターが出始めてな。それが始まりじゃった。それに対応するために軍を強化したが、手が足りなくてな。アルテリウム王国と共同で、モンスター退治を主として冒険者組合という物を立ち上げてな」
「冒険者?」
「ああその頃、ダンジョンも発見されたのじゃ。ここもそうだが、放って置くと氾濫を起こす。するとモンスターの大群がやって来る。普段は出てこない深い階層のモンスターまでな。じゃから、冒険者が山や荒野に踏み入り、未発見のダンジョンも探して駆除をするようになったのじゃ」
「ほう。ラノベの一般常識と一緒だな。まあ良い。それで」
「まあ苦労しながらも、生活をしておったのじゃ。ところが、3か月ほど前かのう。魔物の大群がダンジョン関係なく襲ってき始めたのじゃ。突然町の近くへ押し寄せて来た。王国の軍と、冒険者たちが力を合わせて押し返しておったのじゃが、奴らが来たんじゃ。四天王と呼ばれる奴らと魔王が」
そう言って一息をつく爺さん。
「そして、おぬし水は持ってないか?」
「好きなだけ飲め」
そう言って、魔法で出そうとしたが、魔法で出すと確実に起こる惨劇が目に浮かんだ。
ミネラルウォーターのペットボトルを出す。
紙コップを出して、どぼどぼ注ぐ。
「おおうまい。この水。程よい硬度の軟水じゃな。無駄なにおいも無し。料理に良し体にも優しい。うむうむ」
そう言って口の中でむぎゅむぎゅして、唇をすぼめてずぞぞとテイスティングをする爺さん。
「良かったな。続きはよ」
「おうそうじゃ」
ほかのジジババも欲しそうなので、コップを配る。
「どこまでしゃべったかの?」
「四天王と魔王が来たところだ」
「おうそうか、それで戦いになった時に一気に不利になってのう。足手まといな、わしらと子供を逃がしてもらい、ここに隠れ住んで居る。あれから一月経ったが迎えに来るものがおらんでな。モンスターを倒して食い物を得ておるのじゃ。可愛そうじゃろ。じゃから武器を……」
「残念だな、最初から理由を言って、貸せと言うなら分からんでもないが、勝手に盗って、人を牢に押し込むのは、人としてどうだ?」
「貸してくれるのか?」
そう言って、満面の笑み。
「は・な・しを聞け。人としてどうだという部分を、飛ばすんじゃない」
そう言うと、笑みがしぼむ。
「そうだな、町はどっちだ? 見て来る位はしてやる」
「本当か? 嘘なら承知せんぞ」
「どうしてあんたは、人のやる気を折るかな」
「すまんな。正直者なものでな」
「うん? 理解が出来んぞ」
「馬鹿じゃの」
「おい。もういい。真一帰るぞ」
「やっとか。じゃあ爺さん達者でな」
そう言って立ち上がる。
「おいちょっと待て、ほんの軽い冗談じゃ。迎えが来ないと死んでしまう。若い者たちはみんな町なんじゃ」
「若い者? 若いものか。男だけじゃなく女もか?」
「そりゃそうじゃ。上には年寄りと子供だけじゃっただろ」
「そうだな」
「あいつら、自分ではモンスターを狩らんくせに、同じ肉は飽きただのどうだ、文句ばかり言いおって」
「まあ一月、肉ばかりだと飽きるだろうな。子供もいたな。チッ仕方が無い。ちょっと食糧使うぞ」
「ひゅーひゅー。広大君てば良い人」
「おい。人の傷口を抉るんじゃねえ」
そう言って本気で睨む。
今まで、優しそうな人で付き合いが始まり、良い人で付き合いが終わる。
いつもの、振られるパターンだ。
大抵そうなると、真一を巻き込んで酒を飲むから、事情をこいつは知っている。
どうして最後は、私だけに優しい人がいいの。なんて、訳の分からない理由で振られるんだよ。
そんなこと言ったら、生活が出来んだろ。
「この所、まともなものを食ってないんだろう。上に上がるぞ」
「もうちょっとで、モンスターが復活する。ちょっと待ってくれ」
「ああっ? もう1時間も経つのか」
そう言っていると、リポップした。
その瞬間、空気の刃を飛ばす。
ぼてっと、肉が落ちる。
「ほら拾ってこい」
そう言ってドアを出る。
階段を3つ上がると、ギャン泣き娘がこちらを覗いていた。
目が合うと、慌てて逃げていく。
広場へ出て、
「おら。腹が減っている奴手を上げろ」
そう言うと、ばらばらと手が上がる。
一緒に上がって来た爺さんたちは、びしっと手を上げている。
「よし。食う奴だけこっちへ来い」
数えると、子供16人と大人8人だな。
えーと米なら、俺らが一食1合だから半分か? いや、一人1合で炊いておにぎりにするか。4合炊きの飯盒でちまちま炊いても足りんな。そうか、土鍋もあるな。
炭やバーベキューコンロを取り出し、火を起こす。
完全に燃やし、熾火になるまでにコメを炊こう。
別に竈を作り、火を起こす。
まきは大量にある、ゴブリンの棍棒だ。
バーベキューコンロの火が落ち着いたら、焼くものを真一に渡す。
当然野菜や、シイタケ、エリンギ、エノキ、牛肉、鶏肉や豚肉、焼きそばの麺もある。肉はすべてモンスターのドロップだ。
たれを、深めの紙皿に入れ、回す。
水や、お茶、ジュースも完璧。
当然俺たちはビールだ。
じいさんがそう聞くと、周りのばあさんたちが頷く。
「その頃から今まで居なかった、モンスターが出始めてな。それが始まりじゃった。それに対応するために軍を強化したが、手が足りなくてな。アルテリウム王国と共同で、モンスター退治を主として冒険者組合という物を立ち上げてな」
「冒険者?」
「ああその頃、ダンジョンも発見されたのじゃ。ここもそうだが、放って置くと氾濫を起こす。するとモンスターの大群がやって来る。普段は出てこない深い階層のモンスターまでな。じゃから、冒険者が山や荒野に踏み入り、未発見のダンジョンも探して駆除をするようになったのじゃ」
「ほう。ラノベの一般常識と一緒だな。まあ良い。それで」
「まあ苦労しながらも、生活をしておったのじゃ。ところが、3か月ほど前かのう。魔物の大群がダンジョン関係なく襲ってき始めたのじゃ。突然町の近くへ押し寄せて来た。王国の軍と、冒険者たちが力を合わせて押し返しておったのじゃが、奴らが来たんじゃ。四天王と呼ばれる奴らと魔王が」
そう言って一息をつく爺さん。
「そして、おぬし水は持ってないか?」
「好きなだけ飲め」
そう言って、魔法で出そうとしたが、魔法で出すと確実に起こる惨劇が目に浮かんだ。
ミネラルウォーターのペットボトルを出す。
紙コップを出して、どぼどぼ注ぐ。
「おおうまい。この水。程よい硬度の軟水じゃな。無駄なにおいも無し。料理に良し体にも優しい。うむうむ」
そう言って口の中でむぎゅむぎゅして、唇をすぼめてずぞぞとテイスティングをする爺さん。
「良かったな。続きはよ」
「おうそうじゃ」
ほかのジジババも欲しそうなので、コップを配る。
「どこまでしゃべったかの?」
「四天王と魔王が来たところだ」
「おうそうか、それで戦いになった時に一気に不利になってのう。足手まといな、わしらと子供を逃がしてもらい、ここに隠れ住んで居る。あれから一月経ったが迎えに来るものがおらんでな。モンスターを倒して食い物を得ておるのじゃ。可愛そうじゃろ。じゃから武器を……」
「残念だな、最初から理由を言って、貸せと言うなら分からんでもないが、勝手に盗って、人を牢に押し込むのは、人としてどうだ?」
「貸してくれるのか?」
そう言って、満面の笑み。
「は・な・しを聞け。人としてどうだという部分を、飛ばすんじゃない」
そう言うと、笑みがしぼむ。
「そうだな、町はどっちだ? 見て来る位はしてやる」
「本当か? 嘘なら承知せんぞ」
「どうしてあんたは、人のやる気を折るかな」
「すまんな。正直者なものでな」
「うん? 理解が出来んぞ」
「馬鹿じゃの」
「おい。もういい。真一帰るぞ」
「やっとか。じゃあ爺さん達者でな」
そう言って立ち上がる。
「おいちょっと待て、ほんの軽い冗談じゃ。迎えが来ないと死んでしまう。若い者たちはみんな町なんじゃ」
「若い者? 若いものか。男だけじゃなく女もか?」
「そりゃそうじゃ。上には年寄りと子供だけじゃっただろ」
「そうだな」
「あいつら、自分ではモンスターを狩らんくせに、同じ肉は飽きただのどうだ、文句ばかり言いおって」
「まあ一月、肉ばかりだと飽きるだろうな。子供もいたな。チッ仕方が無い。ちょっと食糧使うぞ」
「ひゅーひゅー。広大君てば良い人」
「おい。人の傷口を抉るんじゃねえ」
そう言って本気で睨む。
今まで、優しそうな人で付き合いが始まり、良い人で付き合いが終わる。
いつもの、振られるパターンだ。
大抵そうなると、真一を巻き込んで酒を飲むから、事情をこいつは知っている。
どうして最後は、私だけに優しい人がいいの。なんて、訳の分からない理由で振られるんだよ。
そんなこと言ったら、生活が出来んだろ。
「この所、まともなものを食ってないんだろう。上に上がるぞ」
「もうちょっとで、モンスターが復活する。ちょっと待ってくれ」
「ああっ? もう1時間も経つのか」
そう言っていると、リポップした。
その瞬間、空気の刃を飛ばす。
ぼてっと、肉が落ちる。
「ほら拾ってこい」
そう言ってドアを出る。
階段を3つ上がると、ギャン泣き娘がこちらを覗いていた。
目が合うと、慌てて逃げていく。
広場へ出て、
「おら。腹が減っている奴手を上げろ」
そう言うと、ばらばらと手が上がる。
一緒に上がって来た爺さんたちは、びしっと手を上げている。
「よし。食う奴だけこっちへ来い」
数えると、子供16人と大人8人だな。
えーと米なら、俺らが一食1合だから半分か? いや、一人1合で炊いておにぎりにするか。4合炊きの飯盒でちまちま炊いても足りんな。そうか、土鍋もあるな。
炭やバーベキューコンロを取り出し、火を起こす。
完全に燃やし、熾火になるまでにコメを炊こう。
別に竈を作り、火を起こす。
まきは大量にある、ゴブリンの棍棒だ。
バーベキューコンロの火が落ち着いたら、焼くものを真一に渡す。
当然野菜や、シイタケ、エリンギ、エノキ、牛肉、鶏肉や豚肉、焼きそばの麺もある。肉はすべてモンスターのドロップだ。
たれを、深めの紙皿に入れ、回す。
水や、お茶、ジュースも完璧。
当然俺たちはビールだ。
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる