人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

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第2章 異世界開拓

第41話 チームに裁縫師が加わった。

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 買い物をしながら待っていると、息を切らせて例の女の子が来た。

「お待たせしました。話は聞きました。何でも良いです。何でもします。しごとをください」
 そう言って、飛びついてくる。
 それを、左手一つで制す。

 ジタバタしているが、気にせず聞く。
「ちょっと落ち着いて。どうした」
「首になった後。賠償だって言われて、なけなしのお金取られたし、この3日まともなものを食べてないんです。アパートも追い出されそうなんです」

「よし、そんな君に。さっそくお仕事だ。普通の人が着やすそうな色とデザインで既製服を作る。その材料と必要なものを見繕ってくれ。予算は50万」

 そう。今、実は小金持ち。
 持っていたお宝や金貨は、多分買いたたかれたが、お国が買ってくれた。
「無茶はしないようにね」
 そんな謎の言葉で、念押しされたが。
 当然出せそうなものだけしか、売っていない。

 ロン何とかと言う、一突きで、地球のコアを割れそうな槍もあるし。そんなものは隠してある。
 その手の奴は、一般人だと手にした瞬間。死ぬような気がする。
 鑑定の結果ではないが、予感がする。
 やばそうな剣は、触った瞬間ゾンビ化しそうだし。ただこの剣『生命の歓喜』と言う皮肉な銘が付いている。

 それはさておき、真一と折半しても、トラクターの借金は払ったし小金持ち。
 一時所得で税金が怖いが、半分残しておけば大丈夫だろう。

 まあ、それはさておき、目の前の生活難民娘は、すごい勢いで買い物かごを積み上げる。

 くるっと向き直り、
「作るのは何着ですか?」
 と、聞いてくる。

「テストして、売れそうだったら継続的に売る。その場合は、卸さんとも話をしないといけないがな」
「任せてください。伝手はあります」
 そう言って買い物をする。

 あっという間に終了し、会計する。
 ちょっとだけ割引かれる。
 その間に、斉藤さんが奥へ入り込み、つまみ出されてくるが、何かを耳元でささやくとぼてっと落とされる。

 店長さんだろうか、にこやかに歩み寄ってきて、
「これから先、ある程度の量を継続的に購入されるなら、お得なマージンでうちに言っていただければ、仲介いたしますので。無論小売りよりは、ずいぶんお安くいたします」
 そう言って、にんまりしてくれた。

 この人は、店長さんだが、仕入れの方も明るく。任せてくださいとのことなので、任せることにした。


 腹ぺこ、斉藤さんを店に連れて行き、「食え」と言ったが、元々身長は150cm前半くらいで、あまり大量には食えないようだ。サンドイッチセットと紅茶で満足しごちそうさまをした。

 彼女の家はアパートだが、追い出される目前ということなので、荷物をすべて、収納して、管理している不動産屋さんと話をする。
 延滞金の支払いと修繕費を取られた。

 柱という柱に、服を掛けるフック類がねじ込まれ。穴だらけだった。 
 その後、役場で転出の届けを出し、転出証明書をもらってくる。

「あとで、家にすんでいるように、届けを出そう」
「結婚ですか?」
「違うわよ」
 美咲から突っ込みが入る。

「ついでに、私も出す」
 美咲のスイッチが入ったが、
「親は説得できたのか?」
 そう聞くと、
「実力行使」
 そう答え、力が入る。

 買う物は買ったし、家へ帰る前に役場で転入届と、郵便局へ届けを出しに行く。
 そしたらこいつ、運転免許証を持ってやがった。
 住民票の写しをもらいに役場へ戻り、その後警察署へ。

「いやあ、連絡が取れないと思ったら、そちらから出頭するとは良い心がけだ」
「誰かと思えば、土門さん。お体はもう大丈夫ですか?」
「ああ。おかげさまで、1週間休んだよ」
「そりゃ何より。それで、今日はこの子の免許証。記載事項変更をお願いします」
「住所変更。新住所は君の家。結婚か?」
「違うわよ」
 また、美咲から突っ込みが入る。

 美咲も出そうとしたが、転出届がないため、現住所の役所へ郵送での依頼のみして終わった。

「ひょっとして、向こうへ連れて行く気か?」
「鋭いですね」
「困るね。関係者をむやみに増やされては」
「色々と事情があるんですよ」
「まあそれは、向こうに行って詳しく聞こうか」
「えっ。性懲りもなく、行くんですか?」
 思わず本音が出た。

「聞き捨てならないね。仕事での重要事項だからな。行くよ。メンバーはこの前と同じだ」
「それじゃあまあ。明日早々には行きますので、家へ来てください」
「意図的に、我々を遅刻扱いしないでくれたまえ」
「いやだなぁ。そんなこと。あまりしませんよ」
「よし分かった。一晩、署へ泊めてやる。遠慮はするな。スペシャルディナーでカツ丼もつけてやる」

「遠慮します。そんなことで、税金を使わせるわけにはいきません」
「馬鹿だな。署から出るわけないだろ。ポケットマネーだ」
「それじゃあ、余計に遠慮します。それに登録は、この前してますから、勝手にいけますよ」
「見知らぬ土地で、ガイドなしは面倒だろう。向こうは中世ヨーロッパだろ。いきなりズドンは怖い」
「ああ。銃はないから、大丈夫」
「それで?」
「飛んでくるのは、矢と魔法ですかね」
「やっぱり、怖いじゃないか」
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