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第2章 異世界開拓
第49話 魔王の苦悩
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「ほれ来たぞ。倒せ」
「蜘蛛。嫌い。次頑張るからパス」
「ホントだな。次辺り、蛇が来そうだがな」
「げっ」
言ってる間に蜘蛛。体長3m位の奴は、腹を出し消えていく。
「魔法一発で倒れるような奴。サービスだろ」
「強い弱いじゃなく、嫌いなの。私はデリケートなの」
「得意なのはなんだ?」
「かわいい、タイプ?」
少し考え、思い出す。
ああ居たな。3m位のマーダーラビットとか言う奴。
「多分もうそろそろ、かわいいのが出てくるぞ」
「なになに? どんな奴?」
「ウサギだ」
「かわいすぎても、倒せない」
「面倒な奴だな。だいじょぶだよ。殺したくなるから」
3階ほど、進んだ所で出やがった。
小首をかしげ、こちらを見ている。
にやっと笑い。ぴょんぴょんと、こちらへやってくる。
ずいぶんとあざとい、かわいい仕草を始めるが、その要所要所で、毒針が飛んできたり、爪が首の辺りをかすめる。
こいつ、質が悪いことに、手首にも毒針を持っている。
毛皮の中は、きっと針だらけなんだろう。
ピタッと動きが止まり、ピクピク耳を動かし、片足をパシッと打ちつけ、小首をかしげる。さっき、足を打ちつけたときには、眼球めがけ細かな針が吹き出された。
防がれたことが分かると、首をひねりながらちょっと逃げる。
じっとこちらを見て、にへっと笑い。
また、したしたとやってくる。
途中で、わざとらしく転び、こちらを涙目で見てくる。
いかにも、怪我をして動けないふりをして、こちらをさそう。
ほっとくと、すくっと立ち上がり、また向こうへ行く。
そしてまた、何か企む。
「もう。良いか?」
「うん。これって、ずっとやってくるの?」
「そう。一生懸命考えるんだろうが、ある程度から繰り返しになる」
そう言いながら、首を飛ばす。
なぜか、珍しく肉がドロップした。
鑑定すると、高たんぱく低脂肪。各種ビタミンとミネラル含有。超強力毒。
拾い掛かった、手が止まる。
「この肉、超優良な肉だが、強力な毒らしい。要るか?」
「要らない」
美咲が嫌そうな顔をする。
その場を後にして、次に出てきたのは、ポイズンフロッグだった。
「この階は、毒がテーマかな? また、肉がドロップしたぞ。しっかり毒だ」
「もう、さっさと抜けようぜ」
駆け足で、駆け抜ける。
うん。予想は当たり、毒持ちばかりだった。
「向こうのダンジョンには、こんなものはなかったな」
「ちょっと、ひねくれているな」
そう言った途端。
次の階は、スケルトンに、マミー、ゾンビ達。
入った瞬間、浄化を全開でかける。
手加減せずに、かけちまった。
「なに、いまの?」
「気にするな」
リポップする前に、駆け抜ける。
「100階越えたら、一度上に戻るか?」
「そうだな」
「うん。さすがに疲れた」
「前100階て、何だったけ?」
「蛇じゃなかったか?」
そう言いながら、ドアを開ける。
「ああ蛇だな。鑑定ではヒュドラだがな」
首は3つ。
入った瞬間に、落ちる。
「おい。広大。先がないぞ」
真一がそう言って、うろうろしていると、中央にクリスタルが浮かぶ。
「なんだこれ?」
つかむと、情報が頭に流れ込んでくる。
「この、クリスタルを使うと、ダンジョンが創れるみたいだぞ」
「へー。それは便利? かなあ」
「ここも、把握したから、出ようぜ」
そう言って、中に要る人間も排出する。
「どわー。いきなり景色が変わった」
どこまで行ったのか、知らないが、一応中には居たようだ。
「一応攻略はした。閉じるぞ」
しまった。中で変化を見れば良かった。
まあいいか。
通路の階段を、降りてみる。
「うん。向こう側。光が見える」
それを確認して、階段を上がる。
「元に戻った。使えるぞ」
そう兵達にも、説明する。
だがその時、俺の目は、兵達の向こうで、こそこそと逃げていく男を見つける。
「なあ、真一。あそこの逃げて行っている奴。魔王だよな」
「ああそうだな。もしかして、この通路。あいつの仕業か?」
実はそうだった。
魔王は自身で確認しようと、色々画策していた。
3本首とはいえ、ヒュドラを瞬殺。
人の強さが、聞いていた話と全然違う。
まともに戦おうと思えば、魔石を集め。
本格的に、魔力臨界爆弾を生産しないと太刀打ちができない。
それでも、効くかどうか、判断が付かない。
魔王は走りながら、考えを巡らせる。
魔石を大量に集めて、ひとまとめにして、そこへさらに魔力を加える。
一歩間違えれば、作成中に吹き飛ぶ。
前回、人間達の大群に、魔力を加えながら投げ込み、見事な結果を残した。
だがあまりにも、不安定。
錬金術師達も、安定させるのが、非常に難しいとぼやいている。
だが効果は絶大。
そして、使用後の魔力汚染も、馬鹿にできない。
弱いもの達は、数週間立ち上がれなくなる。
それと未確認ではあるが、動植物のモンスター化なども発生する。
敵国なら問題は無いが、実験施設近くの畑では、麦が動物を捕獲していた。
大体撃ち出すときの、魔法で臨界を越える。
何か画期的な、方法を見つけないといけない。
魔力を使わない発射装置。
臨界の限界が見極めれば、起爆用魔石を破壊すれば爆発する。
「計画は、推し進めよう」
「蜘蛛。嫌い。次頑張るからパス」
「ホントだな。次辺り、蛇が来そうだがな」
「げっ」
言ってる間に蜘蛛。体長3m位の奴は、腹を出し消えていく。
「魔法一発で倒れるような奴。サービスだろ」
「強い弱いじゃなく、嫌いなの。私はデリケートなの」
「得意なのはなんだ?」
「かわいい、タイプ?」
少し考え、思い出す。
ああ居たな。3m位のマーダーラビットとか言う奴。
「多分もうそろそろ、かわいいのが出てくるぞ」
「なになに? どんな奴?」
「ウサギだ」
「かわいすぎても、倒せない」
「面倒な奴だな。だいじょぶだよ。殺したくなるから」
3階ほど、進んだ所で出やがった。
小首をかしげ、こちらを見ている。
にやっと笑い。ぴょんぴょんと、こちらへやってくる。
ずいぶんとあざとい、かわいい仕草を始めるが、その要所要所で、毒針が飛んできたり、爪が首の辺りをかすめる。
こいつ、質が悪いことに、手首にも毒針を持っている。
毛皮の中は、きっと針だらけなんだろう。
ピタッと動きが止まり、ピクピク耳を動かし、片足をパシッと打ちつけ、小首をかしげる。さっき、足を打ちつけたときには、眼球めがけ細かな針が吹き出された。
防がれたことが分かると、首をひねりながらちょっと逃げる。
じっとこちらを見て、にへっと笑い。
また、したしたとやってくる。
途中で、わざとらしく転び、こちらを涙目で見てくる。
いかにも、怪我をして動けないふりをして、こちらをさそう。
ほっとくと、すくっと立ち上がり、また向こうへ行く。
そしてまた、何か企む。
「もう。良いか?」
「うん。これって、ずっとやってくるの?」
「そう。一生懸命考えるんだろうが、ある程度から繰り返しになる」
そう言いながら、首を飛ばす。
なぜか、珍しく肉がドロップした。
鑑定すると、高たんぱく低脂肪。各種ビタミンとミネラル含有。超強力毒。
拾い掛かった、手が止まる。
「この肉、超優良な肉だが、強力な毒らしい。要るか?」
「要らない」
美咲が嫌そうな顔をする。
その場を後にして、次に出てきたのは、ポイズンフロッグだった。
「この階は、毒がテーマかな? また、肉がドロップしたぞ。しっかり毒だ」
「もう、さっさと抜けようぜ」
駆け足で、駆け抜ける。
うん。予想は当たり、毒持ちばかりだった。
「向こうのダンジョンには、こんなものはなかったな」
「ちょっと、ひねくれているな」
そう言った途端。
次の階は、スケルトンに、マミー、ゾンビ達。
入った瞬間、浄化を全開でかける。
手加減せずに、かけちまった。
「なに、いまの?」
「気にするな」
リポップする前に、駆け抜ける。
「100階越えたら、一度上に戻るか?」
「そうだな」
「うん。さすがに疲れた」
「前100階て、何だったけ?」
「蛇じゃなかったか?」
そう言いながら、ドアを開ける。
「ああ蛇だな。鑑定ではヒュドラだがな」
首は3つ。
入った瞬間に、落ちる。
「おい。広大。先がないぞ」
真一がそう言って、うろうろしていると、中央にクリスタルが浮かぶ。
「なんだこれ?」
つかむと、情報が頭に流れ込んでくる。
「この、クリスタルを使うと、ダンジョンが創れるみたいだぞ」
「へー。それは便利? かなあ」
「ここも、把握したから、出ようぜ」
そう言って、中に要る人間も排出する。
「どわー。いきなり景色が変わった」
どこまで行ったのか、知らないが、一応中には居たようだ。
「一応攻略はした。閉じるぞ」
しまった。中で変化を見れば良かった。
まあいいか。
通路の階段を、降りてみる。
「うん。向こう側。光が見える」
それを確認して、階段を上がる。
「元に戻った。使えるぞ」
そう兵達にも、説明する。
だがその時、俺の目は、兵達の向こうで、こそこそと逃げていく男を見つける。
「なあ、真一。あそこの逃げて行っている奴。魔王だよな」
「ああそうだな。もしかして、この通路。あいつの仕業か?」
実はそうだった。
魔王は自身で確認しようと、色々画策していた。
3本首とはいえ、ヒュドラを瞬殺。
人の強さが、聞いていた話と全然違う。
まともに戦おうと思えば、魔石を集め。
本格的に、魔力臨界爆弾を生産しないと太刀打ちができない。
それでも、効くかどうか、判断が付かない。
魔王は走りながら、考えを巡らせる。
魔石を大量に集めて、ひとまとめにして、そこへさらに魔力を加える。
一歩間違えれば、作成中に吹き飛ぶ。
前回、人間達の大群に、魔力を加えながら投げ込み、見事な結果を残した。
だがあまりにも、不安定。
錬金術師達も、安定させるのが、非常に難しいとぼやいている。
だが効果は絶大。
そして、使用後の魔力汚染も、馬鹿にできない。
弱いもの達は、数週間立ち上がれなくなる。
それと未確認ではあるが、動植物のモンスター化なども発生する。
敵国なら問題は無いが、実験施設近くの畑では、麦が動物を捕獲していた。
大体撃ち出すときの、魔法で臨界を越える。
何か画期的な、方法を見つけないといけない。
魔力を使わない発射装置。
臨界の限界が見極めれば、起爆用魔石を破壊すれば爆発する。
「計画は、推し進めよう」
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