人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

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第2章 異世界開拓

第53話 日本を見る

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「この車というもの。実に素晴らしいですな。先ほど見せていただいた手形。いえ、紙幣でしたか。あれも素晴らしかった」
 クスティは、さっき紙幣を見て、すぐに印刷技術のすごさに気がついた。

「これは一体どうやって? 多色刷り。それに、この細さ。なんて緻密な」
 しばし眺めて呆けていた。

 放っておくと、みんなの間を紙幣が回り始めたので、適当な所で回収をした。

 美咲と話をして、最初に紳士服屋さんへ向かうことにした。
 カリーネはどうせ車が別になるため、真一が連れて行くようだ。

 吊るしだが、そこそこの値段のものを購入し、靴も買う。そこでまた、みんなが素晴らしいと言い出して、動きが止まる。

 メイド長。アニタもビシッと、スーツだ。
 ヤルマリは自身の琴線に触れたのか、しばらくタキシードやモーニングから離れなかったが、普通のスーツにしてもらった。

 そこから例の、ショッピングモールへ移動して、普段着などを購入する。
 靴もカジュアルな物を購入する。

 クスティやヤルマリは、基本少しカールした長髪を、後ろで束ねているので、昔のブラッド・ピットやミッキーロークのような感じ。ちょい悪親父な二人。
 アーロ・パッカ男爵だけは、ちょっとぽっちゃりなので、雰囲気が違う。

 クスティやヤルマリは、その後革のコートとジャケットから離れず。買わされた。
 アーロ・パッカ男爵は革だが、ファー付きのブルゾン。

 美咲とアニタは、女性向けの店を入ったり出たり、はしごしていた。

 異世界組は、建物とかそういうものは、道中で吹っ切れたようだ。
 それに、モンスターもいないという事実が、すごく大きかったようだ。

 家から出てすぐは、道路に驚き、鉄筋コンクリート製の橋で驚き、トンネルで驚き、驚きまくっていた。途中で見かけたアンパ○マン列車にも驚いていたよ。
 知っているかい。土讃線は列車なんだよ。ディーゼルカーで、電車と言ったら路面電車のことなんだよ。

 自動車道は、帰りに乗るようにして、国道439号線から32号線をたらたら説明しながら走った。
 高圧の送電線。鉄骨の巨大な塔が山の稜線に立っているものや、発電用風車でも十分驚いてくれた。


 それはさておき、ある程度の時間で小腹が空き、何か食おうとなったが、がっつりステーキになった。フードコートでラーメンでもと、思っての提案だったが、当てが外れた。

 買い物をして、帰りは自動車道に乗って帰る。
 来るときと、帰り道あまりの違いに驚いていたが、曽我部川橋を越えて、途中からはトンネルばかりになる。

 家に帰れば、爆睡中だ。

 帰ってその晩、PCで衛星写真を見せる。
 当然他国の大きさが気になり聞かれるが、ざっとした説明しかできないししない。
 アミサム王国のある。コンテネンス大陸はかなり大きく、内陸部は雨が少なく 乾燥している。
 内陸部の気候について、ざっと説明して、良いことばかりじゃないと教える。


 次は世界の動物を紹介する、配信動画を片っ端から見せる。
 言われたから見せているが、本当に良いのだろうか?
 
 ライオンや、熊を見て、かなり小さいとみんなが納得していた。
 世界の都市を、紹介する映像を見つけたので流しながら、晩飯を食べる。
 東京もあったので、あそこへ行くぞと説明する。

 箸やカトラリーの説明をして、ざっとしたものだが、作法についても教える。と言うか読んだ。
 日本人だって、すべての作法なんぞ、知らないし覚えていない。
 「えーと。『外露路(そとろじ)』で待ち。呼ばれたら、中門を通って『内露路(うちろじ)』へ入り『蹲(つくばい)』で身を清めてから茶室へ入るだ? 『にじり口』で刀を外し頭を下げてくぐる?」

 あーまあすっ飛ばそう。
「器の正面では飲んではいけない。失礼にあたる。左手で器を持ち、右手で手前に2度まわして静かに味わいながらいただく。 飲み終わった後で、人差し指と親指で飲み口を清め、その指先を 懐紙 かいし で清る。茶碗を手前から向こうへ、2度まわして元に戻す。」
 一応読みながら、所作をやってみる。
「ふーん」

 『玄関の上がり方』そんなものあるのか?
「えーとだな。玄関を入るときは、玄関に向かって、まっすぐそのまま靴を脱いで、左足から一旦玄関に上がります。出迎えの亭主に、お尻を向けないように、膝をつきながら斜めに構え、履き物の向きを変える。靴を置く場所は、家人から遠い方。または下座側。下駄箱の端に寄せて置く事。だってさ」

「帰るときは、家人を尊重する意味で、玄関の真ん中を避け、少し下座側に寄せてから、履くのが礼儀。だそうだ。この時も、なるべく家人にお尻を向けないよう配慮すべしとなっている」

「それは、なかなか。要するに人にお尻を、向けてはいけないと言うことですな」
「まあそうだな。気にしない人は気にしないが、こだわる人はいるからな」

「箸の持ち方でも決まりがあるってさ。右手で、箸の真ん中あたりをつまむようにして持ち上げる。左手の手のひらを上にして下から支え、右手を返して箸の下に移動させ、左手を外して正しく箸を持つ。と言うことだ。3手で持つらしいな」
「らしいなと言うのは?」
 クスティに突っ込まれる。

「普段気にしないからな。正式な場では、できるように覚えておいて損はない。食べ方は、料理に箸を突き立てては駄目。どの料理を食べようか迷って箸を動かすのも駄目。箸で器を引き寄せるのも駄目。食事の最中に、小皿や小鉢の上に渡すようにして箸を置くことこれも駄目。箸先を口に入れ、残った食べ物をなめ取るのも駄目。お皿を重ねるのも駄目。食べかけの物は皿に戻さない。手皿は駄目。必要なら小皿を持てとなっている。汁椀の蓋もそのまま戻す。裏返すなとなっているな。それとまだある。刺身は左側から順番に、焼き物も左側から順に食べる様だ」

「なかなか多いな」
「だがまあ、基本と言えば基本だな。箸の持ち方は、ちょっと手を加えないと駄目だが他はできてる。後は、和室。畳の場合、畳の縁や敷居を踏まないというのがある。それと、座布団には、勝手に座るな。進められるまで待てだそうだ」

 それを聞いて、クスティだけではなく、ヤルマリまで、ちょっと表情が変わっていた。
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