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第2章 異世界開拓
第55話 お国拝見 ちょっとした異変
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「それは、追試が必要ですね。そのお二人ともが勇者だと、資質としては最高では?」
おたくっぽい方、植村さんの目が光る。
「あー。そうなりますかね」
適当に返事をする。
そんな頃、魔王様は困っていた。
「魔王様。ぱったりと、子供が生まれなくなりました」
「生まれない? 皆が作らなくなったと言うことではなく?」
「ええ。それに、魔王領での住民に、倦怠感などを訴えるものが出てきております。医療術士によると、魔素不足と症状が似ていると」
「魔素不足? 大昔に大規模魔法を撃ちすぎて発生したから、今回は魔石を無属性で爆発させただろう」
「そうなのですが、症状は同じと言うことです」
「じゃあ、あれか? 一時的に魔力供給で症状が改善したと」
「はい。そう報告が来ています」
「この前、人間側へ行ってもおかしな事がなかったのに。原因を探せ」
「御意に」
そんな症状は、勇者ちゃん。凪沙にも起こっていた。
「東京へ帰ってから、体がだるくなってきたわね」
「凪沙も? 実は僕もそうなんだ」
「赤ちゃん。大丈夫かしら?」
そんな頃。
「うえーい。あれが瀬戸大橋だ。本当なら、香川でうどんでも食べたい所だが、今回は素通りだな」
〔うどんというのは、この前、広大様の店で出していたものですね〕
「ああ。あれは、簡易版だ。本物はもっとうまい。安いしな。300円程度の小でも350gくらい麺量がある所もあるらしい。伝説では、『かながしら』と言う店も昔あって小サイズで、どんぶり山盛り。大人がやっと食べられるサイズだったらしい。普通は、プチとかミニとかだったみたいだ」
途中のパーキングで、ビールと、つまみにちくわを買って、宴会に突入していた。
〔これが、橋? あの紐で吊ってあるのですか?〕
「そうだ。あの吊っている柱。頂上に登る事ができる。一般人が上れるイベントも、たまにやっているみたいだぞ」
〔それはすごい〕
異世界組は、窓にへばりついている。
「与島で一度降りるのか?」
「ああ。降りましょうか」
〔下から見ると、大きさがすごいですな〕
〔これを、人が造ったと〕
アーロ・パッカ男爵に、デジタルカメラを貸したので、バシャバシャ撮りまくっている。クスティやヤルマリは、顔が知られて暗殺が怖いのか、被写体として入らないが、アニタやカリーネはのりのりで写っていた。
最初バスの中で、写したときにはこれが私? と言って少し落ち込んでいたが。
家で、鏡も見ただろうに。
与島で、ビールとつまみを買い込みバスに乗り込む。
「新幹線。時間は大丈夫か?」
「ええ。余裕は持って時間を組んでいますから。ただ、スケジュール的に、昼食は弁当になりましたね」
そう言って笑う、河田さん。
「まあいいか。それも楽しいかもな」
すでに、結構飲んで食ってるし。
ふと気がつけば、俺のスマホの中で、美咲が口を開けて橋を見ているのが写っていた。美咲も、見るのは初めてだったのか。今度色々観光もしてみよう。
そして、飲んだ結果。
ガンガンにトイレ休憩をして、岡山駅に滑り込む。
「皆さん。急いでください」
河田さんが、先導して走って行く。
「23番と24番どっちだぁ」
「23番です。あー。今、停まっているのは、大阪までだから乗っちゃ駄目です。あと6分ありますから。大丈夫です」
そう、河田さんが、先導していたのは一瞬。
あっというまに、最下位に転落。
落ち着くと、アーロ・パッカ男爵が撮影を始める。
〔いやあ。どこもかしこも素晴らしい。まるで古代遺跡のようです〕
「アミサム王国に古代遺跡があるのか?」
〔ええあります。正面は閉ざされていますが、崩落した部分から中へ入れます〕
「そりゃ一度、行ってみたいな」
〔あの付近、立ち入るには、王家の許可が必要です〕
「そうなのか?」
〔ええ。閉ざされた、門の向こうには、財宝があるかもしれませんから〕
「ああ。まあそうなるか」
そうして、ばたつきながら新幹線に乗る。
さっき見送ったときには、反応がなかったのに、次の新幹線が入ってきたときには、異世界組が身構えた。
〔モンスターかと思ってしまった〕
そう言って笑っている。
〔こんな大きい乗り物は、初めてだ〕
そう言いながら、みんなが乗り込んでいく。
ホームに、居るうちから、みんな外を注視している。
あらかじめ、時間になれば走り始めると伝えてあるが。そうか。時計を持っていないのか。
そのうちベルが鳴り、ドアが閉まる。
そしてゆっくりと動き始め、アナウンスとともに、すぐにホームにいる人たちが流れるように見えるようになる。はずなんだが、視認できるな。
これはあれか、能力が上がったせいか?
線路脇の、表示板も読めるな。
まあ。これはこれで、おもしろい。
通過する駅名も読めるし、どこかに、きさらぎでもないのか? 空いている車内がいつの間にか満席とか。
当然そんなことはなく、順調に進んでいく。
移り変わる風景が、おもしろいのか、異世界人側から時たま質問が来るが、問題なしだ。琵琶湖は海と勘違いされた。
定番富士山や、新幹線同士がすれ違うときに驚いたり。
トンネルの中で、奇妙な顔を見たり。
まあ修学旅行だよな。
おたくっぽい方、植村さんの目が光る。
「あー。そうなりますかね」
適当に返事をする。
そんな頃、魔王様は困っていた。
「魔王様。ぱったりと、子供が生まれなくなりました」
「生まれない? 皆が作らなくなったと言うことではなく?」
「ええ。それに、魔王領での住民に、倦怠感などを訴えるものが出てきております。医療術士によると、魔素不足と症状が似ていると」
「魔素不足? 大昔に大規模魔法を撃ちすぎて発生したから、今回は魔石を無属性で爆発させただろう」
「そうなのですが、症状は同じと言うことです」
「じゃあ、あれか? 一時的に魔力供給で症状が改善したと」
「はい。そう報告が来ています」
「この前、人間側へ行ってもおかしな事がなかったのに。原因を探せ」
「御意に」
そんな症状は、勇者ちゃん。凪沙にも起こっていた。
「東京へ帰ってから、体がだるくなってきたわね」
「凪沙も? 実は僕もそうなんだ」
「赤ちゃん。大丈夫かしら?」
そんな頃。
「うえーい。あれが瀬戸大橋だ。本当なら、香川でうどんでも食べたい所だが、今回は素通りだな」
〔うどんというのは、この前、広大様の店で出していたものですね〕
「ああ。あれは、簡易版だ。本物はもっとうまい。安いしな。300円程度の小でも350gくらい麺量がある所もあるらしい。伝説では、『かながしら』と言う店も昔あって小サイズで、どんぶり山盛り。大人がやっと食べられるサイズだったらしい。普通は、プチとかミニとかだったみたいだ」
途中のパーキングで、ビールと、つまみにちくわを買って、宴会に突入していた。
〔これが、橋? あの紐で吊ってあるのですか?〕
「そうだ。あの吊っている柱。頂上に登る事ができる。一般人が上れるイベントも、たまにやっているみたいだぞ」
〔それはすごい〕
異世界組は、窓にへばりついている。
「与島で一度降りるのか?」
「ああ。降りましょうか」
〔下から見ると、大きさがすごいですな〕
〔これを、人が造ったと〕
アーロ・パッカ男爵に、デジタルカメラを貸したので、バシャバシャ撮りまくっている。クスティやヤルマリは、顔が知られて暗殺が怖いのか、被写体として入らないが、アニタやカリーネはのりのりで写っていた。
最初バスの中で、写したときにはこれが私? と言って少し落ち込んでいたが。
家で、鏡も見ただろうに。
与島で、ビールとつまみを買い込みバスに乗り込む。
「新幹線。時間は大丈夫か?」
「ええ。余裕は持って時間を組んでいますから。ただ、スケジュール的に、昼食は弁当になりましたね」
そう言って笑う、河田さん。
「まあいいか。それも楽しいかもな」
すでに、結構飲んで食ってるし。
ふと気がつけば、俺のスマホの中で、美咲が口を開けて橋を見ているのが写っていた。美咲も、見るのは初めてだったのか。今度色々観光もしてみよう。
そして、飲んだ結果。
ガンガンにトイレ休憩をして、岡山駅に滑り込む。
「皆さん。急いでください」
河田さんが、先導して走って行く。
「23番と24番どっちだぁ」
「23番です。あー。今、停まっているのは、大阪までだから乗っちゃ駄目です。あと6分ありますから。大丈夫です」
そう、河田さんが、先導していたのは一瞬。
あっというまに、最下位に転落。
落ち着くと、アーロ・パッカ男爵が撮影を始める。
〔いやあ。どこもかしこも素晴らしい。まるで古代遺跡のようです〕
「アミサム王国に古代遺跡があるのか?」
〔ええあります。正面は閉ざされていますが、崩落した部分から中へ入れます〕
「そりゃ一度、行ってみたいな」
〔あの付近、立ち入るには、王家の許可が必要です〕
「そうなのか?」
〔ええ。閉ざされた、門の向こうには、財宝があるかもしれませんから〕
「ああ。まあそうなるか」
そうして、ばたつきながら新幹線に乗る。
さっき見送ったときには、反応がなかったのに、次の新幹線が入ってきたときには、異世界組が身構えた。
〔モンスターかと思ってしまった〕
そう言って笑っている。
〔こんな大きい乗り物は、初めてだ〕
そう言いながら、みんなが乗り込んでいく。
ホームに、居るうちから、みんな外を注視している。
あらかじめ、時間になれば走り始めると伝えてあるが。そうか。時計を持っていないのか。
そのうちベルが鳴り、ドアが閉まる。
そしてゆっくりと動き始め、アナウンスとともに、すぐにホームにいる人たちが流れるように見えるようになる。はずなんだが、視認できるな。
これはあれか、能力が上がったせいか?
線路脇の、表示板も読めるな。
まあ。これはこれで、おもしろい。
通過する駅名も読めるし、どこかに、きさらぎでもないのか? 空いている車内がいつの間にか満席とか。
当然そんなことはなく、順調に進んでいく。
移り変わる風景が、おもしろいのか、異世界人側から時たま質問が来るが、問題なしだ。琵琶湖は海と勘違いされた。
定番富士山や、新幹線同士がすれ違うときに驚いたり。
トンネルの中で、奇妙な顔を見たり。
まあ修学旅行だよな。
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