人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

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第3章 アミサム王国 動乱

第80話 王たちとの対面

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 宰相が起きたので、確認をする。
 大体マリアーナの言っていた人数で、合っていた。
 しかしなぜか、宰相の腰が引け、微妙に距離が遠い。

「では、王に伝えて参ります」
 そう言って、逃げる様に退室をする。

 数時間後、マリアーナの仲介で、厨房を借り。
 改造をする。
 いつ洗ったか、分からない瓶に水が張られていたが、そんなものは使えない。
 全部水を流し、瓶をすべて浄化。

 魔法で、水を出し。
 石造りの厨房。そのものをすべて浄化。
 魚はあまり食わないと言っていたので、ささみとお麩のすまし汁。

 それと平行に、紅白のなますや、ほうれん草のおひたしなどを作る。
 ついでに、食ったことがないと言っていたので、マリアーナに味見させると気に入った、タラバの身を使い、酢の物に仕上げる。
 おもしろいから、卵を使うついでに、茶碗蒸しと、卵豆腐も作る。

 だし巻きも、当然作る。
 これは、美咲に任せた。
 途中で、つまみ食い専門のマリアーナと、勇者くんを、厨房から蹴り出し、カリーネに手伝ってもらう。

 居酒屋メニューなので、揚げ出しも作る。無論豆腐で。
 焼き鳥と。鳥関係として、唐揚げと南蛮。とり天。照り焼き。
 魚関係も、鯛の塩焼きや、アジ南蛮。マグロをステーキにしておろしポン酢を作ってみたり。作っていると、おもしろくなってきてガンガン作る。

 小麦粉で、ホワイトクリームを作っている途中で、カリーネがダマにしたり。色々あったが。涙目で申し訳なさそうな顔をするとかわいい。
 それに気がついたのだろう。後ろから、美咲にエルボーを脇腹へ決められる。

「ねえ。いくら言っても、作りすぎじゃない?」
「ああそうだな。暖かいうちに、収納しておこう。シュウマイや小籠包は食わせて反応を見るとして、他のは、つまみになるしな」
「本当に、小籠包を出すの?」
「ああこいつは、片栗にスープを混ぜた特製だ。一口サイズだが、中のスープは熱いぞ。蒸籠ごと、向こうに持って行こう」
 そう言うと、美咲にジト目をされる。

「卵豆腐の横に、プリンを出して。ところてんの横に、わらび餅?まあこっちの人間は、間違えないけれど。少量を出すのはやめて結局大皿なのね」
「トングとかを付けておくから。あらかじめ周りの使用人に、説明しておけば大丈夫だろう。カトラリーの問題もあるし。そして最後は、アイスクリームで締める」

「それで、タラバ本当に飾るの? さっき、カリーネが腰を抜かしていたじゃない」
「天ぷらに、入れたから、聞かれたら見せようか。タコと一緒に」
「知らなければ、モンスターよね」

「まあ良い。最初に香の物と前菜。すましを出して、その間に大皿を用意しよう」


 そうして、色々な思惑と、いたずらが盛り込まれた夕食会が始まる。
「ようこそ、日本の方々。私が、アミサム王国ラウリ・ヒルム・アミサムだ。王を務めておる」
 一応立ち上がり、挨拶をする。

「お時間を作っていただきまして、ありがとうございます。日本国外務省アミサム王国担当官。植村和也と申します。よろしくお願いいたします」
「西日本特殊災害対策室。土門誠と申します。よろしくお願いいたします」
「自衛隊。あー。日本国」
「こっちに合わせて、武官で良いよ」
 土門さんから耳打ちされる。
「日本国。武官の平林剛です。よろしくお願いいたします」
 ここまでは、問題なかったが。

「もと、アミサム王国勇者。坂本祐哉。御無沙汰いたしております」
「同じくもと、アミサム王国勇者。酒井美咲。今は、日本国の代表です。よろしくお願いいたします」
 この辺りで、王家側が引きつり始める。
「クスティ・キルペライネン男爵代理として参りました。カリーネ・ティモネンです。よろしくお願いいたします」

 次という所で、王が口を開く。
「マリアーナ。どうしておまえが、そちら側で、さらに第二王女なのに、末席に座っている」
「父上。良いところに気がつかれた。紹介しよう。隣におられる窪田真一殿を我が伴侶といたします」
 ばばーんと聞こえそうな勢いで、マリアーナは腰に手を当てふんぞり返る。

「なあっ。なんじゃと。そんなことは許さん。おまえは王家のもの。公爵家との話もある。日本国とはいえ、そんな素性も分からぬ末席に座る男」
「農家だ。農家の窪田真一よろしく」
 座ったまま、王と目を合わせ言い放つ。

「農家? 農家とはなんじゃ」
 宰相が耳打ちをする。
「なんじゃと。農奴ではないか。奴らは土を耕すしか能の無い役立たず。そんなものに娘をやれるかぁ」

「こっちじゃ知らんが、農家は最強なんだぜ」
 真一は、そう言いながら。力を解放する。
 石造りの王城が、びびり始める。

 俺は、真一に近づき頭をはたく。
「料理にゴミが入る。やめろ」
「ああ。すまん」

 だが、反対側に座る。王家の人間。王と王妃ヘレナ・ミルヴァ・アミサム。第1王女ビルギッタ。第1王子アルフォンス。第2王子クトゥルフ。宰相は多少慣れたようだが、外務卿のダニエル・パウモラ伯爵とアーロ・パッカ男爵。全員の顔が青を通り越し、土色に変わる。いや。第2王子だけは、顔は青いが目がキラキラだ。

 俺もついでに挨拶をする。
「同じく農家だが、日本の関係者兼、クスティ・キルペライネン男爵代理。そして、今日の料理人。松田広大だよろしく。料理が冷めないうちに食ってくれ。飲み物はビールとスパークリングワイン。それにシェリー酒。ポートワインもある。どれがいい?」
 向こう側で、引きつる皆に。

 とびっきりの笑顔で、問いかける。
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