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第1部-ファフニール王国・自由編-
024_これから
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部屋を出ると外にはそわそわとした様子の侍女が待っていた。その中にはルイの姿があり、リリアの姿を見て嬉しそうに微笑む。遠慮がちなその態度に、リリアが代わりに駆け寄った。
「ルイ! 無事で良かった。逃がしてくれたのがばれて怒られてないかとおもって心配していたの」
「それはわたくしの台詞です。お元気になられたようで、良かったです」
「みんなのおかげだよ。心配してくれてありがとう」
屋敷を出た時と比べてもずっと顔色も良く、普通の人と同じように生活しているのが見て取れて、ルイも安心したようだ。だが、リリアの後ろで待っている三人を見て、残念そうに問いかける。
「もうお帰りになるのですか?」
「うん。多分、もう来ない」
「……そうですよね。どうかお元気で」
寂しさを多分に含んだ言葉。けれども無事が確認できてよかった。そんな思いがひしひしと感じ取れる態度に思わず、オズウェルが口を挟んだ。
「リリア嬢、あなたさえよければこちらの方を連れ帰っても構いませんよ」
「え? でも、ルイは……」
田舎に家族が住んでいる。離れたくはないだろう。そう思ってルイの様子を伺うと、安心させるような笑みが返ってくる。オズウェルのほうを向き直り、ルイは丁寧に頭を下げた。
「リリアお嬢様さえ許していただけるのでしたら、わたくしとしては願ってもないことでございます」
「だそうですよ?」
全員の視線が集まり、リリアは背筋を伸ばすと手を差し出す。
「あの、一緒に来てくれる?」
「もちろん」
「ありがとう!」
「では行きましょうか」
しっかりと重ねられた手を握り歩き出す。
もう二度と戻ってくることのない場所。リリアは最後に一度だけ振り返って屋敷を見てから馬車に乗り込んだ。
流れゆくスウィフト領の町並みを眺めていたリリア。横ではルイがそんなリリアを見つめている。
ほっとした空気の中、レオファルドが口を開いた。
「これで、お前は自由の身だな」
「うん。いろいろと助けてくれてありがとう」
「リリア嬢のためでしたらなんとでも」
「可愛いリリアのためだからな」
まっすぐ見つめられての言葉に、リリアは慌てて顔をそらす。
「大切にされていますね、リリアお嬢様」
「もうっ、ルイまでそんなことを言うの」
不満そうな声の中にも照れが混じり、馬車内が笑いで満ちた。
少し落ち着いたところで改めてオズウェルが話しかける。
「帰ったら何がしたいですか?」
「帰ったら?」
「これでもう狙われることもないですし、好きなことができますよ」
「そっか。そうだよね」
自分が何をしたいのか。そんなことさえ今まではちゃんと考えてこられなかった。改めて考えてみると、すぐには思い浮かばない。好きなことならばあるけれど、と考えを巡らすリリア。
「お前には貴族の令嬢としての立場もあるからな。やりたい放題だ」
「やりたい放題って、言い方が」
「まぁ好きなことをできるってことだ。しばらくは屋敷でゆっくりしながら探せばいいさ」
「うん!」
もうファフニール王国は目の前。見つめるリリアの表情は晴れやかで、希望に満ちていた。
「ルイ! 無事で良かった。逃がしてくれたのがばれて怒られてないかとおもって心配していたの」
「それはわたくしの台詞です。お元気になられたようで、良かったです」
「みんなのおかげだよ。心配してくれてありがとう」
屋敷を出た時と比べてもずっと顔色も良く、普通の人と同じように生活しているのが見て取れて、ルイも安心したようだ。だが、リリアの後ろで待っている三人を見て、残念そうに問いかける。
「もうお帰りになるのですか?」
「うん。多分、もう来ない」
「……そうですよね。どうかお元気で」
寂しさを多分に含んだ言葉。けれども無事が確認できてよかった。そんな思いがひしひしと感じ取れる態度に思わず、オズウェルが口を挟んだ。
「リリア嬢、あなたさえよければこちらの方を連れ帰っても構いませんよ」
「え? でも、ルイは……」
田舎に家族が住んでいる。離れたくはないだろう。そう思ってルイの様子を伺うと、安心させるような笑みが返ってくる。オズウェルのほうを向き直り、ルイは丁寧に頭を下げた。
「リリアお嬢様さえ許していただけるのでしたら、わたくしとしては願ってもないことでございます」
「だそうですよ?」
全員の視線が集まり、リリアは背筋を伸ばすと手を差し出す。
「あの、一緒に来てくれる?」
「もちろん」
「ありがとう!」
「では行きましょうか」
しっかりと重ねられた手を握り歩き出す。
もう二度と戻ってくることのない場所。リリアは最後に一度だけ振り返って屋敷を見てから馬車に乗り込んだ。
流れゆくスウィフト領の町並みを眺めていたリリア。横ではルイがそんなリリアを見つめている。
ほっとした空気の中、レオファルドが口を開いた。
「これで、お前は自由の身だな」
「うん。いろいろと助けてくれてありがとう」
「リリア嬢のためでしたらなんとでも」
「可愛いリリアのためだからな」
まっすぐ見つめられての言葉に、リリアは慌てて顔をそらす。
「大切にされていますね、リリアお嬢様」
「もうっ、ルイまでそんなことを言うの」
不満そうな声の中にも照れが混じり、馬車内が笑いで満ちた。
少し落ち着いたところで改めてオズウェルが話しかける。
「帰ったら何がしたいですか?」
「帰ったら?」
「これでもう狙われることもないですし、好きなことができますよ」
「そっか。そうだよね」
自分が何をしたいのか。そんなことさえ今まではちゃんと考えてこられなかった。改めて考えてみると、すぐには思い浮かばない。好きなことならばあるけれど、と考えを巡らすリリア。
「お前には貴族の令嬢としての立場もあるからな。やりたい放題だ」
「やりたい放題って、言い方が」
「まぁ好きなことをできるってことだ。しばらくは屋敷でゆっくりしながら探せばいいさ」
「うん!」
もうファフニール王国は目の前。見つめるリリアの表情は晴れやかで、希望に満ちていた。
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