久我くん、聞いてないんですけど?!

桜井 恵里菜

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襲いかかるビッグウェーブ

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「華さん。ちょっといいですか?」

ある日、昼休みが終わると久我くんが声をかけてきた。

「うん、どうかしたの?」

「はい。新商品の試作の参考になるかと思いまして、他社の色んなドリンクを買って来たんです」

そう言って久我くんは、両手の紙袋をゴソッと持ち上げる。

「えっ、こんなにたくさん買ったの?ちょっと待って。経費で落ちるかな…」

「大丈夫です。自分が飲みたくて買ったので」

「嘘でしょ?こんなに一気に飲める訳ないんだから。久我くん、初任給もまだ入ってないのに、そんなにお金使っちゃダメだよ。いい?額面よりも手取りって少なくなるんだからね?あんまり先走って使わないようにね」

「…分かってますよ、それくらい」

ん?今なんか、ムッとした?
拗ねたよね?

「じゃあ会議室でミーティングしようか」

立ち上がると、久我くんもついてくる。

美鈴ちゃんは、ちょうど課長に呼ばれて席を外していた。

私と久我くんの二人なら、一番小さな会議室で充分だ。

私は廊下を端まで歩き、空いている6人用の部屋に入った。

「これが『コーヒーホリック』のフローズンラテとフローズンバニラ、フローズンティーです。こっちは『サワダ珈琲』のいちごミルクと抹茶ミルク、それにバナナミルクも。他には、コンビニ商品なんですけど、ラムネやソーダのフローズンと…」

「いやいやいや、そんなに買ったの?お腹の事情は考えた?」

「味見したら冷蔵庫に入れて、あとでゆっくり飲みます」

「あ、そうか。なるほど」

「じゃあ早速試飲しましょう」

まずはフローズンラテから。

「んー、美味しい!けど、なんかちょっと物足りないかな?せっかくコーヒーショップの商品なんだから、もう少し本格的なコーヒーの風味が欲しいかも」

なるほど、と頷いて久我くんも飲む。

ちょいと待て!
そのストローは間接キスだ。

「待って、予備のストローあるから…」

「フローズン専用のストローで飲まないとダメですよ。それも含めた商品開発ですよね?」

ごもっとも。

「んー、確かに華さんの言う通りですね。僕ももっとコーヒーが主張する方がいいと思います」

「だよね。バニラはこのままでも美味しい!お子様にはいいかも。フローズンティーは…。うーん、これならいっそ、フローズンロイヤルミルクティーがいいな」

久我くんは、私の意見をサラサラとノートにメモしながら、自分も味わって頷く。

いや、だからそれ、間接キスね。

「いちごミルクはどうですか?」

「見た目はいいね。インスタ映えするかも。おっ、なんか太いストロー」

「果肉がゴロゴロしてるので、ストローもかなり太くしてありますね」

「うん。…あっ、美味しい!いちごの果肉の食感が残ってて、味もしっかり楽しめる」

「へえ、美味しそう」

そう言ってまた久我くんは私のあとに試飲する。

何度も言うけど、間接キスだからね。

「抹茶ミルクも、もう少し本格的な抹茶味が楽しめるといいかな。あずきと、エキストラでバニラアイストッピングしてもいいかも?あとはバナナミルクか…。個人的にハードル高いわ。ちょっとだけにしとこ」

「どうしてですか?バナナ嫌いなんですか?」

「ううん、好きだけど。バナナ×ミルク×冷たい=お腹ピーピーって気がする」

「え、そうですか?いちごは平気なのに?」

「うん。バナナは来るよ。え、久我くんには来ない?」

「どうかな?飲んでみよ」

そう言って、一気に半分ほど飲む。

うわ…、見てるだけでお腹にビッグウェーブが来そう…。

「美味しいですよ?」

「それは何より」

ひと通り試飲を終えると、二人であーだこーだ言いながら意見をまとめる。

「じゃあ、フローズンはコーヒー味をしっかり生かす。フローズンロイヤルミルクティーも試作してみる。クラッシュアイスシリーズは、いちごの果肉をしっかり楽しめるよう食感を残す。抹茶も風味を生かしてあずきの他にアイスも載せてみる。バナナはボツ」

「え、ボツですか?」

「うん。まあ、久我くんのお腹が今日一日なんともなければ考えてもいいけど」

「分かりました。がんばります」

いや、がんばるものではない。

「さてと。それじゃあそろそろ戻りましょうか。今日は15時から外回りだから、資料の準備しなきゃ」

「資料作りなら割りと得意なので、やらせてください」

「おっ、頼もしい。 やってみたまえ」

肩をポンと叩いて先輩風を吹かせる。
が、わずか30分後に脱帽した。

久我くんの資料は、素晴らしかった。
見やすい、読みやすい、分かりやすいの3拍子。

担当指導者なのに、逆に助けられている。
お陰で私は時間と気持ちに余裕を持って、外回りの準備ができた。

いい子が来てくれたもんだわ。

「それでは行ってきます」

資料をバッグに入れ、私は久我くんとオフィスをあとにした。

*****

「えっと、まずはうちの原材料を卸してくれている食品メーカーからね」

移動の電車の中で、久我くんに訪問先を説明する。

「いちごとマンゴーの果肉、抹茶とあずきの件を相談しようと思います。あとは、近くのうちの店舗に寄って店長からヒアリングしたり、お客様の様子もうかがってみるつもりです」

「分かりました。わざわざこちらからメーカーを訪問するんですね。ちょっと驚きました」

「そう?私はこれが普通だと思ってたけど」

「大抵、電話のやり取りで済ませるんじゃないですかね?でも僕がこの会社に入ろうと思ったのは、そういうサプライチェーンの構築がしっかりしているところに惹かれたからなんですけどね」

…なんですって?

「他のコーヒーチェーンと一線を画しているのは、そういった製造や加工、販売、供給までをきちんと管理出来ているからだと思うんです。会社としての体制やノウハウにとても興味がありました」

えっと、入社面接かな?
それなら採用決定ー!

うむ、と私は神妙に頷き、目的地の駅で降りる。

「あ、久我くん。1つ言っておきたいんだけど」

「何でしょうか?」

「私のことは苗字で呼んでください」

「どうしてですか?」

…は?
いやいや、てっきり「すみません!美鈴さんにつられて、つい…」って返ってくるかと思ってたよ。

だから「いいのよ、これから気をつけてくれれば」って返事も用意してたのよ。

なに?確信犯だったの?
わざと下の名前で呼んでたの?

「どうしてって…。あのね、会社では先輩を下の名前で呼んだりしないのよ」

「でも美鈴さんは呼んでますよね?」

「まあ、美鈴ちゃんだからね。でも久我くんはダメだよ。男の子なんだし」

ピクリと久我くんの眉が上がる。
お?またムッとした?

「分かりました。会社では呼びません」

ん?会社では?
では…って何?

そうこうしているうちに訪問先に着いてしまった。

ー閑話休題ー

私は顔なじみの社長さんに挨拶して、試作品についての説明と要望を伝えた。

*****

「さてと。駅前にうちの店舗があるから、休憩がてら行きましょうか」

訪問を終えると久我くんを連れて、やや小さめの店舗に入る。

「こんにちはー…。あれ?蒼井さん!」

40代の女性店長が、ゼロ円のスマイルで振り返ってくれた。

「こんにちは、松浦店長」

「イケメン連れてどうしたのー?デート?」

「ぶっ、違いますよ。ヒアリングと視察に来ました」

「イケメン連れて?」

なるほど。
早く紹介しろってことね。

「彼は新卒でうちに配属された久我くんです。久我くん、ここの店長の松浦さんよ」

「初めまして、久我と申します」

にこやかに頭を下げる久我くんに、店長はゼロ円スマイルをチャリンチャリンと炸裂させる。

「初めまして!いやー、見目麗しい。うちでバリスタやって欲しいわ。常連さんがドッと増えるのになー」

「いつでもヘルプに呼んでください」

久我くん!ほんとに呼ばれちゃうよ?

「えー、呼んじゃう!週3で来て!」

いや、店長。
目がマジですって。

「松浦さん、バックヤードでお話聞かせてもらえますか?久我くんは店内で何か飲みながら、お客様の様子をうかがってて」

分かりましたと言う久我くんを残し、私は店長の背中を押しながらバックヤードに向かった。

「いいなー、蒼井さん。あんなイケメンと一緒に仕事できるなんて」

狭い休憩室に向かい合って座ると、店長はいじけたように言う。

そんなにイケメンなのか?久我くんって。

「松浦さんの旦那様もイケメンだって、アルバイトの子達から聞きましたよ」

「えー?毎日会ってると、まったくそう思えなくなった。俗に言う、美人は3日で飽きてブスは3日で慣れるってやつね」

それなら、イケメンは3日で飽きて、キモメンは3日で慣れるのだろうか。

「じゃあ、結婚相手は誰でも一緒ってことかな…」

ポツリと呟くと、店長が身を乗り出してくる。

「え、蒼井さん、結婚するの?」

「うーん、考え中なんです」
 
「そうなんだ!相手はどんな人?」

「思い出したくない人です」

…は?と店長は目を点にする。

「さ、それより仕事の話!松浦さん、新商品について相談してもいいですか?」

私はバッグから資料を取り出して、話を進めた。

今年展開する予定の夏の新商品をザッと紹介すると、店長は資料に目を通しながら相槌を打つ。

「なるほどー。うちはオフィス街にある訳じゃないから、お子様連れも多いの。だからバニラやサイダーのフローズンや、いちごミルクのクラッシュアイスも売れると思う。バナナミルクは、私はパスかな」

「あ、やっぱり?松浦さんもバナナミルクはお腹に来ます?」

「うん、来る。きっと来る」

「ですよねー!恐ろしい、あのビッグウェーブが…」

そこまで言った時、ふいに私のお腹にそのウェーブがやって来た。

「来たー!店長、トイレ借ります!」

「あら、お大事にー」

結局私はその後も、戻って来てはまた波に襲われ、また駆け込んではヘロヘロで戻って来るのを3回繰り返した。

*****

「華さん?どうかしましたか?顔が真っ青ですけど」

なんとかウェーブを乗り越えて店内に戻ると、久我くんが顔を覗き込んできた。

「久我くん…、苗字で呼んでってば」

「ここ会社じゃないので大丈夫です」

「いや、大丈夫じゃない」

「やっぱり具合が悪いんですね?」

ん?話がすり替わってる。
もういいや。頭が働かない。

「バナナミルクにやられた…」

「そうなんですね!華さん、ちょっと腕見せてください」

「どうぞご自由に」

テーブルに突っ伏してぐったりと動けないでいると、久我くんが私の右腕をとる。

「やっぱり冷たい。鳥肌も立ってるし。ちょっと待っててください」

そう言って立ち上がると、すぐに戻って来た。

「華さん、白湯です。ゆっくり飲んで」

「ん…」

久我くんが口元に持ってきてくれた紙コップを、ゆっくりと口にする。

お腹の中がじわーっと温かくなった。

さらに久我くんは、着ていたスーツのジャケットを脱いで、私の肩に掛けてくれる。

「まだ寒いですか?」

「少し。でもさっきよりはマシかも」

「良かった。華さん、このまま直帰ってできますか?今17時過ぎなんですけど」

「あー、うん。課長に電話すればいいよって言ってくれると思う」

すると久我くんはすぐさま立ち上がり、外に電話をかけに行った。

「オッケーもらえました。華さん、行きましょう。立てますか?」

「生まれたての子鹿になるかも」

「じゃあ俺に掴まって」

「俺?久我くんの俺、初めて聞いたかも」

「いいから、ほら」

肩を貸してもらいながら店を出ると、タクシーが止まっていた。

いつの間に手配したのだろう。

久我くんは、よろける私を支えながらタクシーに乗り込んだ。

てっきり最寄り駅まで行くのかと思っていたが、いっこうに到着する気配がない。 

どこに向かっているのか分からないが、とにかく身体がだるくて、シートにグッタリともたれていた。

「着きました。歩けますか?」

「分かんない」

それよりここはどこなのさ?

顔を上げるのも億劫で、ひたすら久我くんに肩を借り、引きずられるように歩く。

「入って、靴脱いで」

エレベーターでどこかの階まで行き、廊下を少し進んでドアを開けた久我くんが、私を中に促す。

「靴、脱い…だ」

その途端くずおれそうになった私を、久我くんが抱き上げた。

ふわっと身体が浮き上がり、思わず久我くんにしがみつく。

「やだ、下ろして。重いから」

「やだ、下ろさない。可愛いから」

なんだ?その韻を踏んだ返しは。
ラッパーか?

いや、違う!
突っ込むべきはそこじゃない。 

久我くん、今なんて言った?
担当指導者として、聞いちゃいけないセリフだったような…

そう思っていると、久我くんが私をソファにそっと横たえた。

すぐさまその場にひざまずくと、私の額にかかった髪をサラリとなでる。

「まだ顔色が悪い。脱水症状だな」

再び白湯を持ってきて飲ませてくれた。

「しばらくゆっくり休んで」
 
ふわふわの毛布を優しく掛けてくれる。
少し顔を動かして辺りの様子を見ると、一人暮らしのマンションの部屋のようだった。

「ここ、久我くんのおうちなの?」

「そうです。俺のせいで華さんがこんなことになったから、責任取って看病させて」

「そんな、久我くんのせいなんかじゃ…」

しーっと、久我くんが人差し指でそっと私の唇に触れた。

「黙って、目を閉じて」

久我くん、私は会社の先輩。
苗字で呼んで。
気安く触れてもダメ。

頭の中で呟きつつ、私はスーッと眠りに落ちてしまった。
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