116 / 295
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
116-彼方の地より来たれり
しおりを挟む
『これは一体?』
「エリスには絶対バレたくないからな.....宝物殿に匿いたい」
『......貴女様がそう仰るのであれば』
数時間後。
僕はグレゴルに直談判し、あの地下基地を丸ごと宝物殿内部の惑星に移設することに成功した。
気象条件がほぼパターと変わらない惑星を選んだつもりだ。
『それから、エネルギーブロックの増産を。一気に人口が増える』
『お任せください、エリアス様』
そして僕は、タッティラにエネルギーブロックの生産を依頼する。
カーライル基地のオリジナルには通常の食事を与えるが、流石にエリスと僕を賄い、少し余る程度の農園では、百と少しの数いるクローンに食事を配給する余裕はない。
「ポラノル、僕のいない間に何かあったか?」
『特にはない、って言ったらアレだけど。ボクの方で、オルダモン連邦の主席を処分したよ』
「そうか」
オルダモン連邦の主席は、負けが確定するや否や側近を主席に任じて逃げた。
だが、亡命直前でポラノルの率いるヴィジラント=ノクティラノス艦隊に襲われ、命を落とした。
「キロマイアがどうするかは勝手だが、ケルビスの方はどうなっている?」
『ケルビスは、現在パター星系で活動中です。詳細は話されませんでしたが、恐らくクロペル共和国の女王と交渉中なのでしょう』
メッティーラが答える。
パター星系......何故あそこで? と一瞬思うが、あの場所は一方通行の重力流を通れば首都から近い。
アクセスがいいうえで、こちらと交渉が決裂しても構わない場所を選んだのだろう。
したたかさを感じる。
「......ケルビスには交渉を急がせろ。僕は所要があるので失礼する」
『はっ』
僕は一旦、カーライル基地が位置する惑星........『フィオ』へとテレポートする。
「むむ。君は......感謝する、この惑星の探査任務を与えてくれたおかげで、周囲の環境を把握できた。そして.....恐らく、吾輩の名はニトのようだ」
「ニトか。記憶が戻ったか?」
「いいや。眠っていた時間が長すぎた、吾輩には何もわからん。イナヅマノカミがある程度の情報を与えてくれたものの、吾輩はもともと多くを語る身ではないようだ」
ニトは相変わらず謎の存在だ。
だが、無視できないのは、カーライル基地の元の国の情報――――
「『アルケーシア』とは、何だ?」
『カーライル基地の属する国家です』
「だが、記録にはない」
『外部と遮断されていたため、本国がどうなったかは不明です。ですが、我々はワームホールを使い、この地にやってきました』
「.....もしや、エミドと関連しているのか?」
『エミド? 我々の言語では、『集合体』の意味を持ちますね』
........エミドの存在は知らないが、その言葉の意味は知っている。
つまりは......エミドの源流か?
何にせよ、テクノロジーはエミドなど遥かに及ばない程高度だ。
基礎理論から情報があるため、対エミドの戦力補強に大きく貢献するだろう。
「ニト、食料はどうなっている?」
「吾輩も含め、備蓄の流動食を貰っている。ただし、このまま生活が続くと一週間程度しか持たぬようだ」
「よし、分かった。では、数時間後にエネルギーブロックが入ったコンテナを転送する。それを分け合ってくれ......味はないが」
「吾輩はもともと味が分からん。高度に最適化された肉体は、固形物も本来は不要だ」
「なら、何故......成程」
見れば、エネルギー供給システムがオフラインになっている。
確認すると、最初から付いていないようだ。
「吾輩の趣味だったようだな」
「........」
ニトの姿を見て、僕は少しだけ思考を巡らせた。
彼女は高度に最適化された肉体を持ちながらも、最適化された思考を持たない個体だ。
Ve’zのような、自害するという結論に至らなかった、謂わば完璧な生命体だ。
もし、アルケーシアの真実にたどり着く事が出来れば.......Ve’zの行き着くべき真の道も見えてくるだろうか?
「それにしても、吾輩のクローンが動き出した理由が分からん。普通は動かぬのだろう?」
「そうだな」
僕は巨大な謎に直面し、エリスを放置していたことをすっかり忘れてしまっていたのだった。
「エリスには絶対バレたくないからな.....宝物殿に匿いたい」
『......貴女様がそう仰るのであれば』
数時間後。
僕はグレゴルに直談判し、あの地下基地を丸ごと宝物殿内部の惑星に移設することに成功した。
気象条件がほぼパターと変わらない惑星を選んだつもりだ。
『それから、エネルギーブロックの増産を。一気に人口が増える』
『お任せください、エリアス様』
そして僕は、タッティラにエネルギーブロックの生産を依頼する。
カーライル基地のオリジナルには通常の食事を与えるが、流石にエリスと僕を賄い、少し余る程度の農園では、百と少しの数いるクローンに食事を配給する余裕はない。
「ポラノル、僕のいない間に何かあったか?」
『特にはない、って言ったらアレだけど。ボクの方で、オルダモン連邦の主席を処分したよ』
「そうか」
オルダモン連邦の主席は、負けが確定するや否や側近を主席に任じて逃げた。
だが、亡命直前でポラノルの率いるヴィジラント=ノクティラノス艦隊に襲われ、命を落とした。
「キロマイアがどうするかは勝手だが、ケルビスの方はどうなっている?」
『ケルビスは、現在パター星系で活動中です。詳細は話されませんでしたが、恐らくクロペル共和国の女王と交渉中なのでしょう』
メッティーラが答える。
パター星系......何故あそこで? と一瞬思うが、あの場所は一方通行の重力流を通れば首都から近い。
アクセスがいいうえで、こちらと交渉が決裂しても構わない場所を選んだのだろう。
したたかさを感じる。
「......ケルビスには交渉を急がせろ。僕は所要があるので失礼する」
『はっ』
僕は一旦、カーライル基地が位置する惑星........『フィオ』へとテレポートする。
「むむ。君は......感謝する、この惑星の探査任務を与えてくれたおかげで、周囲の環境を把握できた。そして.....恐らく、吾輩の名はニトのようだ」
「ニトか。記憶が戻ったか?」
「いいや。眠っていた時間が長すぎた、吾輩には何もわからん。イナヅマノカミがある程度の情報を与えてくれたものの、吾輩はもともと多くを語る身ではないようだ」
ニトは相変わらず謎の存在だ。
だが、無視できないのは、カーライル基地の元の国の情報――――
「『アルケーシア』とは、何だ?」
『カーライル基地の属する国家です』
「だが、記録にはない」
『外部と遮断されていたため、本国がどうなったかは不明です。ですが、我々はワームホールを使い、この地にやってきました』
「.....もしや、エミドと関連しているのか?」
『エミド? 我々の言語では、『集合体』の意味を持ちますね』
........エミドの存在は知らないが、その言葉の意味は知っている。
つまりは......エミドの源流か?
何にせよ、テクノロジーはエミドなど遥かに及ばない程高度だ。
基礎理論から情報があるため、対エミドの戦力補強に大きく貢献するだろう。
「ニト、食料はどうなっている?」
「吾輩も含め、備蓄の流動食を貰っている。ただし、このまま生活が続くと一週間程度しか持たぬようだ」
「よし、分かった。では、数時間後にエネルギーブロックが入ったコンテナを転送する。それを分け合ってくれ......味はないが」
「吾輩はもともと味が分からん。高度に最適化された肉体は、固形物も本来は不要だ」
「なら、何故......成程」
見れば、エネルギー供給システムがオフラインになっている。
確認すると、最初から付いていないようだ。
「吾輩の趣味だったようだな」
「........」
ニトの姿を見て、僕は少しだけ思考を巡らせた。
彼女は高度に最適化された肉体を持ちながらも、最適化された思考を持たない個体だ。
Ve’zのような、自害するという結論に至らなかった、謂わば完璧な生命体だ。
もし、アルケーシアの真実にたどり着く事が出来れば.......Ve’zの行き着くべき真の道も見えてくるだろうか?
「それにしても、吾輩のクローンが動き出した理由が分からん。普通は動かぬのだろう?」
「そうだな」
僕は巨大な謎に直面し、エリスを放置していたことをすっかり忘れてしまっていたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる