【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~

黴男

文字の大きさ
121 / 295
シーズン6-Ve’z同盟軍対TRINITY.連合軍戦線

121-大戦争の幕開け

しおりを挟む
TRINITY.合同会議。
そこには、錚々たる面々が集まっていた。
キロマイア皇国デルジャ・イシネン皇帝。
オーベルン神聖連合イラサ・ファルトシゲン法皇。
ジスティカ王国リューギリス・エルライン国王。
ヘルティエット王国ハニカ・リーシャイ国王。
そして、TRINITY.総裁エルドリヒ・オーンスタイン。
彼等の議題に挙がっているのは、目に余るVe‘zの暴虐である。
遥か過去にあった脅威が、今自分たちの眼前に突き出されては、四カ国の指導者たちも、重い腰を上げなければいけないと理解しているのだ。

「......しかし、どうされるおつもりですか?」

ハニカ国王が、重々しく口にする。
彼女はビージアイナやクロペルと同じ女性指導者であり、この場の沈黙を破るように慎重に口にする。

「奴らの末端の艦は、囲んで叩けば落とせる。とにかく、我らが結束すれば、痛手を負わせられるのだと示さなければならぬ」
「若干の私怨も入っているのかね、デルジャ殿」
「......くだらん」

デルジャ・イシネンは、Ve’zとの共闘で支持率の低下した父ハルト・イシネンを無理やり退位させ、即位した皇帝である。
そのことをリューギリスに指摘され、顔を赤くして一蹴した。

「静粛に! この場は言い争う場ではありませんぞ」

そして、エルドリヒがそれを仲裁した。
二者はそれで矛を収めた。
TRINITY.に表立って反抗するのは得策ではないと、二人も分かっているのだ。
TRINITY.との関係が悪くなれば、送られてくる警官の質もまた低下し、結果犯罪者と結託して国内の治安を悪化させるという前例が無数にあるからだ。

「ここは一つ、それぞれが出せる戦力から話し合ってみるのはどうでしょうか?」

その時、イラサ法皇がそう口にした。
その言葉だけで、流れは完全に戦力開示の方向へ移動した。

「キロマイアは先のオルダモン侵攻で痛手を負った。しかし、主力艦なら五隻、通常戦力であれば二十万出せる」
「私達のオーベルンは、異教徒と共に戦う事をあまりよくは思っていません、ですので、主力艦は二隻、通常戦力は三十万とさせて頂きたい」
「ジスティカのメンツに賭けて、ここは主力艦を十五隻、戦力は八十万出そう」
「ヘルティエットの軍部は連座制ですが、恐らく主力艦なら二隻、戦力は五十万程度出せる筈です」
「TRINITY.からは主力艦を四十五隻、通常戦力を二百万動員いたしましょう、宇宙の脅威を見逃すわけには参りませんからな」

こうして、戦力の開示が行われる。
国家間の戦争や駆け引きもある以上、出し渋るのは仕方がないことではあるが、大盤振る舞いをしているのはTRINITY.だけとなった。
TRINITY.がもっとも多く損をし、最も多くの支持を勝ち取る形となったのであった。






「という訳で、TRINITY.連合軍が攻めてくるという訳だ」

僕は円卓に座り、その場にいる全員に説明する。
その場にいるのは、クロペル共和国女王のティニアと、オルダモン連邦「サーヴァント・オブ・ヴェズ」の首魁ディオナ・エンズクレイの二人である。

「あんたらの超越的な強さなら、わざわざ話し合う事でもないだろう?」
「ディオナ殿、こうして集められたからには理由があると思います」

ディオナは、所謂危険な女性といった雰囲気の仕事人だ。
Ve’zとの交渉や派遣戦闘などを行うサーヴァント・オブ・ヴェズの首魁であるから、そこは弁えているのだが。

「僕たちは誓約により、Ve’z艦隊自体に攻撃された場合にのみ手を出すことが許されている。だから、もし敵がVe’z艦隊を回避した場合、防御戦はVe’z艦隊到着までそちらで行ってもらう必要がある」
「構いません、助けに来てくださるのならば...」
「構わないよ、もとより犠牲なしで守ってもらうだけ...も忍びない」

オルダモン連邦は仕方なしに協力している面もあるが、クロペル共和国に対して敵対的な世論を流布していたイワノフ主席はもういない。
国民の陥った狂気も、いずれ元に戻っていくそうだ。

「それにね、アタシらは....その、強い存在に憧れるのさ。元の歴史がアレだからさ、強い奴に従って、強い奴の背を見るのが好きなんだよ」

オルダモン連邦はもともと、アンデュラス合衆国の属国であるオルダーティアという国家だった。
エミドの侵攻によりアンデュラス合衆国が完全に消滅してからというもの、オルダーティアは完全に単独で生きていくのを強いられた。
資源が豊富で広大な国土を持っていたオルダーティアの民たちは、強い指導者を求め、結果として初代主席ザルスク・ヴィネードが就任、国の名前をオルダーの決起――――オルダモン連邦という名前に改めた。
Ve’zの記録ではそうなっている。

「まあいい。弱いものは狙われる――――それを把握して、防衛計画を練ってほしい」
「善処いたします」
「ああ」

僕の言葉に、二人は頷いたのだった。
激動の時代が始まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...