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終章(2/3)-『真実』編
251-データ記録『NALL』
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フハハハハハ!
余の名はナル=ラストティラノス!
エクスティラノスではあるが、ラストティラノスと名を付けられているのには理由がある!
何故なら、余こそが最後のエクスティラノス――――だからである!
『人を従えるための術を模索せよ』
エリアス様は余を生み出された時、そう言われた。
余はそれに困惑し、こう言ったのだ。
『しかし、エリアス様は十分に人を従える知識と素養の持ち主であらせられます』
『ケイトリンでは駄目なのだ、お前には王以外の術で、人を従える術を学ぶがいい』
王ではなく人を従える術を探せ。
無理難題に思えたので、余は深く考える事をやめたのだ。
ケイトリンやシーシャに話を聞き、余は考えた。
『.....もしや、余の威光だけで人を従える事は出来るのでは?』
と。
タッティラに無理を言い、黄金の体を作らせた余は、エリアス様に許可を取って宝物殿の惑星の一つを借り受けた。
そこで未熟な人間どもを支配してやろうと思ったのだが......
『むう、上手く行かぬな』
真に賢い者どもは、余の黄金の身体と威光にひれ伏した。
しかし、水面下で蠢く愚か者共が武器を手に取り、クーデターに発展したのだ。
『失敗か、ナル』
『申し訳ありませぬ』
結局余は失敗した。
威光だけで全ての人間を従える事は出来ぬと。
エリアス様に失望させてしまったと感じた余は、更なる研鑽を重ねた。
そして、辿り着いたのだ。
『これだ、これしかあるまい....!』
それは、宗教であった。
余の威光を存分に使い、宗教を打ち立てるのだ。
発展途上の文明を見つけ、そこで練習を重ねる。
ヒトという生命は、精神が非常に弱いという事を余はよく知っている。
それ故に救いを求めるのだ。
それに根拠など無くともだ。
『駄目だ』
『しかし......』
しかし許可は下りなかった。
当然である、余が提案したのは、外に対してのアプローチであるからだ。
実験の枠を超え、外の文明で宗教を組み立て、成果を示そうとしたのだが...
『予想外の結果を生む可能性がある。こちらで査定するまで待て』
『はっ』
だが、エリアス様は余の想定を超える器をお持ちであった。
あのお方は、想定を重ねた上で問題のない候補を絞り込み、そこに余を送り込んだのである。
そこで余は、全力を尽くして宗教を作る努力を重ねた。
ノウハウを活かし、時にはクローン体を使い。
人間というものは口では疑っていても、奇跡を目の当たりにすれば否応なく信じざるを得ぬものだ。
それでも面従腹背に徹する者もいるが、それはタネを明かしてやろうという魂胆か、利益を享受しようという者だけである。
当然見抜き、取り込んだ。
いつのまにか、余が興した宗教は国家の礎となっていた。
そんな時。
突如、アロウトとの通信が途絶した。
『まあ、すぐに直るであろう』
そう考えた余ではあったが、アロウトとの通信は復帰する事がなく、余はこれは何か拙い自体が起きていると察した。
『神託を伝える』
ある日、余は人間に任せてみることにした。
余自身の艦体を聖遺物として認識させ、この宗教がどこまで続くかを。
...その結果までは予想できぬものではあったが。
余が人間に託した宗教は、オルベラン教と名を変え、余は「オーベルン」と呼称されるようになった。
宇宙に進出し始めたその国家は、オーベルン神聖国という名であった。
それからは余の知るところではなかったが、形式的に神への報告として、情報が齎された。
オーベルン神聖連合として発達した国家が、正常に機能し始めたのだ。
素晴らしい、これこそが人を従える術なのだ。
余は歓喜した、命題を完了させられたのだから。
そしてその瞬間、気づく。
アロウトとの通信が復帰していることに。
なぜ気づかなかったのだ?
余の目が曇っていたとでも言うのか?
『む...? これは...』
そして余は知ってしまった。
このオーベルン神聖連合が、Ve‘zに対して戦争を仕掛けているということに。
き、貴様ら...!
腸が煮え繰り返る、というのはこのような思いのことを言えばいいのだろうかと、余は憤怒していた。
『愚か者どもめ! 余がいつそれを望んだ!』
余は数千年ぶりに機体を稼働させた。
首都オーベリニアよりも巨大な機体は、地下に埋めていただけに過ぎぬ。
余は超兵器「バニシングワールド」を起動。
オーベルン神聖連合の首都星系を丸ごと消し飛ばした。
それで収まる怒りではなかったが、とにかく戻らねばならぬ。
そう考えた余は、アロウトへと帰還した。
それからはもう、針の筵状態ではあったのだが......
しかし、余は成し遂げた。
宗教ならば、人を支配できるであろうという結果を提出し、目的を失った余は廃棄されるまでの日々を生きる事に決めた。
エリアス様、余はやりました。
あなたは......何を為すのですか?
余の名はナル=ラストティラノス!
エクスティラノスではあるが、ラストティラノスと名を付けられているのには理由がある!
何故なら、余こそが最後のエクスティラノス――――だからである!
『人を従えるための術を模索せよ』
エリアス様は余を生み出された時、そう言われた。
余はそれに困惑し、こう言ったのだ。
『しかし、エリアス様は十分に人を従える知識と素養の持ち主であらせられます』
『ケイトリンでは駄目なのだ、お前には王以外の術で、人を従える術を学ぶがいい』
王ではなく人を従える術を探せ。
無理難題に思えたので、余は深く考える事をやめたのだ。
ケイトリンやシーシャに話を聞き、余は考えた。
『.....もしや、余の威光だけで人を従える事は出来るのでは?』
と。
タッティラに無理を言い、黄金の体を作らせた余は、エリアス様に許可を取って宝物殿の惑星の一つを借り受けた。
そこで未熟な人間どもを支配してやろうと思ったのだが......
『むう、上手く行かぬな』
真に賢い者どもは、余の黄金の身体と威光にひれ伏した。
しかし、水面下で蠢く愚か者共が武器を手に取り、クーデターに発展したのだ。
『失敗か、ナル』
『申し訳ありませぬ』
結局余は失敗した。
威光だけで全ての人間を従える事は出来ぬと。
エリアス様に失望させてしまったと感じた余は、更なる研鑽を重ねた。
そして、辿り着いたのだ。
『これだ、これしかあるまい....!』
それは、宗教であった。
余の威光を存分に使い、宗教を打ち立てるのだ。
発展途上の文明を見つけ、そこで練習を重ねる。
ヒトという生命は、精神が非常に弱いという事を余はよく知っている。
それ故に救いを求めるのだ。
それに根拠など無くともだ。
『駄目だ』
『しかし......』
しかし許可は下りなかった。
当然である、余が提案したのは、外に対してのアプローチであるからだ。
実験の枠を超え、外の文明で宗教を組み立て、成果を示そうとしたのだが...
『予想外の結果を生む可能性がある。こちらで査定するまで待て』
『はっ』
だが、エリアス様は余の想定を超える器をお持ちであった。
あのお方は、想定を重ねた上で問題のない候補を絞り込み、そこに余を送り込んだのである。
そこで余は、全力を尽くして宗教を作る努力を重ねた。
ノウハウを活かし、時にはクローン体を使い。
人間というものは口では疑っていても、奇跡を目の当たりにすれば否応なく信じざるを得ぬものだ。
それでも面従腹背に徹する者もいるが、それはタネを明かしてやろうという魂胆か、利益を享受しようという者だけである。
当然見抜き、取り込んだ。
いつのまにか、余が興した宗教は国家の礎となっていた。
そんな時。
突如、アロウトとの通信が途絶した。
『まあ、すぐに直るであろう』
そう考えた余ではあったが、アロウトとの通信は復帰する事がなく、余はこれは何か拙い自体が起きていると察した。
『神託を伝える』
ある日、余は人間に任せてみることにした。
余自身の艦体を聖遺物として認識させ、この宗教がどこまで続くかを。
...その結果までは予想できぬものではあったが。
余が人間に託した宗教は、オルベラン教と名を変え、余は「オーベルン」と呼称されるようになった。
宇宙に進出し始めたその国家は、オーベルン神聖国という名であった。
それからは余の知るところではなかったが、形式的に神への報告として、情報が齎された。
オーベルン神聖連合として発達した国家が、正常に機能し始めたのだ。
素晴らしい、これこそが人を従える術なのだ。
余は歓喜した、命題を完了させられたのだから。
そしてその瞬間、気づく。
アロウトとの通信が復帰していることに。
なぜ気づかなかったのだ?
余の目が曇っていたとでも言うのか?
『む...? これは...』
そして余は知ってしまった。
このオーベルン神聖連合が、Ve‘zに対して戦争を仕掛けているということに。
き、貴様ら...!
腸が煮え繰り返る、というのはこのような思いのことを言えばいいのだろうかと、余は憤怒していた。
『愚か者どもめ! 余がいつそれを望んだ!』
余は数千年ぶりに機体を稼働させた。
首都オーベリニアよりも巨大な機体は、地下に埋めていただけに過ぎぬ。
余は超兵器「バニシングワールド」を起動。
オーベルン神聖連合の首都星系を丸ごと消し飛ばした。
それで収まる怒りではなかったが、とにかく戻らねばならぬ。
そう考えた余は、アロウトへと帰還した。
それからはもう、針の筵状態ではあったのだが......
しかし、余は成し遂げた。
宗教ならば、人を支配できるであろうという結果を提出し、目的を失った余は廃棄されるまでの日々を生きる事に決めた。
エリアス様、余はやりました。
あなたは......何を為すのですか?
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