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プロローグ
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西暦2265年、人類は滅亡の危機に瀕していた。まるで地球が人類の粛清に動いたかのように、地震・火山噴火・津波等の地殻変動、竜巻・台風・ハリケーン・豪雨等の異常気象が頻繁に起きる様になった。
オゾン層破壊を含む地球温暖化問題、化石燃料枯渇を含むエネルギー問題、人口増加にともなう食糧問題、それらの問題を何とか乗り越えて来た人類であったが、この相次ぐ天災だけは、どうにもできなかった。
そして、科学者の研究により、この地球の異常現象を引き起こしている真因は、グラニウムの使用にあると判明した。
グラニウムとは、2213年に宇宙から飛来した巨大隕石から発見された152番目の元素。ある波長の光を当てるだけで、桁違いの熱エネルギーを放出する鉱石成分。ウランとは異なり、光を遮断すれば直ちにエネルギー放出は止まり、安全なうえ、物理学の常識を無視して、質量変化や物理劣化もおきず永久に使える。
地球上に存在せず、人工精製もできない貴重な元素だが、僅か1グラムのグラニウムにて、大都市のエネルギー供給を全て賄える。核融合炉の様な大袈裟な装置も不要。そんな夢の様なエネルギー鉱石がグラニウム。
早速、グラニウムを利用するエネルギー抽出装置『グラニウムコア』の開発がすすめられた。
一部の学者は、物理学を無視した原理不明のエネルギー鉱石は危険だと主張したが、グラニウムコアは、瞬く間に地球上に広がって行った。暗黒の節電時代も終り、人類は再び活気を取り戻した。
そして、半世紀以上が経ち、漸くそのエネルギー発生原理が判明した。その原理は、地球からニュートリノを引っ張り出して、熱エネルギーに変換しているというものだった。つまり、地球の命と言うべき地核エネルギーをグラニウムが強制的に引っ張りだしていた。
そして、半世紀に渡る人間の無駄なエネルギー消費により、地球の核は、既に致命的なダメージを受けていた。これが異常現象の原因であり、このままグラニウムコアを使用続けれれば、2500年には地球は超新星爆発を起こし、消滅するとのシミュレーション結果となった。
国際地球環境会議は、直ちに、グラニウムコアの使用禁止を訴えた。だが、原子炉の全面廃止ができなかったように、グラニウムコアの全面廃止も不可能な状態。
そして更なるシミュレーション結果が、人類に絶望をもたらした。例え完全にグラニウムコアを使用しなくなったとしても、地核の崩壊は止まらず、西暦3000年にはやはり地球は大爆発を起こすとの報告がなされたのだ。
あと235年が、735年に延びるだけの違い。地球の崩壊は免れない。
かと言って、滅びの日を待つわけにはいかない。人類は、なんとか地球コアを治療する術はないかと模索しはじめた。
そんな時、とある天文学者がとんでもない研究成果を発表をした。150光年彼方の銀河に、地球に類似した惑星があると言う内容だ。
それなら、その星に移住すれば良い。世界は一気にその方向に傾きだした。
彼の観測データを見る限り、水、ミネラル、大気、太陽光、人類が生きていけるのに必要な最低限の要素は揃っている様に見える。だが、本当に人類が生存していける環境なのかの保証はない。
今から調査衛星を飛ばしても、150光年は余りに遠すぎる距離。光速走行実験には成功しているものの、それでも調査結果が届くまでに、350年は掛かる事になる。
それに、地球に類似した環境なら知的生命体がいる可能性も高い。その場合、大量の人類を受け入れて貰えるかも問題となる。下手すれば、戦争にすらなり兼ねない。
数多の議論の末、世界政府は、セジアスと名付けられたその星に、現地調査を兼ねた使者を送り出す事に決めた。
任務は、人類が移住できる惑星か否かの判断と、もし先住知的生命体がいた場合に人類の受け入れを認めてもらう事。
そして、モロウ、セシル、ガスパール、ケヴィンの精鋭四名を載せたヘリオスが地球からセジアスに向け、旅立った。2266年8月2日のことである。
オゾン層破壊を含む地球温暖化問題、化石燃料枯渇を含むエネルギー問題、人口増加にともなう食糧問題、それらの問題を何とか乗り越えて来た人類であったが、この相次ぐ天災だけは、どうにもできなかった。
そして、科学者の研究により、この地球の異常現象を引き起こしている真因は、グラニウムの使用にあると判明した。
グラニウムとは、2213年に宇宙から飛来した巨大隕石から発見された152番目の元素。ある波長の光を当てるだけで、桁違いの熱エネルギーを放出する鉱石成分。ウランとは異なり、光を遮断すれば直ちにエネルギー放出は止まり、安全なうえ、物理学の常識を無視して、質量変化や物理劣化もおきず永久に使える。
地球上に存在せず、人工精製もできない貴重な元素だが、僅か1グラムのグラニウムにて、大都市のエネルギー供給を全て賄える。核融合炉の様な大袈裟な装置も不要。そんな夢の様なエネルギー鉱石がグラニウム。
早速、グラニウムを利用するエネルギー抽出装置『グラニウムコア』の開発がすすめられた。
一部の学者は、物理学を無視した原理不明のエネルギー鉱石は危険だと主張したが、グラニウムコアは、瞬く間に地球上に広がって行った。暗黒の節電時代も終り、人類は再び活気を取り戻した。
そして、半世紀以上が経ち、漸くそのエネルギー発生原理が判明した。その原理は、地球からニュートリノを引っ張り出して、熱エネルギーに変換しているというものだった。つまり、地球の命と言うべき地核エネルギーをグラニウムが強制的に引っ張りだしていた。
そして、半世紀に渡る人間の無駄なエネルギー消費により、地球の核は、既に致命的なダメージを受けていた。これが異常現象の原因であり、このままグラニウムコアを使用続けれれば、2500年には地球は超新星爆発を起こし、消滅するとのシミュレーション結果となった。
国際地球環境会議は、直ちに、グラニウムコアの使用禁止を訴えた。だが、原子炉の全面廃止ができなかったように、グラニウムコアの全面廃止も不可能な状態。
そして更なるシミュレーション結果が、人類に絶望をもたらした。例え完全にグラニウムコアを使用しなくなったとしても、地核の崩壊は止まらず、西暦3000年にはやはり地球は大爆発を起こすとの報告がなされたのだ。
あと235年が、735年に延びるだけの違い。地球の崩壊は免れない。
かと言って、滅びの日を待つわけにはいかない。人類は、なんとか地球コアを治療する術はないかと模索しはじめた。
そんな時、とある天文学者がとんでもない研究成果を発表をした。150光年彼方の銀河に、地球に類似した惑星があると言う内容だ。
それなら、その星に移住すれば良い。世界は一気にその方向に傾きだした。
彼の観測データを見る限り、水、ミネラル、大気、太陽光、人類が生きていけるのに必要な最低限の要素は揃っている様に見える。だが、本当に人類が生存していける環境なのかの保証はない。
今から調査衛星を飛ばしても、150光年は余りに遠すぎる距離。光速走行実験には成功しているものの、それでも調査結果が届くまでに、350年は掛かる事になる。
それに、地球に類似した環境なら知的生命体がいる可能性も高い。その場合、大量の人類を受け入れて貰えるかも問題となる。下手すれば、戦争にすらなり兼ねない。
数多の議論の末、世界政府は、セジアスと名付けられたその星に、現地調査を兼ねた使者を送り出す事に決めた。
任務は、人類が移住できる惑星か否かの判断と、もし先住知的生命体がいた場合に人類の受け入れを認めてもらう事。
そして、モロウ、セシル、ガスパール、ケヴィンの精鋭四名を載せたヘリオスが地球からセジアスに向け、旅立った。2266年8月2日のことである。
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