召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

アリシア戦開始です!

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「さぁやってまいりました!一年生の部決勝戦です!楽しみですね!」

「そうですね。私も今日ほど楽しみにしていた日はありません」

「おお!やはりヴィオラさんも楽しみにしていらっしゃいましたか!」

「ええ、今年はどの闘いもレベルが高く思えます。その要因としてルードリア学園の生徒たちだと思われます。二年生、三年生もそうですが特に一年生が驚きです」

「お孫さんのルースさんも素晴らしい闘いを見せてくれましたね!」

「ええ……非常に惜しい闘いでした……」

「お、おっと!両選手が相対しますよ!さぁ!一年の部!決勝戦始まります!」

解説席の音声を聞きつつ、俺は闘技場の中央へと向かう。
ゆっくりと向かってくるアリシアは重装装備ではなく、剣も持っていなかった。

ん?どういう意図だ?
アリシアは前回まではフル装備で来ていたと思っていたのだが……?

そんな疑問をよそにアリシアはゆっくりと近づいてくる。

「こんにちは。体調はよろしいでしょうか?」

「ああ、問題ない。そっちはどうだ?」

「うふふ……滾る身体をなんとか抑えきれるほどには良好です……」

なんとも意味深な言い方である。
なんでこんなにエロい表情をするんだ?

そういう風に捉えるマスターが変態なだけです。

そうは言うがな?
ファーナはあんな蕩けた表情するか?

……非常にけしからん表情ですね。

「両選手、握手を」

審判の人が俺たちに促す。

「今日はお手やわらかに頼むぞ?」

「もちろんです。このようなところで先制攻撃はしませんよ」

先にそう牽制すると、アリシアは優しく俺の手を握ってくれた。

「よろしく」

「こちらこそよろしくお願いいたします」

「それでは両者位置へ」

俺たちは手を離すと、リングの端へと進む。

「頑張れぇ!カイぃぃぃ!」
「頑張ってください!」
「頑張れ」
「カイ君!頑張ってね!」

応援席からフレアたちやクリス先輩の声が聞こえてくる。
そんな皆のいる場所に振り向こうとすると、

「カイぃぃぃ!負けやがれぇぇぇ!」
「アリシアちゃんに優勝を!」
「絶対にアリシアちゃんに怪我させるんじゃないぞ!」

愛しいクラスメイトたちが散々に野次ってきやがった。

なんて奴らだ!
クラスメイトよりもアリシアを応援するなんて!

マスターが同じ立場ならアリシアさんを応援するのでしょう?

はぁ?当然だろ?

なら文句は言えないのでは?

ふむ……そんな考え方もありか……

いや普通はそう考えるんです。

まあ無駄話はおいといて、そろそろ出番だぞ。

はい。相手がどのように攻めてくるかは不明ですが心しておきましょう。

「試合、開始!」

審判の声に歓声に包まれていった。

リンクメイル。
俺がそう念じるとファーナが纏う鎧に包まれていく。
さあどうくるアリシア?


「ああっと!アリシア選手!自身の召喚獣ペガサスを召喚するや否やその形態を変えました!」

「あれは武装変化!アリシア君も使えるのか!」

そんなバカな!?
アリシアがあれを使えるはずないのに!?

アルグランド学園ではそういった授業は受けていないはず、ならばどうやって会得したのか?
恐らくその答えは、自分で編み出したのだろう。
それしか考えられない。

光輝く白い重装鎧、その背にはペガサスの翼を持ち、アリシアの手には大剣が握られている。
戦乙女と言うにはあまりにも迫力が強い。

とりあえず炎の矢でも放っておくか。

そう思い俺は三本の炎の矢を繰り出してアリシアに向かって放つ。

アリシアはその炎の矢に向かって走り出すと、その大剣を横薙ぎに振るった。
するとあっさりと俺の放った魔法はかき消されてしまう。
これは正面からの遠距離は無意味だな。
俺はあっさりと遠距離戦を諦めて、ファーナに任せることにする。

ファーナ、アリシアは接近戦をご所望のようだ。

はい、受けて立ちますよ。

ファーナは光の剣を召喚すると凄まじいスピードでアリシアを向かい撃つ。

「はぁぁぁぁぁぁ!」

せいやぁぁぁぁぁぁ!

アリシアの振り下ろす大剣をファーナの振り上げる光の剣が受け止めた。
だが、あまりの威力に俺の身体は後ずさる。

「うふふ……これを受け止めてくれるなんて嬉しい!」

「いつの間に武装変化を修得したんだよ!」

「昨日の試合後に練習して修得しました!意外と難しくて困りましたね!」

あっさりと修得しておいてよく言うよ。

ファーナ!いけるか!?

誰に言ってるんですか!?これくらいのことで怯まないでください!
んぅぅぅ!

押し込まれている上段の大剣を振り払うと、アリシアの身体が流れていく。
その隙を見逃さずにファーナは横薙ぎの一閃を振るう。

「ふっ!」

だがアリシアは地面に大剣を突き刺すと、その重装備をものともせずに回転をして流れるようにファーナの斬撃を躱す。

「これは見事な攻防です!」

「一瞬のことでしたが、どちらも一撃に重みがありますね。これは一撃が勝負の分け目となるかもしれません」

ファーナは光の剣をアリシアの背中に向けて投げ飛ばすが、アリシアの白い翼がそれを簡単に防ぐ。

柔らかそうに見えて防御性能も高いな。

まったく、厄介な相手ですね。

クリス先輩と比べてどうだ?

さすがにクリスさんの方が上ですよ。
まだまだ力任せの攻撃ばかりですからね。
ただ、その力任せが捌きづらいんですよ。

時間内に決めきれるか?

まあ、任せておいてください。

頼もしい相棒だこと。
ならば俺ができることは、魔力の供給源としてファーナに注ぐことのみだ。

俺は思いっきりファーナに向けて魔力を注いでいった。

はぁぁぁ……そ、そんなに大量の魔力を注がないでください……はぁはぁ……

し、試合中に興奮してるんじゃない!

そうは言っても……んっ、はぁぁぁん!
消費しないと壊れちゃう!

そう言うとファーナは大剣並みの光の剣を両手に繰り出した。

「デカっ!」

あまりの大きさに声が出てしまった。
いつもの剣の倍くらいはある。

「ああっ!とっても大きいの!私、それを受け止められるかしら!」

大興奮のアリシアは体勢を立て直すと、すぐにその大剣を横薙ぎに振るってくる。
ファーナは片手に持つ剣でそれを楽々と防ぐと、空いている方の手で剣を振り下ろす。
その攻撃を受けてアリシアは翼をはためかせて後ろに飛んで躱した。
その踊るようなステップに俺は少しの間、見惚れてしまう。

「まだまだです!もっと、もっと楽しい舞踏会にいたしましょう!」

そう言って空で笑うアリシアは、太陽の光を受け眩しく見えるのだった。
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