召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

オーレリア様、いろいろとやらかしてました

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「そうか!もう危険はないということだな!」

「はい。騎士団が周囲を確認しましたが、これ以上の襲撃はないようです」

「お疲れさん!それじゃあ再出発だ!さあ乗ってくれ!」

アダルさんに現状を報告すると、笑顔で受け取ってくれた。
乗客の方たちにも拍手で迎えられ、少し照れくさい。

「ふぅ……やっと落ち着けるよ」

「ああ、そうだな」

フレアと一緒に椅子に座ったのだが、そうは簡単には友人たちが楽にさせてくれなかった。

「二人とも空を飛んでましたよね!?」

「あれはずるい」

「すごくかっこよかったよ!」

「どういうことなんですか!?」

「私も飛びたい」

「光と炎の翼って感じでまるでおとぎ話みたいだ!」

「お、落ち着けって!フレアが説明するから!」

「私に全てを投げるんじゃない!」

激しい質問攻めをされながら、俺たち一行はレリアントへと到着したのだった。

レリアントは周囲を堀に囲まれており、街の出入りには三つの門の内のどれか一つを通る必要がある。

ガタガタと馬車が橋を通っていると、

ふふん……このように守備にこだわる造りにしたのが私です!
初めて来たときは平野の街でしたからね!
まるで城のようでしょう!

へぇ。

……全く興味ないようですね。

まあ、美味しいごはんとかの方が気になるよな。

はぁ……防衛の重要さを分かっていただけないのは、嬉しいような悲しいような……

ファーナは哀愁を漂わせて、呟いた。

「レリアントに到着となりました。乗客の皆様、お忘れ物のないようにお降りくださいませ」

馬車の停車後、乗員のお姉さんがそう案内をする。

「おにいちゃん!ありがと!」

「色々とありがとうございました。皆さんもよい休暇を過ごしてください」

「ありがとうな。君らの活躍を期待しているよ」

次々と馬車を降りていく乗客たちが、俺たちに別れの挨拶を口にしてくれる。
その一つ一つに返していくと、乗客は俺たちで最後になった。

「お疲れさん!お前たちには随分と世話になっちまったな!」

「いえ、俺たちも旅路を楽しませてもらいました。ほとんど揺れないし、食事も飲み物も美味しかったです」

「まあ快適さには自信があるからよ!気に入ってくれたなら嬉しいもんだ!これからもごひいきにしてくれ!」

「はい、ありがとうございました」

俺たちもアダルさんとのあいさつを交わし、車内から街へと降り立った。
そして街外れの停留所から、中央へとフレアの案内で歩いて行く。

「これがオーレリアさまの銅像だ。良い出来だろう?」

一番初めに案内されたのが、ファーナの銅像が置かれている公園だった。
随分と古いもののようだが、よく手入れされているようで汚れはほとんどない。

兜を手に持ち、剣を支えに凛々しく笑っている。
俺自身、ファーナの本当の姿を見せてもらったのだが……

めちゃくちゃ美化されてない?

見せてもらった姿よりもなお美しく表現されているように感じる。

こ、これは……恥ずかしいですね……

「オーレリア様が亡くなられてから大分経ったあとに造られたそうだが、当時の肖像画や口伝などを参考にして忠実に再現されたと聞いている」

肖像画って……もしかして綺麗に描いてもらってた?

す、少しくらい美化してもいいでしょう!?
お肌をスベスベにしたりとか、スタイルを良くしたりとかは仕方ないじゃないですか!
乙女心というものです!

「すごく綺麗な人だったんですね!」

「とってもきれい……」

「わぁ……」

「ふふん……そうだ、オーレリア様は戦乙女でありながら美しさの象徴でもあったのだ!」

フレアの解説がどんどん熱を帯び、膨れ上がっていく。

フレアさん!もうやめてください!そこまでじゃないんです!
ちょぉぉぉっとだけ美化してましたぁぁぁ!

あくまでもちょっとだけなんだな……

「口伝ではこうあるぞ!まるで金の糸のような髪はさらさらで光り輝き、瞳は青い宝石と称されオーレリアイと言われていたという!」

いやぁぁぁぁぁぁ!
いつも朝に弱かったので眠そうにしていたら今日も眠そうですねって言われてたのが、オーレリアイの語源なんですぅ!
髪はまあ……自信ありますが?

過去を悔やむかと思えば、自信ありげなファーナ。
歴史の人って意外とこんなんなんだなぁ……

「そして何よりも男女問わずに目を奪われたのは、その美の女神のようなスタイルだ!鎧で隠されているが、ドレスに着替えたときの豊満ながらも均整のとれたスタイルには見るものが目を奪われたという口伝も残っている!羨ましいものだ!」

豊満……?

何か?

どこが?

……くです。

えっ?

筋肉ですよ!筋肉!
それはもう注目の的でしたね!
こちとらフルアーマーに剣を担いでるんですよ!?
フォークよりも重いものを持ったことがありません……みたいな女の子たちと比べる方がどうかしてると思います!

いや、なんかごめん……

「他にはどんなお話しがあるのですか!?」

「すごい話ばかり」

「うんうん!もっと聞きたいよね!」

「いくらでもあるぞ!どうだカイ?オーレリア様の話に噓偽りはないだろう!?」

急に俺に話を振ってくるな!

マスター!誤解を解いてください!
そんなに立派じゃないってぇぇぇ!

ファーナはそう言うが、キラキラと目を輝かせるフレアを前にしたらとても否定することはできない。

「……うん、間違いないって」

マスターぁぁぁ!?

「やはりそうか!これからも語り継いでいくとしよう!オーレリア様の強さと美しさを!」

紡がれてきた歴史を否定することはできんだろう?

真実を明らかにしましょうよ!

歴史上では真実なんだから仕方ないじゃないか。

私のちょぉぉぉっとした見栄がこれからも残っていくなんて!
過去の私を懲らしめてやりたいです!

未だにちょっとを強調するファーナは、

ですがまあ、バレなきゃいいってこともありますよね……ふふふ……

ぼそりと呟くと悪い笑みをこぼす。

このお姫様、まったく成長していない……

俺はそう思わずにはいられないのだった。
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