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一年生
フレア家の人々も楽しい人ばかりです!
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公園でのフレアの解説を一通り聞いた後、俺たちは再び歩き始めた。
様々な店によって活気ある雰囲気を作っている商店街を抜け、なだらかな坂の住宅街を登っていく。
石造りの歴史ある街並みは、ちょっとした涼しさを感じさせてくれる。
「はぁ……古都って感じだなぁ……」
「そうか?住んでみると意外と普通だぞ?」
「いえ、私には肩身が狭いですぅ……」
「わたしはおうちは木製がいい」
「僕はこういう雰囲気好きだけどな」
俺たちが感想を話し合っている間にも、何人かとすれ違った。
日傘を差した淑女といった女性や、立派な髭をたくわえた紳士といった人が多い。
すれ違う人々が上品さを漂わせているように見え、少し委縮してしまう。
田舎者に見られたりするのかな……
生まれで人を判断するような人の評価を気にすることはありません。
マスターは私をランクで判断しませんでした。
だからこそ、私はマスターに忠誠を誓っています。
卑屈になるのではなく、謙虚さを持っていけばいいのです。
……
どうかしましたか?
ファーナが、まともなこと言ってる……
私はいつも至極当然のことしか言ってませんが!?
ははは、冗談までうまくなって。
冗談じゃありません!
「着いたぞ。ここが私の家だ」
軽い疲れを感じ始めた頃、立派な三階建ての邸宅に到着した。
鉄柵に覆われ、その隙間からのぞく庭園には美しい花々が咲いている。
「綺麗で立派な家だな」
「ええ、お花がとっても綺麗です」」
「ありがとう。母上も喜ぶだろう」
門の壁には呼石があり、フレアはそこに手を当てる。
すると少ししてから、扉が開き、そこから一人の男性が現れた。
「トマスさん。ただいま戻りました」
「これはフレアお嬢様、お帰りなさいませ」
「「「「お嬢様?」」」」
「……なんだ?何か言いたいことがあるのか?」
い、いいか!笑ったら死ぬぞ!?
はい!我慢します!
いのちだいじ。
ギャ、ギャップが……
「ご学友の皆様、私はラーカシア家の執事を務めさせていただいておりますトマスと申します。どうぞお見知りおきを」
トマスさんは白くなった髪にメガネをかけ、優しそうに微笑んでいる。
「よ、よろしくお願いします」
礼をされたのだが、その動作があまりにも滑らかで少し戸惑ってしまった。
「では皆様お待ちですので、どうぞ中へ」
花が咲き誇る中庭を抜け、石畳を歩いて行く。
「奥様、フレアお嬢様たちのお帰りでございます」
「遠慮なくどうぞ」
そしていよいよ屋敷の中へ導かれるまま、お邪魔することになる。
「遠路はるばるお疲れ様でした。フレアの母のシャルネです」
「妹のマリーです!」
「改めまして、執事のトマス・バンクです」
「メイドのメリッサ・マキシアです」
シャルネさんは美しいブロンドのロングヘア、若々しく優しそうな微笑みを浮かべており、とても綺麗だ。
マリーちゃんは十歳くらいの元気一杯の女の子。
髪は母譲りの金髪を伸ばし、サイドで二つにまとめている。
なんとなくおてんばな感じがあるのだが、気のせいだろうか?
メリッサさんは二十を少し過ぎたくらいだろうか?
首ほどで揃えられた金髪がよく似合っており、笑顔で出迎えてくれた。
広い玄関にはフレアのご家族たちが並んでおり、丁寧な自己紹介をされる。
それを受け、俺も緊張しつつ自己紹介を行う。
「初めまして。私はカヒッと申します」
思いっきり噛んでしまった。
「あら?カヒさん?フレアの話ではカイさんと聞いていたのだけど……」
「ママ、お兄ちゃん噛んじゃっただけだよ?」
「そうなの?舌は大丈夫かしら?」
「お、お気遣いなく……」
まったく悪気ない優しさが辛い……
後ろを振り返ると、全員が満面の笑みを浮かべつつ笑いをこらえていた。
お前ら、頬がパンパンじゃねぇか……
「リ、リーナです。この度はお招きありがとうございます」
「ルースです。よろしくお願いいたします」
次にリーナが挨拶をし、それにルースが続く。
そしてサリアの順番になった。
「サリアです。よろしくお願いします」
ぷるん。
頭を下げ、身体を起こした際に胸が揺れる。
「わぁ!サリアちゃん!おっぱい大きい!いいなぁ!」
「そう?」
「うん!ママもお姉ちゃんもメリーもおっぱい小さいから羨ましいなぁ……私ももう諦めてるもん……」
マリーちゃんがとんでもないことを言いだした。
そのせいでフレア家の女性陣の顔が凍る。
「うぅ……ママのせいでごめんね……」
「マリー!母上に謝らんか!」
「だってお姉ちゃんもぺったんこじゃん!私の未来もこのままぺったんこに決まってるもん!」
「マリーお嬢様……なぜ私まで巻き込むのですか……」
初対面だというのに重苦しい空気が……
「ところでサリアちゃん、お胸をちょっと触らせてもらってもいいかしら?」
流れたと思ったが、復活したシャルネさんがサリアにハレンチなお願いをしている。
「う、うん……」
笑顔の圧を受け、断り切れなかったサリアは小さく肯く。
「それでは失礼いたします」
むにゅむにゅ。
「んっ……」
大胆にも両手で鷲掴みしやがった。
「こ、これは……素晴らしいですね……」
「ママずるい!私も!」
「あの……奥様、私もよろしいでしょうか?」
「はぁ……困ったものだ……」
そんな家族の行いを嘆くフレアだが、
「ふふふ、フレアさんにそっくりですね」
「ど、どういう意味だ!」
リーナの感想に納得がいかないようだ。
「トマスさん、ルース、どうしたら……」
「紳士たるもの、待つことも大事ですよ?」
「僕もそう思うよ……」
トマスさんに聞いたのだが、出来ることはないと言う。
ルースもその意見に合わせる。
「も、もうおしまい!」
サリアが胸を両手で覆い隠し、俺の後ろに隠れたことで事態は終わりを告げた。
「ふぅ……あら、お恥ずかしいところをみせてしまいましたわ……」
ホントだよ。
慎み深い奥様といった第一印象なんか吹っ飛んでいったわ。
「改めてラーカシア家にようこそ。勤務中のクレドに代わり皆様をお迎えいたします」
こうして快くフレア家に迎え入れられ、休暇を過ごすことになった。
楽しく過ごせることは間違いないだろう。
俺は用意されたスリッパへと履き替えながら、苦笑した。
一方、騎士団の本部では、
「書類作成が終わらんから帰れんではないか!」
「仕方ないでしょう?魔獣の報告書なんて久しぶりのことですからね。それも三頭です」
「事務作業はお前の仕事だろう!」
「サインは団長が書かないとダメなんですよ!」
「それなら報告書を書き終わってから呼べ!」
「部下が一生懸命に書いている間に帰宅するんですかぁ!?暇なら溜まっている決済のサインをしてください!」
「よし、今日からお前が団長だ!」
「よし、なら報告書を書け」
「クソォォォ!」
クレドと副団長が元気に言い争っていた。
様々な店によって活気ある雰囲気を作っている商店街を抜け、なだらかな坂の住宅街を登っていく。
石造りの歴史ある街並みは、ちょっとした涼しさを感じさせてくれる。
「はぁ……古都って感じだなぁ……」
「そうか?住んでみると意外と普通だぞ?」
「いえ、私には肩身が狭いですぅ……」
「わたしはおうちは木製がいい」
「僕はこういう雰囲気好きだけどな」
俺たちが感想を話し合っている間にも、何人かとすれ違った。
日傘を差した淑女といった女性や、立派な髭をたくわえた紳士といった人が多い。
すれ違う人々が上品さを漂わせているように見え、少し委縮してしまう。
田舎者に見られたりするのかな……
生まれで人を判断するような人の評価を気にすることはありません。
マスターは私をランクで判断しませんでした。
だからこそ、私はマスターに忠誠を誓っています。
卑屈になるのではなく、謙虚さを持っていけばいいのです。
……
どうかしましたか?
ファーナが、まともなこと言ってる……
私はいつも至極当然のことしか言ってませんが!?
ははは、冗談までうまくなって。
冗談じゃありません!
「着いたぞ。ここが私の家だ」
軽い疲れを感じ始めた頃、立派な三階建ての邸宅に到着した。
鉄柵に覆われ、その隙間からのぞく庭園には美しい花々が咲いている。
「綺麗で立派な家だな」
「ええ、お花がとっても綺麗です」」
「ありがとう。母上も喜ぶだろう」
門の壁には呼石があり、フレアはそこに手を当てる。
すると少ししてから、扉が開き、そこから一人の男性が現れた。
「トマスさん。ただいま戻りました」
「これはフレアお嬢様、お帰りなさいませ」
「「「「お嬢様?」」」」
「……なんだ?何か言いたいことがあるのか?」
い、いいか!笑ったら死ぬぞ!?
はい!我慢します!
いのちだいじ。
ギャ、ギャップが……
「ご学友の皆様、私はラーカシア家の執事を務めさせていただいておりますトマスと申します。どうぞお見知りおきを」
トマスさんは白くなった髪にメガネをかけ、優しそうに微笑んでいる。
「よ、よろしくお願いします」
礼をされたのだが、その動作があまりにも滑らかで少し戸惑ってしまった。
「では皆様お待ちですので、どうぞ中へ」
花が咲き誇る中庭を抜け、石畳を歩いて行く。
「奥様、フレアお嬢様たちのお帰りでございます」
「遠慮なくどうぞ」
そしていよいよ屋敷の中へ導かれるまま、お邪魔することになる。
「遠路はるばるお疲れ様でした。フレアの母のシャルネです」
「妹のマリーです!」
「改めまして、執事のトマス・バンクです」
「メイドのメリッサ・マキシアです」
シャルネさんは美しいブロンドのロングヘア、若々しく優しそうな微笑みを浮かべており、とても綺麗だ。
マリーちゃんは十歳くらいの元気一杯の女の子。
髪は母譲りの金髪を伸ばし、サイドで二つにまとめている。
なんとなくおてんばな感じがあるのだが、気のせいだろうか?
メリッサさんは二十を少し過ぎたくらいだろうか?
首ほどで揃えられた金髪がよく似合っており、笑顔で出迎えてくれた。
広い玄関にはフレアのご家族たちが並んでおり、丁寧な自己紹介をされる。
それを受け、俺も緊張しつつ自己紹介を行う。
「初めまして。私はカヒッと申します」
思いっきり噛んでしまった。
「あら?カヒさん?フレアの話ではカイさんと聞いていたのだけど……」
「ママ、お兄ちゃん噛んじゃっただけだよ?」
「そうなの?舌は大丈夫かしら?」
「お、お気遣いなく……」
まったく悪気ない優しさが辛い……
後ろを振り返ると、全員が満面の笑みを浮かべつつ笑いをこらえていた。
お前ら、頬がパンパンじゃねぇか……
「リ、リーナです。この度はお招きありがとうございます」
「ルースです。よろしくお願いいたします」
次にリーナが挨拶をし、それにルースが続く。
そしてサリアの順番になった。
「サリアです。よろしくお願いします」
ぷるん。
頭を下げ、身体を起こした際に胸が揺れる。
「わぁ!サリアちゃん!おっぱい大きい!いいなぁ!」
「そう?」
「うん!ママもお姉ちゃんもメリーもおっぱい小さいから羨ましいなぁ……私ももう諦めてるもん……」
マリーちゃんがとんでもないことを言いだした。
そのせいでフレア家の女性陣の顔が凍る。
「うぅ……ママのせいでごめんね……」
「マリー!母上に謝らんか!」
「だってお姉ちゃんもぺったんこじゃん!私の未来もこのままぺったんこに決まってるもん!」
「マリーお嬢様……なぜ私まで巻き込むのですか……」
初対面だというのに重苦しい空気が……
「ところでサリアちゃん、お胸をちょっと触らせてもらってもいいかしら?」
流れたと思ったが、復活したシャルネさんがサリアにハレンチなお願いをしている。
「う、うん……」
笑顔の圧を受け、断り切れなかったサリアは小さく肯く。
「それでは失礼いたします」
むにゅむにゅ。
「んっ……」
大胆にも両手で鷲掴みしやがった。
「こ、これは……素晴らしいですね……」
「ママずるい!私も!」
「あの……奥様、私もよろしいでしょうか?」
「はぁ……困ったものだ……」
そんな家族の行いを嘆くフレアだが、
「ふふふ、フレアさんにそっくりですね」
「ど、どういう意味だ!」
リーナの感想に納得がいかないようだ。
「トマスさん、ルース、どうしたら……」
「紳士たるもの、待つことも大事ですよ?」
「僕もそう思うよ……」
トマスさんに聞いたのだが、出来ることはないと言う。
ルースもその意見に合わせる。
「も、もうおしまい!」
サリアが胸を両手で覆い隠し、俺の後ろに隠れたことで事態は終わりを告げた。
「ふぅ……あら、お恥ずかしいところをみせてしまいましたわ……」
ホントだよ。
慎み深い奥様といった第一印象なんか吹っ飛んでいったわ。
「改めてラーカシア家にようこそ。勤務中のクレドに代わり皆様をお迎えいたします」
こうして快くフレア家に迎え入れられ、休暇を過ごすことになった。
楽しく過ごせることは間違いないだろう。
俺は用意されたスリッパへと履き替えながら、苦笑した。
一方、騎士団の本部では、
「書類作成が終わらんから帰れんではないか!」
「仕方ないでしょう?魔獣の報告書なんて久しぶりのことですからね。それも三頭です」
「事務作業はお前の仕事だろう!」
「サインは団長が書かないとダメなんですよ!」
「それなら報告書を書き終わってから呼べ!」
「部下が一生懸命に書いている間に帰宅するんですかぁ!?暇なら溜まっている決済のサインをしてください!」
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