召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

クリス先輩が到着しました!

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か、身体が痛い……

目覚めると身体の節々が痛む。
せっかくのふかふかベッドだが、電流でダメージを負った俺の身体を癒すことはできなかった。

少しだけ昨日の記憶が蘇ってくる。
俺とクレドさんが倉庫で悶えていると、風呂上がりのシャルネさんがやってきた。

「まったく、青少年を育成するのは騎士の職務でもあるでしょう?あなたは一体なにをしているのですか?」

「本当に申し訳ない……」

「そしてカイ君も、変な大人の言うことを聞いてはダメです」

「申し訳ありませんでした……」

「はい、しっかりと反省してください。しばらく経てば動けるようになるでしょうから、ゆっくりと頭を冷やしてくださいね」

まるで小さな子どものようなお説教されてしまい、精神的にも痛むものがある。
まぁ……優しいお姉さんに怒られるのも悪くはないものだったが。

「カイ……おはよ……」

反省の記憶を振り返っていると、寝ぼけまなこのルースが話しかけてくる。
こしこしと目をこすっている姿はまるで小動物のように見えて和んでしまう。

「ああ、おはよう」

寝起きのルース君……まるで天使のように可愛らしいですね……

うむ、まったくだ。

そんな朝のひと時をまったりと過ごしていると、

「どりゃぁぁぁぁぁぁ!」

全てをぶち壊していくような大声が窓から聞こえてきた。

「な、なんだぁ!?」

「何かあったのかな!?」

どうやらクレドの声のようですね。

あの大きな声は間違いないな。

俺が窓を開き、ルースと一緒に下をのぞき込む。

「おっと危ない危ない!お返しだよ!」

するとそこには木剣を持ったクレドさんとクリス先輩が、中庭で闘っている姿を見つけた。

「むぅ!鋭い一撃だ!ふははは!楽しませてくれる!」

あの二人、何してんの?
ていうか、なんでクリス先輩がここにいるんだ?

「クリス先輩!何してるんですか!?」

二人が距離をとったのを確認してから、声をかける。

「あっ!カイ君にルース君!来たよー!」

「二人ともおはよう!よく眠れたかな!」

手を振って答えるクリス先輩だが、質問の答えになってない。

「いくよ!せいやぁぁぁ!」

「かかってくるがいい!ふん!」

二人の木剣がぶつかり合い、闘いを再開させる。
このままでは埒が明かない。

「すぐに下に降りよう」

「うん、早く着替えないと!」

俺たちはパジャマからラフな私服に着替えると、そのまま部屋を出た。

「カイたちも起きたか!どうなっているのだ!?」

フレアもちょうど部屋から出てきたようで、廊下でばったりと出会う。

「分からん!他の二人は!?」

「サリアは寝てるし、リーナは寝癖を直している」

「そ、そうか……」

その頃の女子部屋はというと、

「すやぁ……」

「うぅ……髪がうまくまとまりません!」

サリアはスヤスヤと眠っており、リーナは鏡台の前で悪戦苦闘していた。

こんなうるさい状態でよく平気で寝ていられるな。
リーナも寝癖くらいいいと思うんだけど。

何を言っているんですか!
身だしなみは大事でしょう!
マスターも気を遣ってください!

ファーナの小言を聞き流しながら外に出ると、

「どっせぇぇぇい!」

ひときわうるさい声が聞こえてきた。

「これでどうだ!」

「それまでぇ!」

ピタッ。
俺の言葉に反応して二人の動きが止まる。

「少し物足りなくはあるが、良い勝負だった」

「ボクもとても楽しかったです!」

そしてお互いの健闘をたたえ合うと握手を交わした。

「父上にクリス先輩、どうして二人闘っていたのですか?」

「うむ、それはだな……」

フレアの質問にクレドさんはしみじみと振り返っていく。

「日課の朝の素振りをしていると、柵から我が家を覗き込んでくるクリス君がおってな」

「ボク、門の騎士さんにフレアちゃんのおうちの場所聞いたんだけど、ここで合ってるのか分からなくて困ってたんだ。それでおじさんに聞こうとしたんだよ。だけど……」

「うん?私が問われたのはおじさん強そうだね!って言葉だったが?」

「あはは……間違えちゃいました」

どうやったらそんな間違えができるのか。
はなはだ疑問である。

「それで私は強いぞと答えると、勝負を申し込まれたのだ!」

「そういうこと!」

申し込む方もそうだが、あっさりと受ける方も変人だ。

「当分滞在するのであろう?ならばいつでも剣を交えようではないか!」

「よろしくお願いします!」

すっかりと意気投合した二人は、爽やかな笑みを浮かべている。

「し、しかし……ずいぶんと早い到着ですね?てっきり午後くらいになると思ったんですが……」

「ユニユニで思いっきり飛ばしてきたからね!一時間くらいで着いちゃったよ!」

事もなげに言うクリス先輩だが、それって……

「学生の召喚獣の使役には許可がいるはずだが……?誰が許可をしたのかな?」

さっきまで笑っていたクレドさんの表情が鋭いものになっていく。

「あっはいこれ。学園からの許可証です」

「ならばよし!」

クリス先輩の出した名刺のようなものを一目見ると、クレドさんはあっさりと承認する。

「へぇ、そんな許可証があるんですね」

「うん!ボクも知らなかったんだけどゼルウェル先生が渡してくれたんだ!だから馬車を使わずに早く来れたってわけ!」

「そうだったんですか。待ってましたよ、クリス先輩」

「えへへ……お待たせ!」

こうして予想外に早く到着したクリス先輩を迎えることができた。
これからまた一段とにぎやかに、そして楽しくなっていくことは間違いないだろう。

節度は守るようにしてくださいね?

……わかってます。
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