【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!

文字の大きさ
6 / 16

第3話 言い逃れは出来ません(2)

しおりを挟む


 場所は、私たち貴族が通う学園の教室。
 昼下がりの木漏れ日が差し込む窓際に、5人の令嬢達の姿があった。

 部屋の外から中を覗くようなアングル。
 そんな映像の中で、彼女達は何やら密談を交わしていた。

「下民のくせに殿下に色目を使って……全く浅ましいったら」
「元が下民だから貴族の気品が皆無なのよ、見苦しい」
「いやぁねぇ? これだから下民は」
「やはり私たちが『教育』をしてあげなきゃぁ」

 侮蔑、憤慨、蔑み、嘲笑。
 そんな言葉のオンパレードだった。

 まるで貴族社会の縮図のようにも見えるが、それでも貴族達がソレに大きく揺れたのは、それに気が付いていないからなのか。
 それとも映された面子に驚いたのか。

 まぁ確かに彼女達は、普段は素敵な淑女ばかりだ。
 裏の顔を見て驚いたところで、別に何の不思議も無い。

「これで少しは自重するでしょう」
「そうかしら? 学習する頭をきちんと持ち合わせていれば良いけれど」

 だって、下民ですもの。
 そう言って、少女達はまたクスクスと笑い合う。

 そして。

「エリーゼ様、これはいかがしますか?」
「あぁソレは……確か死んだ母親から貰ったブローチだとか言ってましたわね」

 尋ねた方の手元が、陽の光を反射してきらりを光った。
 よく見れば、それはオレンジ色の石がはめ込まれた年代物のブローチだとすぐに判別できた。


 画面の中のエリーゼは、ほんの2秒の間だけソレを眺めた。
 そして、こう言い捨てる。

「目障りだからさっさと壊してしまいなさい」
「分かりました」

 サラリと残酷な事を告げたエリーゼに従い、1人の少女がソレを手の中に握り込み振りかぶる。

 
 その手が振り下ろされると同時に、パキッともパリンッとも聞こえる音が響いた。
 
 そしてそのすぐ後を、令嬢達の笑い声が追いかける。


 ――映像はここでプツリと途切れた。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】死に戻り8度目の伯爵令嬢は今度こそ破談を成功させたい!

雲井咲穂(くもいさほ)
恋愛
アンテリーゼ・フォン・マトヴァイユ伯爵令嬢は婚約式当日、婚約者の逢引を目撃し、動揺して婚約式の会場である螺旋階段から足を滑らせて後頭部を強打し不慮の死を遂げてしまう。 しかし、目が覚めると確かに死んだはずなのに婚約式の一週間前に時間が戻っている。混乱する中必死で記憶を蘇らせると、自分がこれまでに前回分含めて合計7回も婚約者と不貞相手が原因で死んでは生き返りを繰り返している事実を思い出す。 婚約者との結婚が「死」に直結することを知ったアンテリーゼは、今度は自分から婚約を破棄し自分を裏切った婚約者に社会的制裁を喰らわせ、婚約式というタイムリミットが迫る中、「死」を回避するために奔走する。 ーーーーーーーーー 2024/01/13 ランキング→恋愛95位 ありがとうございました! なろうでも掲載20万PVありがとうございましたっ!

婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします

たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。 荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。 「この猫に構うな。人間嫌いだから」 冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。 猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。

押しつけあう女たち~王子なんて熨斗を付けて差し上げます~

ロゼーナ
恋愛
今日も仲良く、悪役令嬢とヒロインは王子の婚約者の座を押し付け合う。 「ミーナさんったら、平民なだけあって考え方まで可愛らしいこと!殿下にお似合いじゃございませんこと?」 「とんでもない!フィオレンティーナ様のような崇高なお考えをお持ちの方こそ、未来の国母に相応しいです!」 四話完結でサクッと読める、「友情・努力・勝利」がテーマの婚約破棄モノです。ラブコメを目指しましたが、恋愛要素とざまあ要素はほぼ皆無です。 (本作は『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています)

婚約破棄された王太子妃候補は第一王子に気に入られたようです。

永野水貴
恋愛
侯爵令嬢エヴェリーナは未来の王太子妃として育てられたが、突然に婚約破棄された。 王太子は真に愛する女性と結婚したいというのだった。 その女性はエヴェリーナとは正反対で、エヴェリーナは影で貶められるようになる。 そんなある日、王太子の兄といわれる第一王子ジルベルトが現れる。 ジルベルトは王太子を上回る素質を持つと噂される人物で、なぜかエヴェリーナに興味を示し…? ※「小説家になろう」にも載せています

婚約破棄ですか? ならば国王に溺愛されている私が断罪致します。

久方
恋愛
「エミア・ローラン! お前との婚約を破棄する!」  煌びやかな舞踏会の真っ最中に突然、婚約破棄を言い渡されたエミア・ローラン。  その理由とやらが、とてつもなくしょうもない。  だったら良いでしょう。  私が綺麗に断罪して魅せますわ!  令嬢エミア・ローランの考えた秘策とは!?

悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~

糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」 「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」 第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。 皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する! 規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)

偽りの断罪、真実の愛~追放悪役令嬢は隣国の冷徹公爵(実は一途な狼)に娶られ、甘く蕩けるほど愛される~

放浪人
恋愛
侯爵令嬢エレオノーラは、長年婚約者であったエドワード王子から、夜会の席で突然の婚約破棄を告げられる。 「真実の愛を見つけた」と隣に可憐な男爵令嬢リリアナを伴う王子。 身に覚えのない罪状を次々と並べられ、「悪役令嬢」として断罪されるエレオノーラ。 しかし彼女は知っていた。これは全て、自分を陥れるための茶番劇であることを。 国外追放を言い渡され、全てを失ったかに見えたエレオノーラだったが、そんな彼女に手を差し伸べたのは、以前から彼女に注目していた隣国の若き公爵アレクシスだった。 冷徹と噂される彼だが、エレオノーラにだけは見せる顔があるようで…? 「お前の無実は、私が証明する。そして、必ずお前を私のものにする」 不遇の令嬢が、一途な男性からの強引なまでの寵愛を受け、やがて真実の愛に目覚める溺愛ラブストーリー。

わたくしが悪役令嬢だった理由

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、マリアンナ=ラ・トゥール公爵令嬢。悪役令嬢に転生しました。 どうやら前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したようだけど、知識を使っても死亡フラグは折れたり、折れなかったり……。 だから令嬢として真面目に真摯に生きていきますわ。 シリアスです。コメディーではありません。

処理中です...