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17話
しおりを挟む道具としてしか見られてらなかった。
その事実にマイケルは少しづつ怒りが湧いてきた。
「俺を、ずっと騙していたのか……!」
「はぁ?だったら何」
ララは悪びれもせずに答える。
マイケルは拳を握りしめる。
「俺はお前を信じていたんだぞ!やっと俺を見てくれる人が現れたって思ったのに……!」
「いきなり王族じゃないあなたでもいい、なんて言われて信じる方が悪いに決まってるでしょ。あんたに王族以外の価値なんてないんだから」
「っ!?」
面と向かって価値がない、と言われたマイケルはショックを受ける。
「はっ、何?逆に自分には価値があると思ってたわけ?仕事もしない。人望もない。王族だから威張り散らす。それで人に好かれるとでも思ってたの?」
「黙れ……!」
「考えが甘いのよ。人に好かれようとしてないくせに愛してくれる人が現れる、なんて下らない妄想よ。そんなんだから、私に利用されたのよ」
「黙れ!」
ララはケラケラと笑う。
マイケルは頭を振って現実逃避を始めた。
「使えないあんたが悪いんでしょ?私がどれだけ媚び売ってあげたと思ってんのよ。ほら、最後くらい誰かの役に立ったら?それがあんたに残った最後の価値よ」
「黙れ黙れ黙れっ!!!」
今まで下の立場だったララに見下され、自分に価値はないという事実をつきつけられたことで、マイケルのプライドはもうすでにズタズタになっていた。
そのため、マイケルは無意識的に防衛を行った。
それも耳を塞ぐという極めて幼稚なものだった。
現実逃避をしながらマイケルはどうして自分がこんな目に合うのか、と考える。
そして目の前のララに騙されたせいだ、と結論づけた。
その結論に至った瞬間、マイケルの中に突如として怒りが吹き出した。
「お前の……」
「は?」
「全部お前のせいなんだ!」
マイケルはララへと飛びかかった。
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