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6、衝動
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扉をノックしつつ、「僕だけど」と告げる。この部屋の主からはすぐに返事があった。
「珍しいわね、どうしたの?」
小首を傾げて尋ねる母に対し、樹生はこみ上げてくる不快さを必死で押し止めた。
単純に苦手だった。フレンドリーさ皆無の雰囲気は、わざと人を寄せつけないようにしているくらい刺々しい。息子ながら美人だと思うので、愛想よく微笑んでいたら周囲の受けもいいのに、と思うのだが。
「姉さんを見かけたんだけど。銀座で」
「あら、そうなの。銀座で飲んでいるんでしょうね」
「母さんはどういう用事で出かけているか知ってるんだ。まぁ、監視役をつけてるんだから知ってて当然なんだろうけど」
棘のある言い方をすれば、史乃は呆れたようなため息をついた。
「会社に忘れ物があったそうで、それを取りにくるよう連絡があったんですって。で、せっかく来るんだから総務課で食事にいこうという話になったそうよ」
「総務課?」
「ええ」
「……そう。姉さんの会社、社長って松阪和眞っていうんだよね?」
「そうよ。松阪グループの創業家の跡取り。まぁご本人、優秀だからそんな肩書なんて不要でしょうけどね」
樹生が「ふーん」と気のない返事をすれば、史乃はまた小首を傾げた。息子が訪ねてきた理由がわからない、と言いたげだ。
「今日は帰ってこないわよ。二次会に行っていると言うから、近くのホテルに泊まってくるよう伝えたわ」
「え? そうなの? 一人はいけないって散々言ってるくせに」
「……たまにはいいんじゃない? 会社の人は明日もお仕事だけど、璃桜さんに曜日は関係ないしね。ゆっくりしたらいいんじゃなくて?」
史乃がスッと視線を逸らした。それを見て樹生の目が大きく見開かれる。樹生は一度息を吸い、そこで止めて一拍置いてから吐き出した。
「そっか、帰ってこないなら仕方ないね。明日にするよ。ありがとう」
礼を言って部屋を出る際、ちらりと母を見遣れば、額に手を遣ってうなだれている様子だ。璃桜を監視していじめているくせになにを悩んでいる、と樹生は思ったが、無視して廊下を進んだ。
(母さんは勘づいているんだ、姉さんが松阪社長と会ってるの。前も同じ部屋に泊ることを許した。総務課の人の中に社長もいると踏んで、泊まってくることを許したんだ。それって朝まで一緒にいればいいってことだろ? どういうことだ? 半年後に結婚だってのに、こんなこと……)
そこまで考え、樹生はふと思いついた。我ながらありえない仮説とは思うけれど、これしかない。
(坂戸さんの件、母さんは賛成しているわけじゃないってことかもしれない。でなければ、まるでけしかけてるみたいな真似、しないはずだ。姉さんが他の男とデキてるなんて坂戸家に聞こえたら、大変なことになるんだから)
樹生は、でも、と奥歯を噛みしめた。
(あの母さんがそんなことわからずに動くわけがない。絶対確信犯だ。ってことは、マジで松阪社長との仲をけしかけてる?)
グッと拳を握り込むと、早足に二階の自室に戻る。そしてスマートフォンを取り出した。そしてメモアプリを展開すると、ニヤリと微笑んだ。
★
翌週月曜日の朝。樹生は八時という早い時間に和眞の携帯を鳴らした。向こうの画面には数字が並んでいるから、朝っぱらから一体誰だろうと思っているはずだ。そんな状況で和眞がどんな態度で電話に出るのか試したくて、わざわざこの時間にした。もっとも自分だって学校に行かなければならないので、長電話をする気はまったくないが。
しばらく待てばコール音が止まった。
『もしもし』
「松阪和眞さんの携帯でいいでしょうか?」
『ええ。失礼ですが、どちら様です?』
声に苛立ちは感じられない。この時間での電話に抵抗はないようだ。ビジネスで慣れているのかもしれない。
「銀座の地下駐車場でバイクに乗っていた者です」
『あ! 君、病院に行ったか!?』
反射的な反応で出た口調は好感を持てる。樹生は一つ息を吸い込んだ。
「行きました。あなたに話があります。お時間が欲しいです」
『後遺症とかあったのか?』
「いえ、健康にまったく損なった部分はありません。話とは僕のことじゃありません。申し遅れました、僕の名前は華原樹生といいます」
『……え?』
戸惑いの濃い声音に樹生の片側の口角が吊り上がった。
「華原璃桜の弟です」
『――――』
「いつなら時間、いただけますか?」
『ちょっと待って』
わずかな沈黙。相手がひどく驚いていることは容易に察することができる。
こんな偶然があるだろうか。樹生は自分にアドバンテージがあることを確信できて愉快だった。
(僕が本当に華原璃桜の弟かどうか確かめるほうが先かな?)
そんなことを考えていると、耳に届く音の様子が変わった。
『悪いけど、今日はどうしても時間が取れない。君、学生だよね? 夕方じゃないとダメだろ。明日なら七時半以降でなんとかなるんだけど、遅いかな?』
「それでいいです。明日、七時半にそちらの会社に行けばいいですか?」
『ここに来る? ホテルのロビーなんかでもいいけど』
「いい機会だから、姉が勤めていた会社を拝見したいと思います」
『もう辞めたけどね。じゃあ待ってる。七時半なら受付はいないから着いたら電話してくれ』
樹生は「わかりました」と答えて電話を切った。
★
火曜、十九時半。樹生はIFSSが入っているビルの前にいた。エントランスに入り、電話をかけると和眞はエレベーターでフロアまで上がってくるように指示した。それに従って指定の階で降りれば、目の前に和眞が立っていた。
「ようこそ、いらっしゃい。こっちにどうぞ」
スラリと背が高く、スーツがよく似合っている。精悍な顔立ちでさぞや女にモテるだろうと思った。
ネットで検索すればすぐに出てきた。青年実業家ということで、テレビや経済雑誌によく出ているらしく、画像も多かった。
(姉さん、こいつに惚れてるのか)
璃桜が社長の人柄や実績が理由で会社に応募し、就職したことは聞いている。だが興味がなかったので、その社長の名前や顔なんて知らなかった。しかしながら、今こうやって本人を見てみれば、単に辣腕の若手起業家だから就職を望んだとは思いにくい。
ネットの記事では、この男がずいぶんな遊び人であることもわかった。特定の恋人を作らず、花に舞う蝶のように女を乗り換えるそうだ。そんな不誠実な男に半分とはいえ血のつながった姉が惚れているとは思いたくないが、婚約しているなら逆に火遊びをしたって話は拗れないと考えても不思議ではない。
樹生にとって璃桜はどうにも気持ちの整理がつかない面倒な存在だった。
父を誑かしただけはでなく、いまだに家に居ついている厚顔無恥な女の娘。なんだかいつも浮かない顔をして陰気で、見ているとイライラするのが、実母と継母の板挟みの状態で、家のために政治家の息子との結婚を受け入れようとしている。
勝手にしろと言いたいのだが、璃桜の結婚は回りまわって将来自分に影響してくる。自分は腹違いの姉の犠牲によって利益を享受するのだ。それを考えると、たまらなく腹が立つ。そんなものは不要だと叫びたくなる。
そして――
(個人の幸福を追求しろよ。なんで会社のために個人が犠牲にならなきゃいけないんだ。今の時代、好きでもない相手となんか結婚することはないんだ。こんな縁談、潰してやる。それに)
樹生は和眞の後ろに続いて進む。応接室に案内され、ソファに座るように促された。本人は着ていたスーツのジャケットを脱ぎ、脇に置いている。
(絶好のカードを手に入れた。これを利用しない手はない)
膝の上に乗せた拳を握り込む。
「間に合ってよかった。クライアントの会社で打ち合わせをしていてね。今、戻ってきたところなんだ。あー、リラックスさせてもらってもいいかな」
「もちろんです。どうぞ」
「悪いね」
言うと和眞はネクタイの結び目に指を入れて緩めると、解いてジャケットの上に重ねた。そんな仕草でさえ絵になっていて、同性の樹生が見てもかっこいいと思う。
「なにか飲む? 自販機のドリンクになるけど」
「いいえ、長居はしませんので」
「そう? 俺はミネラルウォーターを飲ませてもらうよ。会議でしゃべりまくって喉がカラカラなんだ」
「じゃあ、すみません、僕も」
「オッケー。ちょっと待ってて」
樹生は応接室を出ていく和眞の広い背を見送った。
「珍しいわね、どうしたの?」
小首を傾げて尋ねる母に対し、樹生はこみ上げてくる不快さを必死で押し止めた。
単純に苦手だった。フレンドリーさ皆無の雰囲気は、わざと人を寄せつけないようにしているくらい刺々しい。息子ながら美人だと思うので、愛想よく微笑んでいたら周囲の受けもいいのに、と思うのだが。
「姉さんを見かけたんだけど。銀座で」
「あら、そうなの。銀座で飲んでいるんでしょうね」
「母さんはどういう用事で出かけているか知ってるんだ。まぁ、監視役をつけてるんだから知ってて当然なんだろうけど」
棘のある言い方をすれば、史乃は呆れたようなため息をついた。
「会社に忘れ物があったそうで、それを取りにくるよう連絡があったんですって。で、せっかく来るんだから総務課で食事にいこうという話になったそうよ」
「総務課?」
「ええ」
「……そう。姉さんの会社、社長って松阪和眞っていうんだよね?」
「そうよ。松阪グループの創業家の跡取り。まぁご本人、優秀だからそんな肩書なんて不要でしょうけどね」
樹生が「ふーん」と気のない返事をすれば、史乃はまた小首を傾げた。息子が訪ねてきた理由がわからない、と言いたげだ。
「今日は帰ってこないわよ。二次会に行っていると言うから、近くのホテルに泊まってくるよう伝えたわ」
「え? そうなの? 一人はいけないって散々言ってるくせに」
「……たまにはいいんじゃない? 会社の人は明日もお仕事だけど、璃桜さんに曜日は関係ないしね。ゆっくりしたらいいんじゃなくて?」
史乃がスッと視線を逸らした。それを見て樹生の目が大きく見開かれる。樹生は一度息を吸い、そこで止めて一拍置いてから吐き出した。
「そっか、帰ってこないなら仕方ないね。明日にするよ。ありがとう」
礼を言って部屋を出る際、ちらりと母を見遣れば、額に手を遣ってうなだれている様子だ。璃桜を監視していじめているくせになにを悩んでいる、と樹生は思ったが、無視して廊下を進んだ。
(母さんは勘づいているんだ、姉さんが松阪社長と会ってるの。前も同じ部屋に泊ることを許した。総務課の人の中に社長もいると踏んで、泊まってくることを許したんだ。それって朝まで一緒にいればいいってことだろ? どういうことだ? 半年後に結婚だってのに、こんなこと……)
そこまで考え、樹生はふと思いついた。我ながらありえない仮説とは思うけれど、これしかない。
(坂戸さんの件、母さんは賛成しているわけじゃないってことかもしれない。でなければ、まるでけしかけてるみたいな真似、しないはずだ。姉さんが他の男とデキてるなんて坂戸家に聞こえたら、大変なことになるんだから)
樹生は、でも、と奥歯を噛みしめた。
(あの母さんがそんなことわからずに動くわけがない。絶対確信犯だ。ってことは、マジで松阪社長との仲をけしかけてる?)
グッと拳を握り込むと、早足に二階の自室に戻る。そしてスマートフォンを取り出した。そしてメモアプリを展開すると、ニヤリと微笑んだ。
★
翌週月曜日の朝。樹生は八時という早い時間に和眞の携帯を鳴らした。向こうの画面には数字が並んでいるから、朝っぱらから一体誰だろうと思っているはずだ。そんな状況で和眞がどんな態度で電話に出るのか試したくて、わざわざこの時間にした。もっとも自分だって学校に行かなければならないので、長電話をする気はまったくないが。
しばらく待てばコール音が止まった。
『もしもし』
「松阪和眞さんの携帯でいいでしょうか?」
『ええ。失礼ですが、どちら様です?』
声に苛立ちは感じられない。この時間での電話に抵抗はないようだ。ビジネスで慣れているのかもしれない。
「銀座の地下駐車場でバイクに乗っていた者です」
『あ! 君、病院に行ったか!?』
反射的な反応で出た口調は好感を持てる。樹生は一つ息を吸い込んだ。
「行きました。あなたに話があります。お時間が欲しいです」
『後遺症とかあったのか?』
「いえ、健康にまったく損なった部分はありません。話とは僕のことじゃありません。申し遅れました、僕の名前は華原樹生といいます」
『……え?』
戸惑いの濃い声音に樹生の片側の口角が吊り上がった。
「華原璃桜の弟です」
『――――』
「いつなら時間、いただけますか?」
『ちょっと待って』
わずかな沈黙。相手がひどく驚いていることは容易に察することができる。
こんな偶然があるだろうか。樹生は自分にアドバンテージがあることを確信できて愉快だった。
(僕が本当に華原璃桜の弟かどうか確かめるほうが先かな?)
そんなことを考えていると、耳に届く音の様子が変わった。
『悪いけど、今日はどうしても時間が取れない。君、学生だよね? 夕方じゃないとダメだろ。明日なら七時半以降でなんとかなるんだけど、遅いかな?』
「それでいいです。明日、七時半にそちらの会社に行けばいいですか?」
『ここに来る? ホテルのロビーなんかでもいいけど』
「いい機会だから、姉が勤めていた会社を拝見したいと思います」
『もう辞めたけどね。じゃあ待ってる。七時半なら受付はいないから着いたら電話してくれ』
樹生は「わかりました」と答えて電話を切った。
★
火曜、十九時半。樹生はIFSSが入っているビルの前にいた。エントランスに入り、電話をかけると和眞はエレベーターでフロアまで上がってくるように指示した。それに従って指定の階で降りれば、目の前に和眞が立っていた。
「ようこそ、いらっしゃい。こっちにどうぞ」
スラリと背が高く、スーツがよく似合っている。精悍な顔立ちでさぞや女にモテるだろうと思った。
ネットで検索すればすぐに出てきた。青年実業家ということで、テレビや経済雑誌によく出ているらしく、画像も多かった。
(姉さん、こいつに惚れてるのか)
璃桜が社長の人柄や実績が理由で会社に応募し、就職したことは聞いている。だが興味がなかったので、その社長の名前や顔なんて知らなかった。しかしながら、今こうやって本人を見てみれば、単に辣腕の若手起業家だから就職を望んだとは思いにくい。
ネットの記事では、この男がずいぶんな遊び人であることもわかった。特定の恋人を作らず、花に舞う蝶のように女を乗り換えるそうだ。そんな不誠実な男に半分とはいえ血のつながった姉が惚れているとは思いたくないが、婚約しているなら逆に火遊びをしたって話は拗れないと考えても不思議ではない。
樹生にとって璃桜はどうにも気持ちの整理がつかない面倒な存在だった。
父を誑かしただけはでなく、いまだに家に居ついている厚顔無恥な女の娘。なんだかいつも浮かない顔をして陰気で、見ているとイライラするのが、実母と継母の板挟みの状態で、家のために政治家の息子との結婚を受け入れようとしている。
勝手にしろと言いたいのだが、璃桜の結婚は回りまわって将来自分に影響してくる。自分は腹違いの姉の犠牲によって利益を享受するのだ。それを考えると、たまらなく腹が立つ。そんなものは不要だと叫びたくなる。
そして――
(個人の幸福を追求しろよ。なんで会社のために個人が犠牲にならなきゃいけないんだ。今の時代、好きでもない相手となんか結婚することはないんだ。こんな縁談、潰してやる。それに)
樹生は和眞の後ろに続いて進む。応接室に案内され、ソファに座るように促された。本人は着ていたスーツのジャケットを脱ぎ、脇に置いている。
(絶好のカードを手に入れた。これを利用しない手はない)
膝の上に乗せた拳を握り込む。
「間に合ってよかった。クライアントの会社で打ち合わせをしていてね。今、戻ってきたところなんだ。あー、リラックスさせてもらってもいいかな」
「もちろんです。どうぞ」
「悪いね」
言うと和眞はネクタイの結び目に指を入れて緩めると、解いてジャケットの上に重ねた。そんな仕草でさえ絵になっていて、同性の樹生が見てもかっこいいと思う。
「なにか飲む? 自販機のドリンクになるけど」
「いいえ、長居はしませんので」
「そう? 俺はミネラルウォーターを飲ませてもらうよ。会議でしゃべりまくって喉がカラカラなんだ」
「じゃあ、すみません、僕も」
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