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第1章 新しい世界
16 謁見
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大変賑わった祝祭から数日経ったある日――。
シェフィールド侯爵邸の二階客室。
そこにはいつものように来訪した殿下がおり、椅子に姿勢正しく腰かけ、用意された紅茶入りのカップを優雅な仕草で口にしていた。
私は彼の向かいに座り暫くその様子を見ていたが、やっぱりこうしていると殿下って絵になるな、何て事を一人で考えていたのだった。
「実はな父上がエルに会いたいと言っていてな。悪いが近々城へ来てはくれないだろうか?」
今日は何の話かな?何て呑気な事を思っていると、とんでもない言葉が殿下の口からついて出て、私は驚いて殿下の顔を失礼なくらいガン見してしまった。
紅茶を飲んでいたら危うく噴き出すところだったかも……。
殿下と私の二人しか今は部屋にはいないけれど、もしこの場にルカがいたらもっと大変な事になってただろう。
そうは思いつつも私は一つ咳払いをすると、なるべく笑顔を意識しながら殿下にもう一度確認する。
「私が王城へ…国王陛下に謁見をと言う事で宜しいでしょうか?」
「そうだ。エルが来てくれたら父上も喜ぶ」
私の気苦労など全く無視して、殿下はそれはそれは爽やかな笑みを返した。全く悪気がないのが痛いところだ。
まあそれはもう今に始まった事ではないので目を瞑るとして…。でもどうして私なんだろう?
確かに私は侯爵家の娘ではあるけれど、お忙しい国王陛下が態々お時間を割いて私に会いたがる理由が正直分からない。
殿下と親しくして頂いているからとか?うーん…それだけで会いたいなんて思うのかな?
けれど国王陛下から直接の申し出ともなれば断る事も出来ない。
頭を悩ませるが、結局いくら考えても納得できる理由も分からず、しかしそこで父様にこの事を伝えたら相談に乗って貰えるのでは?と閃く。
「……えっと、一度父様に話を――」
「それは大丈夫だ。もう話は通してあるからな」
しかしそれは殿下の一言に遮られ、私の閃きは見事に砕け散ったのだった。
手が早い……!そう言うところだけは本当抜け目がないんだから。
「えっと、では父様はこの件を了承したと言う事ですか?」
「そうだな。まあ渋々のようだったが」
ああ、その時の父様の様子が簡単に目に浮かぶ。
それにしても謁見か……。正直気が重い。
殿下とは同年の男の子という事もある為、こうして気軽に接せるようになったけれども、今回のお相手は国王陛下。オルデシア王国で一番偉い人。
そんなのは分かり切っている事実だけど、それでもそんな方に面と向かって謁見をするのを想像したら……。
確かに会ってみたいなんて、陛下に言葉を頂いた事自体は嬉しいし凄く光栄な事だけど、私のような小娘と何を話すというのか。
もしかして会ってみたいというのは建前で、何か怒られるとか?祝祭の前に熱を出して倒れて、その挙句殿下にまでご迷惑をかけてしまった事を呼び出して追及するとか…?
最後のは一番考えたくないが、ありえなくもないのが怖い。それに考えれば考える程、悪い方へと思考が傾いていってしまう。
「私も同席するから大丈夫だ」
「殿下……」
何が大丈夫なのか全くもって分からないが、腕を組み堂々と胸を張るその姿に、私は呆れを通り越して尊敬してしまいそうだった。内心頭を抱える私に気づいたのか単なる気遣いなのか、それも分からないが。
けれどこうした裏表ない性格の殿下の言葉だからこそ、助けられる時は確かにあった。今も何気なく言ったのかもしれないが、一人で心細いところ友人である殿下が話の場に一緒に来てくれるというのは、私としてもとても有難い申し出だったのだ。
張っていた肩の力も多少は抜ける。
そんな私の気持ちなんて全く察していない様子の殿下。「ではまた来る」とそれだけを言い残し、また早々に屋敷を去って行き、その後ろ姿を私は複雑な気持ちのまま見送ったのだった。
それから程なくして謁見の日にちを知らせる連絡が届き、それからはあっという間だった。
そんなこんなで数日後、とうとう謁見の日を迎える。
「今日は一段と綺麗だな、エル」
王城へと到着し、馬車から降りる私に声が掛かる。見ればいつもより更に凛々しく正装をした殿下の姿。
そして普段の服装とは違い、フリルの少ないドレスを身に纏った私の姿を捉えた殿下の一言目がそれだった。
完璧なまでの美に圧倒されるが、その口調がいつも通りなせいもあり、少し安心してしまった事は本人には絶対に内緒だ。
「殿下の方こそ一段と凛々しいです」
「そうか」
私もお世辞なしで率直な感想を述べる。それに彼はそっけなさそうに返すが、本当は嬉しいのだという事は一目瞭然。顔に書いてあるよ。
しかし私の後ろに立つルカを捉えた瞬間、その綺麗な顔があからさまに不快感を示し、それに私は苦笑する。
こうも分かりやすいと、ね。
「お前も付いて来たのか」
「僕はエル様の従者ですからね」
殿下の皮肉にも取れるそれに、ルカは柔和な笑みで淡々と冷静に言葉を返す。が、その目は一ミリも笑っていない。
しかしそれが癪に触ってしまったのか、殿下は更に不満そうな顔をするとじとっとルカを見ていた。
…もう、なんでこの二人は会う度お互いを敵対視するんだか……。
二人のやり取りを直ぐ傍で見ていた私は途方に暮れた。
「まあ良い。
だが時間だ。エル、では行くぞ」
「は、はいっ」
いつまで続くのかと思っていた言い争いは、意外にも殿下が引き下がった事もありあっさりと終わりを告げる。私はその殿下の声に意識を戻すと、改めて気を引き締めた。
「エル様、行ってらっしゃいませ」
「ありがとうございます、ルカ。行って来ます」
後ろから私の事を案ずる声が掛かり、私はそれに振り返ってそれから元気良く告げる。
今回ルカは馬車で待機する事になっており、王城の中までは付いて来ない為ここで暫しのお別れとなる。
殿下が一緒と言ってもやはり不安が全て拭えたと言うわけでもなく、だからと言っていつまでもこの場に留まっているわけにもいかず、私はぐっと拳を握りしめると真っすぐに前を見る。そして堂々と前を歩く殿下の背中を追いかけて、王城へとその足を踏み入れたのだった。
広々とした長い廊下を緊張の面持ちで進んでいると、目の先にいかにもな扉が見えてきて、ついに来たかと今から勝負を挑みに行くような気持ちになる。
更には両脇に衛兵がおり、扉を厳重な警備体制で守っているが、その光景はもう見慣れているのだろう殿下は、スタスタと軽い足取りで気にした様子もなく扉に近づいて行った。
扉の前まで辿り着くと殿下が静かに呟く。
「開けてくれ」
「はっ」
殿下の言葉に衛兵は直ぐに返事をすると、その重そうな扉を二人掛かりで開けてくれる。そして開いた扉の中へ殿下に続き私も入って行った。
足を踏み入れると室内の思った以上の広大さと絢爛さに圧倒される。流石王城だと納得だ。我がシェフィールド侯爵邸も広大ではあるがここには負ける。
しかも床には漫画とかでしか見た事がないレッドカーペットが敷かれていて、セレブになったような気分になる。(実際侯爵家の令嬢なわけだが)
つい心が躍ってしまったのだった。
「よく来たな」
その時、奥の方から男性の低く、しかし良く通る声が室内に響き渡る。
その声に私が視線を上げると、階段を挟んだその先の玉座に掛けている一人の男性の姿が目に入った。間違いなくあの方が国王陛下。
私の想像よりも若い見た目をした彼は、親しみやすそうな柔和な笑みを浮かべていた。
そして更にその隣に目を向けると、もう一人女性が腰かけていた。濃い緑のドレスを纏うその美しい女性は……王妃様っ!
「父上、連れて参りました」
驚く私をよそに殿下は一歩前に出て陛下に頭を下げる。その様子を後ろから見守っていたところ、突然陛下が笑い出した。
…えっ?何!?
陛下の様子に私の頭は混乱を極める。
…私は何か粗相をしでかした?なんて事を考えてしまう始末。
「そんなに固くならなくて良い。もっと肩の力を抜きなさい」
「え……」
私の想像の斜め上をいく陛下のお言葉に目を見開く。そんな私の事を陛下は未だ優し気に見ていた。
「それで君がアルフレッドの友人だと言うエルシア嬢だね」
そう問われ、私はまだ名乗りもしていなかった事に思い至り、緊張しながらも慌てて名乗った。
「は、はい。シェフィールド侯爵の娘、エルシアと申します」
「ふふふ。可愛らしいな。
私は国王のアレクセイ・オルデシアだ。そして隣に居るのが王妃、私の妻のサーラだ。宜しくなエルシア嬢」
「はい…っ!」
たどたどしい私の自己紹介にも嫌な顔一つせず、陛下から紹介された王妃様も人当たりの良い美しい笑みを向けてくれる。その優しさに緊張が解けていく。
そして漸く落ち着いたところで改めてお二人の姿を拝見する。そこで思わず陛下お若いっ!って心の中で即突っ込んでいたのだった。
端正な顔立ちなのは勿論の事、二十代と言われても納得できる程若く見え、それは彼だけでなく隣に掛ける王妃様にも言える事だった。
「今回君を呼んだのは少し話がしたかったからだ。息子のアルフレッドからは良く話を聞いていてね。アルフレッドに友人が出来たと話を聞いてからずっと会ってみたいと思っていたが、私も忙しい身、中々機会がなくてな」
陛下は申し訳ないと眉を下げ、それからまた笑みを戻すと言葉を続ける。
「今日、漸くこの場を借りて君と話す機会が出来た。申し出に応じてくれて感謝するよ」
「いえ。このような場を私に与えて下さった国王陛下に感謝致します」
「そんなに丁寧にならなくて良い。エルシア嬢は真面目なのだな」
陛下の言葉に次の句を紡げないでいると、陛下はまた声を出して笑う。それに流石に恥ずかしくなり、肩身が狭い思いになる。
「君のような可愛らしい女性が息子の友人になってくれて私は嬉しい。先日祝祭での舞を見させてもらったが、本当に美しかった。アメリア嬢とエルシア嬢に観客だけでなく私も目を奪わたものだ。あの時は声を掛ける事が出来なかったが、やはり私の目に狂いはなかった。今日こうして君と会って確信した」
そう言って陛下は殿下に目を向けると嬉しそうに笑む。その眼差しは国王としてではなく、一人の父親として息子へと向けられたものだと分かる。
「お褒めに預かり光栄です」
陛下からの称賛の数々に、私は恥ずかしさを滲ませつつも、感謝の意を込め一言言葉を述べた。陛下の言葉に嬉しさが募り、自然と顔が綻んだ。
「これからも息子と仲良くしてやってほしい」
「私からもお願いするわ」
陛下がそう告げるとそれに続き、王妃様も口を開く。
「はい!」
陛下だけでなく王妃様からもそうお願いをされ、私は間髪入れずにそう返事を返したのだった。
「ところで、ディランは元気にしているか?」
堅苦しい話は止めようと陛下自らの申し出で、次の話題の矛先がどうやら私の父へと向いてしまったらしい。
先日の祝祭の時一言も会話が交わせなかったのだと、まるで友達と話せなくて拗ねている子供のように見えてしまい、失礼ながらも可愛いななんて思ってしまった。
「はい。仕事が忙しいようですが、時間がある時は家族で過ごしています。ちょっとした事から世間話など、時には陛下の事も話に聞きますよ」
そう話すと微笑ましそうに聞いてくれていた陛下の表情が、途中から興味深そうなものへと変わる。悪戯心が芽生えたと言わんばかりに眉を上げている。
「ディランは私の事をなんて話しているんだい?」
そう問われてからあれ、間違えたかな…と背中に冷たいものが走った。
いや、でも、父様が言っていた事だし……まあいっか。と最終的に考えるのを放棄し、私は笑顔で口を開いた。
「父様は不満を良く口にしていました。父様曰く、押し付けられる仕事の量が多すぎる、と。私も家族といる時間がもっと欲しいのだとも零していました」
父様の最早愚痴を素直に陛下に伝えると、笑みはそのままだが段々と陛下の周りの温度が下がっていった。
その内に秘めたものは、この場にはいない父様に向けられている。けれど流石にこれは肝が冷えた。
「そうか、なるほどな。あいつがそんな事をな……」
喋ってしまったのでもう遅いが、陛下を前に嘘はつけないので。
父様ごめんなさい。とせめてもの気持ちを持って心の中で謝罪を送ったのだった。
けれど陛下と父様は友人、それも親友なんだよね。陛下の様子を見ていればそれが良く分かる。だから本当の意味で怒っているわけでない事も分かった。
きっと二人きりになった途端に軽口を叩き合うのだろうな、と楽しそうな二人を想像してしまい、思わず笑みが零れた。
「あいつめ。今度会ったら倍の仕事をくれてやろう。全く余計な事を言ってくれたものだ」
悪い顔をする陛下に私は父様、ご愁傷さまです、と心の中で呟く。
「陛下。独り言はそれ位にして下さいね。エルシアが困っているわ」
そこへ沈黙を貫いていた王妃様が横から口を挟んだ。困った人ね、と笑いながら。
「ああ、すまない。ついな」
されど王妃様の言葉は効果覿面だったようで、陛下は苦笑いを浮かべ、それを見た王妃様はまた微笑む。
「ごめんなさいね、エルシア。陛下はディランの事となるといつもこうなの」
困ったわと肩を竦める王妃様。仲睦まじいその様子に私まで絆されそうになってしまった。
しかしこうして改めて見ると、お二方共に美形で目を奪われる程の美貌をお持ちだ。
金髪に夕焼けのようなオレンジレッドの瞳の陛下と、対比するような深碧の髪にライム色の瞳をした王妃様。
そのお二方の容姿を引き継いだ殿下にもやはりその面影が見て取れる。
陛下の幼少期と今の殿下、そっくりだったりして。なんてね。
「話がそれて悪かったな。あまり長くなっても悪い。そろそろ終わりにしようか。
改めてエルシア嬢、今日話が出来て良かった。私も安心したよ」
「え?それはどういう――」
陛下の意味深な言い方に少々疑問が生まれ首を傾げるが、彼は悪戯っぽく笑みを浮かべるだけで、納得のいく答えは貰えなかった。それを見ていた王妃様が言葉を重ねるように言う。
「私も安心しましたよエルシア。
ふふ、陛下の仰る言葉の意味は時期に分かる時が来るわ。だから焦らないで」
王妃様の言葉にしかし私は更に首を傾げる事となるが、それでも彼女も同じくそれ以上何も言わなかった。
けれどお二方がこれ以上言う事がない、という事ならば私はもう何も言えない。気にはなるが、この話はここまでのようだ。
「分かりました。いつか分かるというのなら、その時まで楽しみにしておこうと思います。
では私はこれで失礼致します。本日はお時間を頂きありがとうございました」
私は丁寧に最後の挨拶を済ませ、それから少し離れて立つ殿下の元へと向かった。
その後、謁見の間を後にした私は、殿下に伴われて広い廊下を歩いていた。
「殿下、見送りは大丈夫ですよ?馬車ではルカも待っていますし」
私が謁見を終えて出て行くなり、見送ると言って聞かない殿下。けれど態々見送りをして貰うのも申し訳なく思ってしまう。
殿下にしては珍しく謁見中終始静かだったが、けれどその場に付いて来てくれただけで私は嬉しかった。それなのにこれ以上彼に迷惑をかける訳には……。
「見送りくらいはさせてくれ。呼んだのはこちらだ。それにこうして来てもらったんだからな」
「すみません。ありがとうございます」
それでも見送るのだと言い切る殿下に、私は折れるしかなかった。そこまで言われては断り切れない。
「謝らなくて良い。それよりも父上と母上と普段通り話せていたな。何かあれば助けるつもりだったが、その必要もなかったようだな」
そう言って髪がくしゃくしゃにならない絶妙な加減で頭を撫でられる。それに一瞬驚きつつも私は口を開いた。
「いえ、緊張してましたよ。あんなに話せたのはお二人のお気遣いのお陰です」
「そうか。しかし今のエルはとても嬉しそうだ」
「そうですね。陛下と王妃様とこうしてゆっくり言葉を交わせた事は嬉しいですし、一時であっても楽しい時間でした」
「それは良かった」
そう言うと殿下は何故か心底良かったと言うような安心しきった顔をするのだった。
「エル様、お戻りになられましたか」
会話をしながら歩いていると、いつの間にかルカの待つ馬車へと戻って来ていたらしい。私の姿を捉えてルカが声を掛けてくる。
「只今戻りました」
「ふふ、何か良い事があったようですね、エル様。
ですがそれは屋敷に戻ってからに致しましょう」
さあ帰りますよ、と言うルカに私は頷くと、今一度見送りをしてくれた殿下へ向き直る。
「また遊びに訪れても良いですか?」
遊びになんて本当はいけないのだが、殿下が遊びに来た、と良くシェフィールド侯爵邸を訪ねて来るものだから、つい私もそれを真似してみたくなってしまったのだ。
「いつでも良いぞ。待っている」
けれどそんな半分冗談の言葉を殿下はそのまま受け取ってしまったらしく、とても満足そうな顔で頷いて見せる。
結局聞いた私の方が面食らう羽目となったが、それでも嫌な気はせず寧ろ嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「ありがとうございます。また来ます」
だから私もそう返した。
それに殿下は笑い手を振ってくれて、私もそれに振り返す。
そして名残惜しくも時間となり、私はルカに促され馬車に乗り込むと、今度こそ王城を後にしたのだった。
シェフィールド侯爵邸の二階客室。
そこにはいつものように来訪した殿下がおり、椅子に姿勢正しく腰かけ、用意された紅茶入りのカップを優雅な仕草で口にしていた。
私は彼の向かいに座り暫くその様子を見ていたが、やっぱりこうしていると殿下って絵になるな、何て事を一人で考えていたのだった。
「実はな父上がエルに会いたいと言っていてな。悪いが近々城へ来てはくれないだろうか?」
今日は何の話かな?何て呑気な事を思っていると、とんでもない言葉が殿下の口からついて出て、私は驚いて殿下の顔を失礼なくらいガン見してしまった。
紅茶を飲んでいたら危うく噴き出すところだったかも……。
殿下と私の二人しか今は部屋にはいないけれど、もしこの場にルカがいたらもっと大変な事になってただろう。
そうは思いつつも私は一つ咳払いをすると、なるべく笑顔を意識しながら殿下にもう一度確認する。
「私が王城へ…国王陛下に謁見をと言う事で宜しいでしょうか?」
「そうだ。エルが来てくれたら父上も喜ぶ」
私の気苦労など全く無視して、殿下はそれはそれは爽やかな笑みを返した。全く悪気がないのが痛いところだ。
まあそれはもう今に始まった事ではないので目を瞑るとして…。でもどうして私なんだろう?
確かに私は侯爵家の娘ではあるけれど、お忙しい国王陛下が態々お時間を割いて私に会いたがる理由が正直分からない。
殿下と親しくして頂いているからとか?うーん…それだけで会いたいなんて思うのかな?
けれど国王陛下から直接の申し出ともなれば断る事も出来ない。
頭を悩ませるが、結局いくら考えても納得できる理由も分からず、しかしそこで父様にこの事を伝えたら相談に乗って貰えるのでは?と閃く。
「……えっと、一度父様に話を――」
「それは大丈夫だ。もう話は通してあるからな」
しかしそれは殿下の一言に遮られ、私の閃きは見事に砕け散ったのだった。
手が早い……!そう言うところだけは本当抜け目がないんだから。
「えっと、では父様はこの件を了承したと言う事ですか?」
「そうだな。まあ渋々のようだったが」
ああ、その時の父様の様子が簡単に目に浮かぶ。
それにしても謁見か……。正直気が重い。
殿下とは同年の男の子という事もある為、こうして気軽に接せるようになったけれども、今回のお相手は国王陛下。オルデシア王国で一番偉い人。
そんなのは分かり切っている事実だけど、それでもそんな方に面と向かって謁見をするのを想像したら……。
確かに会ってみたいなんて、陛下に言葉を頂いた事自体は嬉しいし凄く光栄な事だけど、私のような小娘と何を話すというのか。
もしかして会ってみたいというのは建前で、何か怒られるとか?祝祭の前に熱を出して倒れて、その挙句殿下にまでご迷惑をかけてしまった事を呼び出して追及するとか…?
最後のは一番考えたくないが、ありえなくもないのが怖い。それに考えれば考える程、悪い方へと思考が傾いていってしまう。
「私も同席するから大丈夫だ」
「殿下……」
何が大丈夫なのか全くもって分からないが、腕を組み堂々と胸を張るその姿に、私は呆れを通り越して尊敬してしまいそうだった。内心頭を抱える私に気づいたのか単なる気遣いなのか、それも分からないが。
けれどこうした裏表ない性格の殿下の言葉だからこそ、助けられる時は確かにあった。今も何気なく言ったのかもしれないが、一人で心細いところ友人である殿下が話の場に一緒に来てくれるというのは、私としてもとても有難い申し出だったのだ。
張っていた肩の力も多少は抜ける。
そんな私の気持ちなんて全く察していない様子の殿下。「ではまた来る」とそれだけを言い残し、また早々に屋敷を去って行き、その後ろ姿を私は複雑な気持ちのまま見送ったのだった。
それから程なくして謁見の日にちを知らせる連絡が届き、それからはあっという間だった。
そんなこんなで数日後、とうとう謁見の日を迎える。
「今日は一段と綺麗だな、エル」
王城へと到着し、馬車から降りる私に声が掛かる。見ればいつもより更に凛々しく正装をした殿下の姿。
そして普段の服装とは違い、フリルの少ないドレスを身に纏った私の姿を捉えた殿下の一言目がそれだった。
完璧なまでの美に圧倒されるが、その口調がいつも通りなせいもあり、少し安心してしまった事は本人には絶対に内緒だ。
「殿下の方こそ一段と凛々しいです」
「そうか」
私もお世辞なしで率直な感想を述べる。それに彼はそっけなさそうに返すが、本当は嬉しいのだという事は一目瞭然。顔に書いてあるよ。
しかし私の後ろに立つルカを捉えた瞬間、その綺麗な顔があからさまに不快感を示し、それに私は苦笑する。
こうも分かりやすいと、ね。
「お前も付いて来たのか」
「僕はエル様の従者ですからね」
殿下の皮肉にも取れるそれに、ルカは柔和な笑みで淡々と冷静に言葉を返す。が、その目は一ミリも笑っていない。
しかしそれが癪に触ってしまったのか、殿下は更に不満そうな顔をするとじとっとルカを見ていた。
…もう、なんでこの二人は会う度お互いを敵対視するんだか……。
二人のやり取りを直ぐ傍で見ていた私は途方に暮れた。
「まあ良い。
だが時間だ。エル、では行くぞ」
「は、はいっ」
いつまで続くのかと思っていた言い争いは、意外にも殿下が引き下がった事もありあっさりと終わりを告げる。私はその殿下の声に意識を戻すと、改めて気を引き締めた。
「エル様、行ってらっしゃいませ」
「ありがとうございます、ルカ。行って来ます」
後ろから私の事を案ずる声が掛かり、私はそれに振り返ってそれから元気良く告げる。
今回ルカは馬車で待機する事になっており、王城の中までは付いて来ない為ここで暫しのお別れとなる。
殿下が一緒と言ってもやはり不安が全て拭えたと言うわけでもなく、だからと言っていつまでもこの場に留まっているわけにもいかず、私はぐっと拳を握りしめると真っすぐに前を見る。そして堂々と前を歩く殿下の背中を追いかけて、王城へとその足を踏み入れたのだった。
広々とした長い廊下を緊張の面持ちで進んでいると、目の先にいかにもな扉が見えてきて、ついに来たかと今から勝負を挑みに行くような気持ちになる。
更には両脇に衛兵がおり、扉を厳重な警備体制で守っているが、その光景はもう見慣れているのだろう殿下は、スタスタと軽い足取りで気にした様子もなく扉に近づいて行った。
扉の前まで辿り着くと殿下が静かに呟く。
「開けてくれ」
「はっ」
殿下の言葉に衛兵は直ぐに返事をすると、その重そうな扉を二人掛かりで開けてくれる。そして開いた扉の中へ殿下に続き私も入って行った。
足を踏み入れると室内の思った以上の広大さと絢爛さに圧倒される。流石王城だと納得だ。我がシェフィールド侯爵邸も広大ではあるがここには負ける。
しかも床には漫画とかでしか見た事がないレッドカーペットが敷かれていて、セレブになったような気分になる。(実際侯爵家の令嬢なわけだが)
つい心が躍ってしまったのだった。
「よく来たな」
その時、奥の方から男性の低く、しかし良く通る声が室内に響き渡る。
その声に私が視線を上げると、階段を挟んだその先の玉座に掛けている一人の男性の姿が目に入った。間違いなくあの方が国王陛下。
私の想像よりも若い見た目をした彼は、親しみやすそうな柔和な笑みを浮かべていた。
そして更にその隣に目を向けると、もう一人女性が腰かけていた。濃い緑のドレスを纏うその美しい女性は……王妃様っ!
「父上、連れて参りました」
驚く私をよそに殿下は一歩前に出て陛下に頭を下げる。その様子を後ろから見守っていたところ、突然陛下が笑い出した。
…えっ?何!?
陛下の様子に私の頭は混乱を極める。
…私は何か粗相をしでかした?なんて事を考えてしまう始末。
「そんなに固くならなくて良い。もっと肩の力を抜きなさい」
「え……」
私の想像の斜め上をいく陛下のお言葉に目を見開く。そんな私の事を陛下は未だ優し気に見ていた。
「それで君がアルフレッドの友人だと言うエルシア嬢だね」
そう問われ、私はまだ名乗りもしていなかった事に思い至り、緊張しながらも慌てて名乗った。
「は、はい。シェフィールド侯爵の娘、エルシアと申します」
「ふふふ。可愛らしいな。
私は国王のアレクセイ・オルデシアだ。そして隣に居るのが王妃、私の妻のサーラだ。宜しくなエルシア嬢」
「はい…っ!」
たどたどしい私の自己紹介にも嫌な顔一つせず、陛下から紹介された王妃様も人当たりの良い美しい笑みを向けてくれる。その優しさに緊張が解けていく。
そして漸く落ち着いたところで改めてお二人の姿を拝見する。そこで思わず陛下お若いっ!って心の中で即突っ込んでいたのだった。
端正な顔立ちなのは勿論の事、二十代と言われても納得できる程若く見え、それは彼だけでなく隣に掛ける王妃様にも言える事だった。
「今回君を呼んだのは少し話がしたかったからだ。息子のアルフレッドからは良く話を聞いていてね。アルフレッドに友人が出来たと話を聞いてからずっと会ってみたいと思っていたが、私も忙しい身、中々機会がなくてな」
陛下は申し訳ないと眉を下げ、それからまた笑みを戻すと言葉を続ける。
「今日、漸くこの場を借りて君と話す機会が出来た。申し出に応じてくれて感謝するよ」
「いえ。このような場を私に与えて下さった国王陛下に感謝致します」
「そんなに丁寧にならなくて良い。エルシア嬢は真面目なのだな」
陛下の言葉に次の句を紡げないでいると、陛下はまた声を出して笑う。それに流石に恥ずかしくなり、肩身が狭い思いになる。
「君のような可愛らしい女性が息子の友人になってくれて私は嬉しい。先日祝祭での舞を見させてもらったが、本当に美しかった。アメリア嬢とエルシア嬢に観客だけでなく私も目を奪わたものだ。あの時は声を掛ける事が出来なかったが、やはり私の目に狂いはなかった。今日こうして君と会って確信した」
そう言って陛下は殿下に目を向けると嬉しそうに笑む。その眼差しは国王としてではなく、一人の父親として息子へと向けられたものだと分かる。
「お褒めに預かり光栄です」
陛下からの称賛の数々に、私は恥ずかしさを滲ませつつも、感謝の意を込め一言言葉を述べた。陛下の言葉に嬉しさが募り、自然と顔が綻んだ。
「これからも息子と仲良くしてやってほしい」
「私からもお願いするわ」
陛下がそう告げるとそれに続き、王妃様も口を開く。
「はい!」
陛下だけでなく王妃様からもそうお願いをされ、私は間髪入れずにそう返事を返したのだった。
「ところで、ディランは元気にしているか?」
堅苦しい話は止めようと陛下自らの申し出で、次の話題の矛先がどうやら私の父へと向いてしまったらしい。
先日の祝祭の時一言も会話が交わせなかったのだと、まるで友達と話せなくて拗ねている子供のように見えてしまい、失礼ながらも可愛いななんて思ってしまった。
「はい。仕事が忙しいようですが、時間がある時は家族で過ごしています。ちょっとした事から世間話など、時には陛下の事も話に聞きますよ」
そう話すと微笑ましそうに聞いてくれていた陛下の表情が、途中から興味深そうなものへと変わる。悪戯心が芽生えたと言わんばかりに眉を上げている。
「ディランは私の事をなんて話しているんだい?」
そう問われてからあれ、間違えたかな…と背中に冷たいものが走った。
いや、でも、父様が言っていた事だし……まあいっか。と最終的に考えるのを放棄し、私は笑顔で口を開いた。
「父様は不満を良く口にしていました。父様曰く、押し付けられる仕事の量が多すぎる、と。私も家族といる時間がもっと欲しいのだとも零していました」
父様の最早愚痴を素直に陛下に伝えると、笑みはそのままだが段々と陛下の周りの温度が下がっていった。
その内に秘めたものは、この場にはいない父様に向けられている。けれど流石にこれは肝が冷えた。
「そうか、なるほどな。あいつがそんな事をな……」
喋ってしまったのでもう遅いが、陛下を前に嘘はつけないので。
父様ごめんなさい。とせめてもの気持ちを持って心の中で謝罪を送ったのだった。
けれど陛下と父様は友人、それも親友なんだよね。陛下の様子を見ていればそれが良く分かる。だから本当の意味で怒っているわけでない事も分かった。
きっと二人きりになった途端に軽口を叩き合うのだろうな、と楽しそうな二人を想像してしまい、思わず笑みが零れた。
「あいつめ。今度会ったら倍の仕事をくれてやろう。全く余計な事を言ってくれたものだ」
悪い顔をする陛下に私は父様、ご愁傷さまです、と心の中で呟く。
「陛下。独り言はそれ位にして下さいね。エルシアが困っているわ」
そこへ沈黙を貫いていた王妃様が横から口を挟んだ。困った人ね、と笑いながら。
「ああ、すまない。ついな」
されど王妃様の言葉は効果覿面だったようで、陛下は苦笑いを浮かべ、それを見た王妃様はまた微笑む。
「ごめんなさいね、エルシア。陛下はディランの事となるといつもこうなの」
困ったわと肩を竦める王妃様。仲睦まじいその様子に私まで絆されそうになってしまった。
しかしこうして改めて見ると、お二方共に美形で目を奪われる程の美貌をお持ちだ。
金髪に夕焼けのようなオレンジレッドの瞳の陛下と、対比するような深碧の髪にライム色の瞳をした王妃様。
そのお二方の容姿を引き継いだ殿下にもやはりその面影が見て取れる。
陛下の幼少期と今の殿下、そっくりだったりして。なんてね。
「話がそれて悪かったな。あまり長くなっても悪い。そろそろ終わりにしようか。
改めてエルシア嬢、今日話が出来て良かった。私も安心したよ」
「え?それはどういう――」
陛下の意味深な言い方に少々疑問が生まれ首を傾げるが、彼は悪戯っぽく笑みを浮かべるだけで、納得のいく答えは貰えなかった。それを見ていた王妃様が言葉を重ねるように言う。
「私も安心しましたよエルシア。
ふふ、陛下の仰る言葉の意味は時期に分かる時が来るわ。だから焦らないで」
王妃様の言葉にしかし私は更に首を傾げる事となるが、それでも彼女も同じくそれ以上何も言わなかった。
けれどお二方がこれ以上言う事がない、という事ならば私はもう何も言えない。気にはなるが、この話はここまでのようだ。
「分かりました。いつか分かるというのなら、その時まで楽しみにしておこうと思います。
では私はこれで失礼致します。本日はお時間を頂きありがとうございました」
私は丁寧に最後の挨拶を済ませ、それから少し離れて立つ殿下の元へと向かった。
その後、謁見の間を後にした私は、殿下に伴われて広い廊下を歩いていた。
「殿下、見送りは大丈夫ですよ?馬車ではルカも待っていますし」
私が謁見を終えて出て行くなり、見送ると言って聞かない殿下。けれど態々見送りをして貰うのも申し訳なく思ってしまう。
殿下にしては珍しく謁見中終始静かだったが、けれどその場に付いて来てくれただけで私は嬉しかった。それなのにこれ以上彼に迷惑をかける訳には……。
「見送りくらいはさせてくれ。呼んだのはこちらだ。それにこうして来てもらったんだからな」
「すみません。ありがとうございます」
それでも見送るのだと言い切る殿下に、私は折れるしかなかった。そこまで言われては断り切れない。
「謝らなくて良い。それよりも父上と母上と普段通り話せていたな。何かあれば助けるつもりだったが、その必要もなかったようだな」
そう言って髪がくしゃくしゃにならない絶妙な加減で頭を撫でられる。それに一瞬驚きつつも私は口を開いた。
「いえ、緊張してましたよ。あんなに話せたのはお二人のお気遣いのお陰です」
「そうか。しかし今のエルはとても嬉しそうだ」
「そうですね。陛下と王妃様とこうしてゆっくり言葉を交わせた事は嬉しいですし、一時であっても楽しい時間でした」
「それは良かった」
そう言うと殿下は何故か心底良かったと言うような安心しきった顔をするのだった。
「エル様、お戻りになられましたか」
会話をしながら歩いていると、いつの間にかルカの待つ馬車へと戻って来ていたらしい。私の姿を捉えてルカが声を掛けてくる。
「只今戻りました」
「ふふ、何か良い事があったようですね、エル様。
ですがそれは屋敷に戻ってからに致しましょう」
さあ帰りますよ、と言うルカに私は頷くと、今一度見送りをしてくれた殿下へ向き直る。
「また遊びに訪れても良いですか?」
遊びになんて本当はいけないのだが、殿下が遊びに来た、と良くシェフィールド侯爵邸を訪ねて来るものだから、つい私もそれを真似してみたくなってしまったのだ。
「いつでも良いぞ。待っている」
けれどそんな半分冗談の言葉を殿下はそのまま受け取ってしまったらしく、とても満足そうな顔で頷いて見せる。
結局聞いた私の方が面食らう羽目となったが、それでも嫌な気はせず寧ろ嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「ありがとうございます。また来ます」
だから私もそう返した。
それに殿下は笑い手を振ってくれて、私もそれに振り返す。
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