38 / 229
第3章 魔法の世界
5 心強い付添人
しおりを挟む
「では行ってきますね」
「はい、お気をつけて。くれぐれも無茶をなさらないように」
「分かってますよ~」
屋敷の前でルカ、父様、母様が見送りのために来てくれた。
実は今日から泊りがけで隣国へ行くのです!
前に言っていた授業の一環で隣国に行くと言うものです。
まぁ社会科見学みたいな感じかな?楽しみにしていた日がついにやってきたのですよ。
毎日顔を合わせる家族とも少しの間会えなくなる。
それは寂しいけどそれと同時にワクワクしている自分がいる。
隣国なんて未知の領域ですからね。胸が高鳴るのも無理はない。授業と分かってはいても気分は遠足前の子どもです。
でもそんな私を一番心配する人物が……。
「本当に分かってますか?」
「分かってますよ。大丈夫!」
「更に心配になります」
そう言ったルカは呆れたようにため息を付いた。
ルカは心配性なところがあるから、自分が傍に居られない数日がいつも以上に不安でならないんでしょうね。
悲しくなるからあまり言いたくないんだけど、私って抜けてるところあるからね……。
自覚ちゃんとあるんですよね。
「ルカ、大丈夫よ」
「そうだよ。私の娘なのだから心配は要らない」
ルカを励ますように母様と父様が声を掛けた。
と言うか、父様。そう言ってるけど、いつもは父様がルカみたいに、いえ、ルカ以上に心配してきてるんですからね。
正直引いてしまうレベルで……。
他の人が居るところではそうやって良い態度取るんですから。
父様って偶に子どもみたいだったり、溺愛に拍車がかかったりするんですから。
「では行ってきますね」
これ以上いるとまた何かを言われそうだったので早急に話を終わらせ、もう何も言わないで下さいと言う意味を込めた笑顔を浮かべてそう返した。
そしてずっと待っていてくれた馬車に急いで乗り込むとホッと息を付いた。
「大変そうねエルちゃん」
誰も居なかったはずの馬車の中で美しい声が響いた。
前を見ると一人の幼女がちょこんと座りこちらを見ていた。
光の精霊で、今は私の守護精霊になってくれたウルティナです。
「最近見かけないと思っていたんですよ。どこに居たんですか?」
人差し指を口へ当て思い返している様子。
「そうね。エルちゃんがいるときは見つからないようにこっそりと様子を伺っていたり、何となく外へ出てみたりかしら」
「そうだったんですか。姿が見えないから心配してたんですよ。見えたと思ったらすぐにどこかに行ってしまうんですから」
「ごめんなさい。でも心配してくれて嬉しいわ。エルちゃんは優しいのね」
口調は大人っぽいのに、ニッコリと笑った顔が幼く可愛いためつい許してしまう。
本人は自分の可愛さに気付いているのかいないのか、毎回この可愛さにやられてしまうのですよね私。
「そう言えばまだ言っていなかったけどね。今回はルカに代わって私がエルちゃんの傍で護衛をすることになったわ」
「えっ」
突然の話につい声を上げてしまう。それにウルはドッキリが成功した時のような、無邪気な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「驚いた?」
「驚きましたよ。でもどうして?」
「隣国に行くのにルカは一緒に行けないって言うのを聞いて、それなら人間に姿を見られない私なら一緒に行っても問題はないと思ったからよ。それにエルちゃんとこうして二人きりでお話が出来ると思ったら楽しくなってきちゃって」
そう言ったウルは本当に楽しそうにしていた。こうして見ると普通の子どもみたい。
他の子と変わらない、小さな楽しみに心躍らせるただの女の子に見える。
私はその様子を微笑ましく見守っていた。
「私も嬉しいですよ。こうして久しぶりにウルとお話が出来て。それにウルが居てくれれば凄く心強いです」
「そうでしょう。エルちゃんは私がちゃんと守るから安心して楽しんでちょうだいね」
「ありがとう、ウル」
授業で行くから楽しむと言うのはちょっと違うけどね……。
楽しそうなウルに申し訳ないのでそれは言わないでおくことにした。
なんだかんだ会話が盛り上がり少し賑やかになりつつある間も、私達を乗せた馬車は集合場所である学院へと向かって走り続けていた。
「はい、お気をつけて。くれぐれも無茶をなさらないように」
「分かってますよ~」
屋敷の前でルカ、父様、母様が見送りのために来てくれた。
実は今日から泊りがけで隣国へ行くのです!
前に言っていた授業の一環で隣国に行くと言うものです。
まぁ社会科見学みたいな感じかな?楽しみにしていた日がついにやってきたのですよ。
毎日顔を合わせる家族とも少しの間会えなくなる。
それは寂しいけどそれと同時にワクワクしている自分がいる。
隣国なんて未知の領域ですからね。胸が高鳴るのも無理はない。授業と分かってはいても気分は遠足前の子どもです。
でもそんな私を一番心配する人物が……。
「本当に分かってますか?」
「分かってますよ。大丈夫!」
「更に心配になります」
そう言ったルカは呆れたようにため息を付いた。
ルカは心配性なところがあるから、自分が傍に居られない数日がいつも以上に不安でならないんでしょうね。
悲しくなるからあまり言いたくないんだけど、私って抜けてるところあるからね……。
自覚ちゃんとあるんですよね。
「ルカ、大丈夫よ」
「そうだよ。私の娘なのだから心配は要らない」
ルカを励ますように母様と父様が声を掛けた。
と言うか、父様。そう言ってるけど、いつもは父様がルカみたいに、いえ、ルカ以上に心配してきてるんですからね。
正直引いてしまうレベルで……。
他の人が居るところではそうやって良い態度取るんですから。
父様って偶に子どもみたいだったり、溺愛に拍車がかかったりするんですから。
「では行ってきますね」
これ以上いるとまた何かを言われそうだったので早急に話を終わらせ、もう何も言わないで下さいと言う意味を込めた笑顔を浮かべてそう返した。
そしてずっと待っていてくれた馬車に急いで乗り込むとホッと息を付いた。
「大変そうねエルちゃん」
誰も居なかったはずの馬車の中で美しい声が響いた。
前を見ると一人の幼女がちょこんと座りこちらを見ていた。
光の精霊で、今は私の守護精霊になってくれたウルティナです。
「最近見かけないと思っていたんですよ。どこに居たんですか?」
人差し指を口へ当て思い返している様子。
「そうね。エルちゃんがいるときは見つからないようにこっそりと様子を伺っていたり、何となく外へ出てみたりかしら」
「そうだったんですか。姿が見えないから心配してたんですよ。見えたと思ったらすぐにどこかに行ってしまうんですから」
「ごめんなさい。でも心配してくれて嬉しいわ。エルちゃんは優しいのね」
口調は大人っぽいのに、ニッコリと笑った顔が幼く可愛いためつい許してしまう。
本人は自分の可愛さに気付いているのかいないのか、毎回この可愛さにやられてしまうのですよね私。
「そう言えばまだ言っていなかったけどね。今回はルカに代わって私がエルちゃんの傍で護衛をすることになったわ」
「えっ」
突然の話につい声を上げてしまう。それにウルはドッキリが成功した時のような、無邪気な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「驚いた?」
「驚きましたよ。でもどうして?」
「隣国に行くのにルカは一緒に行けないって言うのを聞いて、それなら人間に姿を見られない私なら一緒に行っても問題はないと思ったからよ。それにエルちゃんとこうして二人きりでお話が出来ると思ったら楽しくなってきちゃって」
そう言ったウルは本当に楽しそうにしていた。こうして見ると普通の子どもみたい。
他の子と変わらない、小さな楽しみに心躍らせるただの女の子に見える。
私はその様子を微笑ましく見守っていた。
「私も嬉しいですよ。こうして久しぶりにウルとお話が出来て。それにウルが居てくれれば凄く心強いです」
「そうでしょう。エルちゃんは私がちゃんと守るから安心して楽しんでちょうだいね」
「ありがとう、ウル」
授業で行くから楽しむと言うのはちょっと違うけどね……。
楽しそうなウルに申し訳ないのでそれは言わないでおくことにした。
なんだかんだ会話が盛り上がり少し賑やかになりつつある間も、私達を乗せた馬車は集合場所である学院へと向かって走り続けていた。
0
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる