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第3章 魔法の世界
13 侵入者…ルリアーナside
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妾はルリアーナ・リーリス・アインフェルト。
アインフェルト王国の女王。少女と変わりない外見ではあるがれっきとした正真正銘の女王だ。
一王国の王である妾には気になる人物がいる。
輝く金髪に珍しいアメジストの瞳をした美しい少女。彼女を見ると昔の記憶が蘇る。そこで出会ったある少女のことを。
あまりにも瓜二つのため、一瞬彼女が甦ったのかと錯覚したほどだ。
金髪の少女は、隣国オルデシア王国のシェフィールド侯爵家の令嬢であり、名はエルシアと言うらしく、アインフェルト王国には学園の生徒として来ているとの事だ。
そうだとするとすぐに自国へと帰ってしまうのだろう。ならばと妾は彼女が帰ってしまう前に城へ招くことにした。
「来てくれて感謝する。ん?貴殿はエルシアの友人か?」
エルシアが到着したとクラウスから聞き、出迎えに行くと彼女の他にもう一人、真っ白な髪の少女がいた。
「お初に御目にかかります女王陛下。私はユキ・ルターシア。エルシアの友人です」
少女は頭を下げ名を名乗る。それにルターシアと言う名、聞いたことがあるな。
「勝手ながら私が一緒にとお願いしたのです」
そんなことを考えているとエルシアが説明を付け加えるように呟いた。
「そうだったか。よろしくなユキ」
「はい、こちらこそ」
招待はしていないがエルシアの反応を見るに、特に警戒する必要がないことは分かる。
そうと分かれば変に態度を変える事もないな。こうして同い年位の少女と話す機会など久しぶりだな。
そんな風に思ってしまうのもきっとエルシアに彼女の姿を重ねてみてしまっているからか……。
昔のことは考えるのはよそう。今宵は彼女達に楽しんでもらうためのパーティーなのだ、今は楽しもうではないか。
そしてそれからエルシアとユキにはそれぞれドレスに着替えてもらい、事前に二人のパートナーとして呼んでいた二人の従者であるルーカスとレナードをサプライズで登場させた。
思うよりも二人は驚いていたな。従者二人には仮面までつけて登場してもらったが、そこまでしたかいもあったと言うものだ。
その後はお互いのパートナーとダンスを踊り、楽しいひと時を過ごした。
平和になったものだなとこの光景を目の当たりにするとつい思ってしまう。記憶の中にある戦いが嘘だったかのように感じられてしまうな。
遠い昔の記憶に一時だけ思いを馳せたのだった。
皆がダンスを終え余韻に浸っている時だった。
唐突に城のガラスが割れる音が響き渡る。次いで城の中を照らしていた灯りが次々と消えていく。
妾とクラウス以外の者は暗闇の中、状況が理解できず混乱しているようだった。
「皆その場から動くなっ!」
「ルリ様、ご無事ですか?」
妾が叫ぶと心配そうに問いかけてくるエルの声が聞こえてくる。
「ああ、妾もクラウスも無事だ」
無事であることを声で伝えるとそれにホッと息をつくがした。
「良かった……、待っていて下さい今灯りを――」
「いや、妾は大丈夫だ。それよりルカ、レナード、お前達は二人をしっかり守れっ!」
「「はいっ!」」
エルの言いたいことは分かるが敢えてそれを遮って、今も傍で二人を守っているであろう二人の従者に命令を出すと、すぐに息の合った返事が聞こえて来る。大切にされているようで何よりだ。そう思い思わず笑みが零れた。
アインフェルト王国の女王。少女と変わりない外見ではあるがれっきとした正真正銘の女王だ。
一王国の王である妾には気になる人物がいる。
輝く金髪に珍しいアメジストの瞳をした美しい少女。彼女を見ると昔の記憶が蘇る。そこで出会ったある少女のことを。
あまりにも瓜二つのため、一瞬彼女が甦ったのかと錯覚したほどだ。
金髪の少女は、隣国オルデシア王国のシェフィールド侯爵家の令嬢であり、名はエルシアと言うらしく、アインフェルト王国には学園の生徒として来ているとの事だ。
そうだとするとすぐに自国へと帰ってしまうのだろう。ならばと妾は彼女が帰ってしまう前に城へ招くことにした。
「来てくれて感謝する。ん?貴殿はエルシアの友人か?」
エルシアが到着したとクラウスから聞き、出迎えに行くと彼女の他にもう一人、真っ白な髪の少女がいた。
「お初に御目にかかります女王陛下。私はユキ・ルターシア。エルシアの友人です」
少女は頭を下げ名を名乗る。それにルターシアと言う名、聞いたことがあるな。
「勝手ながら私が一緒にとお願いしたのです」
そんなことを考えているとエルシアが説明を付け加えるように呟いた。
「そうだったか。よろしくなユキ」
「はい、こちらこそ」
招待はしていないがエルシアの反応を見るに、特に警戒する必要がないことは分かる。
そうと分かれば変に態度を変える事もないな。こうして同い年位の少女と話す機会など久しぶりだな。
そんな風に思ってしまうのもきっとエルシアに彼女の姿を重ねてみてしまっているからか……。
昔のことは考えるのはよそう。今宵は彼女達に楽しんでもらうためのパーティーなのだ、今は楽しもうではないか。
そしてそれからエルシアとユキにはそれぞれドレスに着替えてもらい、事前に二人のパートナーとして呼んでいた二人の従者であるルーカスとレナードをサプライズで登場させた。
思うよりも二人は驚いていたな。従者二人には仮面までつけて登場してもらったが、そこまでしたかいもあったと言うものだ。
その後はお互いのパートナーとダンスを踊り、楽しいひと時を過ごした。
平和になったものだなとこの光景を目の当たりにするとつい思ってしまう。記憶の中にある戦いが嘘だったかのように感じられてしまうな。
遠い昔の記憶に一時だけ思いを馳せたのだった。
皆がダンスを終え余韻に浸っている時だった。
唐突に城のガラスが割れる音が響き渡る。次いで城の中を照らしていた灯りが次々と消えていく。
妾とクラウス以外の者は暗闇の中、状況が理解できず混乱しているようだった。
「皆その場から動くなっ!」
「ルリ様、ご無事ですか?」
妾が叫ぶと心配そうに問いかけてくるエルの声が聞こえてくる。
「ああ、妾もクラウスも無事だ」
無事であることを声で伝えるとそれにホッと息をつくがした。
「良かった……、待っていて下さい今灯りを――」
「いや、妾は大丈夫だ。それよりルカ、レナード、お前達は二人をしっかり守れっ!」
「「はいっ!」」
エルの言いたいことは分かるが敢えてそれを遮って、今も傍で二人を守っているであろう二人の従者に命令を出すと、すぐに息の合った返事が聞こえて来る。大切にされているようで何よりだ。そう思い思わず笑みが零れた。
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