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第5章 学院生活
8 災難…レヴィside
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「侯爵……」
「やあレヴィ。目が覚めたようで良かった。具合はどうだい?」
いつもの笑みを浮かべて、淡々と告げる侯爵に俺は相変わらずだなと心の中で思った。
「治癒魔法を施してくれたんだろう?そのお陰で身体は大分楽だ」
「そうか、なら良かった」
淡々と話を続ける中、ルーカスだけは怪訝そうに眉をひそめてこちらを窺っているが。
「ディラン様、彼の事を知っているのですか?」
俺を一瞥しながらルーカスが侯爵に問う。侯爵はそう言えば言っていなかったねと笑って答えた。
「私は彼の父親、ローレンス侯爵と学院時代からの友人なんだ」
「えっ!そうなんですかっ!?」
ルーカスが口を開く前に新たな甲高い声が静かな部屋の中に響いた。
全員で一斉に声の人物へ視線を移すと、自分の声に驚いたのか侯爵の言葉に驚いたのか、慌てて両手で口を押さえ、目を見開いたエルが扉の前に立っていた。
「早かったねエル。ローザに呼ばれていたみたいだけど、もう終わったのかい?」
「はい。でも思ったよりも話が長かったので戻って来るのに時間がかかってしまいましたが……」
そう言ってエルは苦笑いを浮かべた。何の話かは分からないが、どうやらここへ戻って来る途中に、母親であるローザに捕まっていたらしい。
その事に違和感を感じ、俺は悟った。侯爵はエルがすぐ部屋に戻ってこないように時間を稼いだのだと。妻に協力させてまで。
どうしてそんなことをしたのかは大よそ見当がつく。ここにルーカスが来ることが分かっていたからだ。そして俺とこいつが言い争いをする事も考慮していて、それをエルが見たら悲しむとでも思ったからだろう。
それだけの事でここまで手を回すとは、流石、娘を溺愛している父親として有名な侯爵の考えそうな事だな。
話には聞いて知ってはいたが、こうして見ると結構引くものがあるな……。
「父様、レヴィ君のお父様とご友人なら教えてくれれば良いのに」
「すまない。隠していたわけではないんだよ。そうだろレヴィ?」
投げやりに話を振られた俺は、二人のやり取りに呆れてため息を吐く。
「まあそうだな」
「そう言う事だからエルもその内彼に会う機会もあるだろう。なにせ彼は騎士団の団長で、良く城にいるからな」
「そうだったんですかっ、と言う事はお兄様は」
「ああ、騎士団の副団長を務めている」
俺はすかさず答えた。エルには兄が騎士団に所属しているとは話したが、父が騎士団団長で、兄が副団長だとは言っていなかったからな。
階級が階級なだけあって流石に驚きを隠せない表情だ。
「と言う訳で、悪いがお前のお願いは聞けない。俺が離れようとしても周りがそうさせてくれないからな。特にエルが」
口を挟むことなく黙っているルーカスに俺はそう告げる。嫌みっぽく聞こえるかもしれないが、別に喧嘩を売った訳じゃないからな。勘違いしてくれるなよ。
「え?レヴィ君それってどういう……」
自分の名前が呼ばれたにもかかわらず、話の内容が分からないエルは不思議そうな顔をしていた。
「こっちの話だ。何でもない、気にするな。だろ?」
最後のはルーカスに対して放った言葉。その問いに一瞬悔しそうな表情を見せたがすぐに真面目な表情に戻る。
「ええ、こちらの話です。何でもありませんよ、エル様」
「む~、そうやってまた私をのけ者にしましたね」
「まあまあ、そう言わないであげなさいエル。男だけの秘密ってやつだよ」
決して変な意味で言った訳でない事は分かっているが、理解できていない奴がここに一人。
ジトっとした目を侯爵に向けるエル。
「何ですか?いやらしい事でも話していたんですか?」
「ち、違うよ」
娘を溺愛する侯爵には効果抜群だったようだ。違うのに、その言い方だと本当にそう言う事を俺達がしていたように聞こえるぞ。
暫く娘に蔑む様な視線を向けられ、とうとう耐えられなくなったのか、目線を逸らした侯爵はわざとコホンと咳ばらいをした。
「それより、レヴィ」
話題が変わった途端、侯爵の表情も真面目なものになり、ふざけてはいけない空気だと分かる。それを感じ取ったのか、エルもルーカスも表情を引き締めていた。
「今回の件の事だが」
「その事は全て俺のせいだ。自分だけでなく周りにまで迷惑を掛けた。それに侯爵にも。本当にすまなかった」
「反省はしているようだな」
「勿論。それとエルも危険な目に遭わせた」
「そうだね」
「言い訳も弁明もしない。侯爵、そして学院からも処罰はしっかりと受けるよ」
「……レヴィ君」
心配そうに呟やくエルには悪いが、その言葉に嘘はない。自分が犯した過ちは自分で責任を取らなければならない。
それにもしかしたら俺は家を追い出されるかもしれないな。それだけの事をしたから。侯爵家の顔に泥を塗ったも同然。
下手をしたら犠牲者が出ていたかもしれない。そして俺もあのままだったら死んでいただろう。それをエルが命がけで救ってくれて、そのお陰で今俺はここに居るのだと改めて実感する。
その思いを理解したのかしていないのか、侯爵は真剣に言葉を待つ俺を見ると、何故か笑った。
「良かった。しっかりと反省もしていて処罰を受ける覚悟もあったんだな」
「侯爵?」
流石に俺も想定外の反応に動揺してしまうが、それを予想していたかのように侯爵は先を続けた。
「反省しているならそれで良い。学院側もレヴィを処罰するつもりはないから安心して良い」
「どういうことだ……?」
「私が話を通した。今回の事は単なる事故だと」
「違うっ、あれは俺が――」
「レヴィ」
侯爵に制されてしまい、続きの言葉は声にならなかった。
「あれは事故だ。君のせいじゃない。それに今回、犠牲者も怪我人も居なかった。君以外は、だけどね」
「……」
「だから学院側は大事にはしないと言っているよ。きっと君の家の事情も理解しているからだろうね」
「……分かった」
家の事情と聴いて少しドキッとしてしまう。学院は知っていたんだな。俺の複雑な家庭事情の事を。
知られていた事には驚いたが、今回はそれに助けられたと言う事か。何だか笑えるな。
「それでだけど。落ち込むにはまだ早いよレヴィ」
何とも言えなくなり俯いていると、さっきとは打って変わって、明らかに口調が変わった。その変わりようにどうしたのかと顔を上げると……。
「学院が許しても私は許してないよ。エルが暴走を止めた時、どういう方法を行ったか知っているかい?」
「え?いや、知らないが」
「わっ、ちょっと父様っ、それはっ!」
侯爵の不気味な笑みに嫌な予感がするが、更にエルの頬を赤らめて必死になって止めようとする姿を見ると、何となく察しがついてしまい、嫌な汗が流れだした。
「レヴィの暴走を止めるにはただ触れるだけでは間に合わないと思ったらしくてね。口を通して魔力を自分の方へと吸収したみたいだよ。言っている意味が分かるかい?」
口を通して……?
………それって、まさか……。
「く、口づけっ、をしたって事かっ!」
「こ、声が大きいですよっ!それにあの時は仕方がなかったんです!私だって恥ずかしかったんですからね!だから黙っていたのに、もうっ、父様っ!」
エルは大丈夫か?と言うくらいに顔を真っ赤にして、俺よりも大きい声で叫んだ。それを見て俺も顔が熱くなっている事に気付き、更に羞恥心が増して、あまりの恥ずかしさに死にたくなった。
「と言う訳でレヴィ、私の言いたい事は理解したね。その事について、言い訳も弁明もしなくて良いから罰を受けてもらおうか、問答無用でね」
優しい言葉と顔の表情があっていないし、目が笑っていない。それを間のあたりにして、俺は唐突に命の危機を悟ったが、もう遅いようだ……。
「さて、どんな罰が良いかな」
これは何を言っても本当に無駄なやつだ。諦めるしかない。
「ちょっとディラン。まだ病み上がりなレヴィに何て事言ってるのよ」
諦めかけたその時、救いとも言える声が聞こえてくる。
「ローザさん」
「久しぶりねレヴィ。見ない間に大きくなったわね」
そう言って部屋に入って来たのはエルの母親、ローザだった。久しぶりに会った彼女は昔の容姿のままで、とても美しかった。
「ローザさんは昔から変わらず綺麗ですね」
「あら上手ね。そう言う貴方も、見惚れる程格好良くなったわね」
「いえ、そんな……」
お世辞でもこの人に言わると、何だか嬉しい気持ちになるのだから不思議だ。
「あら照れてるの?ふふっ、昔から可愛かったけど、今の姿でその表情は駄目よ」
「……?」
「エルもそう思わない?」
「そうですね。女の子には効果抜群だと思いますっ!」
彼女達には意味が通じているようだが俺にはさっぱりだ。
「それで?レヴィにどんな罰を受けさせるのかしら、ねえ貴方?」
満面の笑みでローザが侯爵を見つめると、今度は侯爵の方が顔を蒼褪めさせた。
それを見て状況が分からない奴でもこれだけは分かる。侯爵には最早勝ち目はないと言う事が。
……これは助かった、と言う事で良いのか……?
良く分からないが展開になったが、事態は俺に有意なように動いているようで、その事に一先ずホッとした。
俺は同じ様に状況を理解出来ていないルーカスと顔を見合わせ、この状況と侯爵の蒼褪めっぷりに思わず笑ってしまった。
何かで聞いた事があったな。家庭で最も強いと言えるのは女性である、と。
まさに今がそうだな。
今日この時、俺は優しさと共に女性の本当の怖さも大いに痛感したのだ。
「やあレヴィ。目が覚めたようで良かった。具合はどうだい?」
いつもの笑みを浮かべて、淡々と告げる侯爵に俺は相変わらずだなと心の中で思った。
「治癒魔法を施してくれたんだろう?そのお陰で身体は大分楽だ」
「そうか、なら良かった」
淡々と話を続ける中、ルーカスだけは怪訝そうに眉をひそめてこちらを窺っているが。
「ディラン様、彼の事を知っているのですか?」
俺を一瞥しながらルーカスが侯爵に問う。侯爵はそう言えば言っていなかったねと笑って答えた。
「私は彼の父親、ローレンス侯爵と学院時代からの友人なんだ」
「えっ!そうなんですかっ!?」
ルーカスが口を開く前に新たな甲高い声が静かな部屋の中に響いた。
全員で一斉に声の人物へ視線を移すと、自分の声に驚いたのか侯爵の言葉に驚いたのか、慌てて両手で口を押さえ、目を見開いたエルが扉の前に立っていた。
「早かったねエル。ローザに呼ばれていたみたいだけど、もう終わったのかい?」
「はい。でも思ったよりも話が長かったので戻って来るのに時間がかかってしまいましたが……」
そう言ってエルは苦笑いを浮かべた。何の話かは分からないが、どうやらここへ戻って来る途中に、母親であるローザに捕まっていたらしい。
その事に違和感を感じ、俺は悟った。侯爵はエルがすぐ部屋に戻ってこないように時間を稼いだのだと。妻に協力させてまで。
どうしてそんなことをしたのかは大よそ見当がつく。ここにルーカスが来ることが分かっていたからだ。そして俺とこいつが言い争いをする事も考慮していて、それをエルが見たら悲しむとでも思ったからだろう。
それだけの事でここまで手を回すとは、流石、娘を溺愛している父親として有名な侯爵の考えそうな事だな。
話には聞いて知ってはいたが、こうして見ると結構引くものがあるな……。
「父様、レヴィ君のお父様とご友人なら教えてくれれば良いのに」
「すまない。隠していたわけではないんだよ。そうだろレヴィ?」
投げやりに話を振られた俺は、二人のやり取りに呆れてため息を吐く。
「まあそうだな」
「そう言う事だからエルもその内彼に会う機会もあるだろう。なにせ彼は騎士団の団長で、良く城にいるからな」
「そうだったんですかっ、と言う事はお兄様は」
「ああ、騎士団の副団長を務めている」
俺はすかさず答えた。エルには兄が騎士団に所属しているとは話したが、父が騎士団団長で、兄が副団長だとは言っていなかったからな。
階級が階級なだけあって流石に驚きを隠せない表情だ。
「と言う訳で、悪いがお前のお願いは聞けない。俺が離れようとしても周りがそうさせてくれないからな。特にエルが」
口を挟むことなく黙っているルーカスに俺はそう告げる。嫌みっぽく聞こえるかもしれないが、別に喧嘩を売った訳じゃないからな。勘違いしてくれるなよ。
「え?レヴィ君それってどういう……」
自分の名前が呼ばれたにもかかわらず、話の内容が分からないエルは不思議そうな顔をしていた。
「こっちの話だ。何でもない、気にするな。だろ?」
最後のはルーカスに対して放った言葉。その問いに一瞬悔しそうな表情を見せたがすぐに真面目な表情に戻る。
「ええ、こちらの話です。何でもありませんよ、エル様」
「む~、そうやってまた私をのけ者にしましたね」
「まあまあ、そう言わないであげなさいエル。男だけの秘密ってやつだよ」
決して変な意味で言った訳でない事は分かっているが、理解できていない奴がここに一人。
ジトっとした目を侯爵に向けるエル。
「何ですか?いやらしい事でも話していたんですか?」
「ち、違うよ」
娘を溺愛する侯爵には効果抜群だったようだ。違うのに、その言い方だと本当にそう言う事を俺達がしていたように聞こえるぞ。
暫く娘に蔑む様な視線を向けられ、とうとう耐えられなくなったのか、目線を逸らした侯爵はわざとコホンと咳ばらいをした。
「それより、レヴィ」
話題が変わった途端、侯爵の表情も真面目なものになり、ふざけてはいけない空気だと分かる。それを感じ取ったのか、エルもルーカスも表情を引き締めていた。
「今回の件の事だが」
「その事は全て俺のせいだ。自分だけでなく周りにまで迷惑を掛けた。それに侯爵にも。本当にすまなかった」
「反省はしているようだな」
「勿論。それとエルも危険な目に遭わせた」
「そうだね」
「言い訳も弁明もしない。侯爵、そして学院からも処罰はしっかりと受けるよ」
「……レヴィ君」
心配そうに呟やくエルには悪いが、その言葉に嘘はない。自分が犯した過ちは自分で責任を取らなければならない。
それにもしかしたら俺は家を追い出されるかもしれないな。それだけの事をしたから。侯爵家の顔に泥を塗ったも同然。
下手をしたら犠牲者が出ていたかもしれない。そして俺もあのままだったら死んでいただろう。それをエルが命がけで救ってくれて、そのお陰で今俺はここに居るのだと改めて実感する。
その思いを理解したのかしていないのか、侯爵は真剣に言葉を待つ俺を見ると、何故か笑った。
「良かった。しっかりと反省もしていて処罰を受ける覚悟もあったんだな」
「侯爵?」
流石に俺も想定外の反応に動揺してしまうが、それを予想していたかのように侯爵は先を続けた。
「反省しているならそれで良い。学院側もレヴィを処罰するつもりはないから安心して良い」
「どういうことだ……?」
「私が話を通した。今回の事は単なる事故だと」
「違うっ、あれは俺が――」
「レヴィ」
侯爵に制されてしまい、続きの言葉は声にならなかった。
「あれは事故だ。君のせいじゃない。それに今回、犠牲者も怪我人も居なかった。君以外は、だけどね」
「……」
「だから学院側は大事にはしないと言っているよ。きっと君の家の事情も理解しているからだろうね」
「……分かった」
家の事情と聴いて少しドキッとしてしまう。学院は知っていたんだな。俺の複雑な家庭事情の事を。
知られていた事には驚いたが、今回はそれに助けられたと言う事か。何だか笑えるな。
「それでだけど。落ち込むにはまだ早いよレヴィ」
何とも言えなくなり俯いていると、さっきとは打って変わって、明らかに口調が変わった。その変わりようにどうしたのかと顔を上げると……。
「学院が許しても私は許してないよ。エルが暴走を止めた時、どういう方法を行ったか知っているかい?」
「え?いや、知らないが」
「わっ、ちょっと父様っ、それはっ!」
侯爵の不気味な笑みに嫌な予感がするが、更にエルの頬を赤らめて必死になって止めようとする姿を見ると、何となく察しがついてしまい、嫌な汗が流れだした。
「レヴィの暴走を止めるにはただ触れるだけでは間に合わないと思ったらしくてね。口を通して魔力を自分の方へと吸収したみたいだよ。言っている意味が分かるかい?」
口を通して……?
………それって、まさか……。
「く、口づけっ、をしたって事かっ!」
「こ、声が大きいですよっ!それにあの時は仕方がなかったんです!私だって恥ずかしかったんですからね!だから黙っていたのに、もうっ、父様っ!」
エルは大丈夫か?と言うくらいに顔を真っ赤にして、俺よりも大きい声で叫んだ。それを見て俺も顔が熱くなっている事に気付き、更に羞恥心が増して、あまりの恥ずかしさに死にたくなった。
「と言う訳でレヴィ、私の言いたい事は理解したね。その事について、言い訳も弁明もしなくて良いから罰を受けてもらおうか、問答無用でね」
優しい言葉と顔の表情があっていないし、目が笑っていない。それを間のあたりにして、俺は唐突に命の危機を悟ったが、もう遅いようだ……。
「さて、どんな罰が良いかな」
これは何を言っても本当に無駄なやつだ。諦めるしかない。
「ちょっとディラン。まだ病み上がりなレヴィに何て事言ってるのよ」
諦めかけたその時、救いとも言える声が聞こえてくる。
「ローザさん」
「久しぶりねレヴィ。見ない間に大きくなったわね」
そう言って部屋に入って来たのはエルの母親、ローザだった。久しぶりに会った彼女は昔の容姿のままで、とても美しかった。
「ローザさんは昔から変わらず綺麗ですね」
「あら上手ね。そう言う貴方も、見惚れる程格好良くなったわね」
「いえ、そんな……」
お世辞でもこの人に言わると、何だか嬉しい気持ちになるのだから不思議だ。
「あら照れてるの?ふふっ、昔から可愛かったけど、今の姿でその表情は駄目よ」
「……?」
「エルもそう思わない?」
「そうですね。女の子には効果抜群だと思いますっ!」
彼女達には意味が通じているようだが俺にはさっぱりだ。
「それで?レヴィにどんな罰を受けさせるのかしら、ねえ貴方?」
満面の笑みでローザが侯爵を見つめると、今度は侯爵の方が顔を蒼褪めさせた。
それを見て状況が分からない奴でもこれだけは分かる。侯爵には最早勝ち目はないと言う事が。
……これは助かった、と言う事で良いのか……?
良く分からないが展開になったが、事態は俺に有意なように動いているようで、その事に一先ずホッとした。
俺は同じ様に状況を理解出来ていないルーカスと顔を見合わせ、この状況と侯爵の蒼褪めっぷりに思わず笑ってしまった。
何かで聞いた事があったな。家庭で最も強いと言えるのは女性である、と。
まさに今がそうだな。
今日この時、俺は優しさと共に女性の本当の怖さも大いに痛感したのだ。
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