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第6章 魔法乱舞
3 魔法の威力
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戦闘開始直ぐに、赤のケープ、つまりは六年生のチームの方が先に動きを見せる。
六年生チームは四人とも女子生徒で、その内の二人が後方へと下がり、前に残った二人は同時に同じ魔法を展開させようとしていた。
今のを見た感じ、六年生チームは私達と同じスタイルで戦うつもりらしいね。
やっぱり四人だから、前衛二人、後衛二人に分かれた方が戦いやすいし、無難なのかな?
「「ファイアーキャノン!!」」
前衛の二人が同時に呪文を唱えると、目の前に巨大な火の塊が現れ五年生チームに向かってそれが放たれた。
二人分の魔力が合わさって通常の大きさよりも更に大きな火の塊が彼らを襲う。
観客席でも驚きの声が上がり、五年生チームが不利に見えた。
でも五年生チームもただぼうっと立っていたわけではなかった。
「シールド・アクティベートっ!」
「ストレングスンっ!」
五年生チームは男子生徒二人、女子生徒二人のチームで、その内の二人の男女が呪文を唱えて、迫りくる巨大な火の塊を迎え撃とうと素早く魔法を展開させる。
防御魔法を唱えたのは男子生徒、そしてその魔法を強化させる魔法は女子生徒の方が唱え、強固な目には見えない壁を作り出す。
――ドガンッ!!
そのシールドに火の塊が勢い良くぶつかる音が辺りに響き渡る。
衝撃は凄いようだけど、さっきシールドを強化したおかげか攻撃を耐えている。
それを見て攻撃を仕掛けている方はそのシールドを突破しようと、更に魔力を練り上げ威力を上げようとした。
威力の上がった火の塊、それを防ぐ壁。まるで前世の小説に出てくる盾と矛みたい。
あれって結局はどっちが勝ったんだっけ?
そもそも何でも貫き通す最強の矛と、何からでも守り通す鉄壁の盾、って言ってたような気がするけど、それって勝ち負けがちゃんとつくのかな?まさに矛盾する話。
まぁそれは小説の話だとして、今の状況が似ているってだけで小説と同じになるって事はないからね。
それに現実はちょっとした小さい変化で状況が一変してしまうものだし。
「ウォーターストリーム・アクティベートっ!」
中々シールドを破壊出来ない事に痺れを切らしたのか、後衛にいた六年生チームの女子生徒の内の一人が水魔法を展開させた。
彼女が唱えた瞬間、どこからともなく大量の水が流れをなして、五年生チームに襲い掛かった。
なるほど。きっと彼女は攻撃目的で水魔法を使ったんじゃない。相手の体制を崩す事を目的とした魔法ってわけね。
確かに水だったら、相手の足元に勢い良く流す事で滑らせたり、一瞬でも体制を崩す事が出来る。
魔法は繊細なもの。少しでも集中を切らせたりしたらどんなに強固なシールドを張っていようとも綻びが生じる。
彼女の狙いはそれだね。凄いよ、一瞬で相手の意表を突いた一手。
「っ!!」
「まずいっ!体制がっ」
作戦は上手くいき、前衛の二人は体制を崩してしまい、水の勢いが良い事もあって後衛の二人までもがその場で尻もちをついてしまっていた。
「今よっ!」
その隙を見逃す事無く、火の塊をコントロールしていた女子生徒は、綻びが生じたシールドに更に力を加え破壊する。
――パリンッ!
ガラスのように一瞬にして粉々にシールドが粉砕され、彼らを守る盾はなくなり、無防備になってしまう。
「これで終わりよっ!!」
勝負は着いた、そう言うかのように女子生徒は声を上げ、シールドを破った火の塊は茫然と見ている事しか出来ない彼らに迫り、そして――。
――ドガーンッ!!!
「わぁっ!!」
もの凄い音を立てて火の塊は辺りに火の気をまき散らし、やがて拡散していった。
そのあまりの爆炎に観客席の方にまで火の気が飛び散り、私は思わず声を上げてしまった。
とは言っても、天井と同じで、観客席にも生徒達をこう言ったとばっちりから守るために防御魔法が施されていて、今もしっかりと発動していたんだけどね。
「び、びっくりしました……」
「凄い勢いだったわね」
ユキ、私、アリンちゃん、エミリーさんと横並びで並んでいるんだけど、左右を見るとユキとアリンちゃんは関心はしているけどあんまり驚いていないみたいだった。四人の中で驚いていたのは私とエミリーさんだけだったよ。
……何で動じないんだろう。この二人……。
そんな二人に私は苦笑いを浮かべる。でもそこではっと我に返る。
……そ、そう言えばあんなに凄い火の塊を五年生チームはもろに受けていた、よね?
だ、大丈夫なのかな……?
あれだけ離れているのにこの観客席にまで火の気が来たんだから、攻撃をまともに食らっていたら彼らは無事じゃすまない……。
心配で会場を凝視して無事なのを確認したいのに、未だに漂う煙のせいでどうなっているのか見えなくて、それが私の不安を更に煽る。
「ウィンドっ!」
唐突に会場から声が響き、魔法が展開される。誰が使ったのかは分からないけど、多分六年生チームの誰かでしょうね。
女性の声で唱えられたのは風の魔法。誰でも使える簡単な程度のもの。
でもこの煙を消し去るには十分だったようで、直ぐに視界も開けていった。
……か、会場が……。
煙がなくなった事により会場の様子が見える。でもその有様がまた凄い事になっている。
地面は抉れて、さっきの火の塊によってどこもかしこも焦げてしまっていた。
あっ!
会場は言葉が出ない程酷い有様だったけど、良く見ると地面に座り込んで唖然としている四人の姿が見えた。
五年生チームだ。無事だった!良かったよ。
ケープがところどころ穴が開いたり、汚れたりはしていたけどどうやら大けがはしていない様子。
そしてこの事態を引き起こした六年生チームはと言うと、四人とも堂々としていて、しっかりとその場に立っていた。
それを見た私は怪我がなくて良かったと思う一方、流石は六年生だなと大いに感心していた。
それに五年生チームの特に前衛の二人だけど、大きな怪我がなかった。あの二人がシールドを新たに作れる暇はなかったはずだし、後ろの二人も体制を崩していて援護できる余裕はなかったと思うんだよね。
とすれば、六年生チームの前衛で戦っていた二人の女子生徒。あの二人が直前で攻撃をわざと回避させた、って事になるけど。それが本当だったら凄いコントロールだよ。
二人分の魔力で作った火の塊の軌道を寸でで変えるなんてね。
「エル、口が開いてるわよ」
「え、あっ、すみません」
思わず見入ってしまい、いつの間にか口も開いてしまっていたらしい。それを見かねたユキが苦笑しながら指摘してくる。
それにはっと我に返り、恥ずかしくなって私は慌てて口元を両手で隠す。
「ふふふ。それにしても凄かったわね」
「は、はい。凄い威力でした」
「まぁ貴方ならあれ以上が出来るでしょうけど」
「……ど、どうでしょうね」
ユキの言葉に私はまたしても苦笑い。出来そうだけど、自信はないかな、あれは。
「そこまで!勝者スチアートチームっ!」
呑気に話していると学院長の声が響き渡り、勝ったチームを告げる。すると会場からは割れんばかりの歓声が上がった。
勝負は六年生チームが勝ったんだけど、前衛の内の一人、その女子生徒。あの女の人、スチアート先輩って言うんだね。
格好良いな。何だろう、彼女自身も凛々しいし、それでいて活気的で魔法は力強かったし。
もう全てが格好良かったよ!
今の今まで名前すら知らなかったのに知った途端、彼女の姿が目から離れなくなる。それくらい感動をした一戦だったね。
スチアート先輩の戦いぶりを見て納得した。確かに最初から派手に魔法を使うと観客の視線を釘付けに出来るんだね。
周りを見回せば誰もかれもが彼女の事を見つめている。
ユキの言っていた、派手にすればするほど人の視線を引きつけられるってこう言う事ね。
確かに私もその一人だし。
先輩に至っては作戦かどうかは分からないけど、とりあえず効果は抜群ね。
「さて、見学はもう終わりよ。そろそろ行くわよ」
観客がざわつく中、ユキはそう言い立ち上がると私達を順番に見つめた。
そう、この後の第二戦目はついに私達の番だった。
うわぁ、緊張する!でもあれだけ特訓したんだから大丈夫だよねっ!
「準備は良いわね?」
ユキの問いかけに、私は前向きに心を入れ替え、そして顔を上げるとユキの視線をしっかりと受け止める。
「はい!勿論です」
「はい」
「頑張りましょう!」
私達は各々そう言葉を返すと大きく頷いたのだった。
六年生チームは四人とも女子生徒で、その内の二人が後方へと下がり、前に残った二人は同時に同じ魔法を展開させようとしていた。
今のを見た感じ、六年生チームは私達と同じスタイルで戦うつもりらしいね。
やっぱり四人だから、前衛二人、後衛二人に分かれた方が戦いやすいし、無難なのかな?
「「ファイアーキャノン!!」」
前衛の二人が同時に呪文を唱えると、目の前に巨大な火の塊が現れ五年生チームに向かってそれが放たれた。
二人分の魔力が合わさって通常の大きさよりも更に大きな火の塊が彼らを襲う。
観客席でも驚きの声が上がり、五年生チームが不利に見えた。
でも五年生チームもただぼうっと立っていたわけではなかった。
「シールド・アクティベートっ!」
「ストレングスンっ!」
五年生チームは男子生徒二人、女子生徒二人のチームで、その内の二人の男女が呪文を唱えて、迫りくる巨大な火の塊を迎え撃とうと素早く魔法を展開させる。
防御魔法を唱えたのは男子生徒、そしてその魔法を強化させる魔法は女子生徒の方が唱え、強固な目には見えない壁を作り出す。
――ドガンッ!!
そのシールドに火の塊が勢い良くぶつかる音が辺りに響き渡る。
衝撃は凄いようだけど、さっきシールドを強化したおかげか攻撃を耐えている。
それを見て攻撃を仕掛けている方はそのシールドを突破しようと、更に魔力を練り上げ威力を上げようとした。
威力の上がった火の塊、それを防ぐ壁。まるで前世の小説に出てくる盾と矛みたい。
あれって結局はどっちが勝ったんだっけ?
そもそも何でも貫き通す最強の矛と、何からでも守り通す鉄壁の盾、って言ってたような気がするけど、それって勝ち負けがちゃんとつくのかな?まさに矛盾する話。
まぁそれは小説の話だとして、今の状況が似ているってだけで小説と同じになるって事はないからね。
それに現実はちょっとした小さい変化で状況が一変してしまうものだし。
「ウォーターストリーム・アクティベートっ!」
中々シールドを破壊出来ない事に痺れを切らしたのか、後衛にいた六年生チームの女子生徒の内の一人が水魔法を展開させた。
彼女が唱えた瞬間、どこからともなく大量の水が流れをなして、五年生チームに襲い掛かった。
なるほど。きっと彼女は攻撃目的で水魔法を使ったんじゃない。相手の体制を崩す事を目的とした魔法ってわけね。
確かに水だったら、相手の足元に勢い良く流す事で滑らせたり、一瞬でも体制を崩す事が出来る。
魔法は繊細なもの。少しでも集中を切らせたりしたらどんなに強固なシールドを張っていようとも綻びが生じる。
彼女の狙いはそれだね。凄いよ、一瞬で相手の意表を突いた一手。
「っ!!」
「まずいっ!体制がっ」
作戦は上手くいき、前衛の二人は体制を崩してしまい、水の勢いが良い事もあって後衛の二人までもがその場で尻もちをついてしまっていた。
「今よっ!」
その隙を見逃す事無く、火の塊をコントロールしていた女子生徒は、綻びが生じたシールドに更に力を加え破壊する。
――パリンッ!
ガラスのように一瞬にして粉々にシールドが粉砕され、彼らを守る盾はなくなり、無防備になってしまう。
「これで終わりよっ!!」
勝負は着いた、そう言うかのように女子生徒は声を上げ、シールドを破った火の塊は茫然と見ている事しか出来ない彼らに迫り、そして――。
――ドガーンッ!!!
「わぁっ!!」
もの凄い音を立てて火の塊は辺りに火の気をまき散らし、やがて拡散していった。
そのあまりの爆炎に観客席の方にまで火の気が飛び散り、私は思わず声を上げてしまった。
とは言っても、天井と同じで、観客席にも生徒達をこう言ったとばっちりから守るために防御魔法が施されていて、今もしっかりと発動していたんだけどね。
「び、びっくりしました……」
「凄い勢いだったわね」
ユキ、私、アリンちゃん、エミリーさんと横並びで並んでいるんだけど、左右を見るとユキとアリンちゃんは関心はしているけどあんまり驚いていないみたいだった。四人の中で驚いていたのは私とエミリーさんだけだったよ。
……何で動じないんだろう。この二人……。
そんな二人に私は苦笑いを浮かべる。でもそこではっと我に返る。
……そ、そう言えばあんなに凄い火の塊を五年生チームはもろに受けていた、よね?
だ、大丈夫なのかな……?
あれだけ離れているのにこの観客席にまで火の気が来たんだから、攻撃をまともに食らっていたら彼らは無事じゃすまない……。
心配で会場を凝視して無事なのを確認したいのに、未だに漂う煙のせいでどうなっているのか見えなくて、それが私の不安を更に煽る。
「ウィンドっ!」
唐突に会場から声が響き、魔法が展開される。誰が使ったのかは分からないけど、多分六年生チームの誰かでしょうね。
女性の声で唱えられたのは風の魔法。誰でも使える簡単な程度のもの。
でもこの煙を消し去るには十分だったようで、直ぐに視界も開けていった。
……か、会場が……。
煙がなくなった事により会場の様子が見える。でもその有様がまた凄い事になっている。
地面は抉れて、さっきの火の塊によってどこもかしこも焦げてしまっていた。
あっ!
会場は言葉が出ない程酷い有様だったけど、良く見ると地面に座り込んで唖然としている四人の姿が見えた。
五年生チームだ。無事だった!良かったよ。
ケープがところどころ穴が開いたり、汚れたりはしていたけどどうやら大けがはしていない様子。
そしてこの事態を引き起こした六年生チームはと言うと、四人とも堂々としていて、しっかりとその場に立っていた。
それを見た私は怪我がなくて良かったと思う一方、流石は六年生だなと大いに感心していた。
それに五年生チームの特に前衛の二人だけど、大きな怪我がなかった。あの二人がシールドを新たに作れる暇はなかったはずだし、後ろの二人も体制を崩していて援護できる余裕はなかったと思うんだよね。
とすれば、六年生チームの前衛で戦っていた二人の女子生徒。あの二人が直前で攻撃をわざと回避させた、って事になるけど。それが本当だったら凄いコントロールだよ。
二人分の魔力で作った火の塊の軌道を寸でで変えるなんてね。
「エル、口が開いてるわよ」
「え、あっ、すみません」
思わず見入ってしまい、いつの間にか口も開いてしまっていたらしい。それを見かねたユキが苦笑しながら指摘してくる。
それにはっと我に返り、恥ずかしくなって私は慌てて口元を両手で隠す。
「ふふふ。それにしても凄かったわね」
「は、はい。凄い威力でした」
「まぁ貴方ならあれ以上が出来るでしょうけど」
「……ど、どうでしょうね」
ユキの言葉に私はまたしても苦笑い。出来そうだけど、自信はないかな、あれは。
「そこまで!勝者スチアートチームっ!」
呑気に話していると学院長の声が響き渡り、勝ったチームを告げる。すると会場からは割れんばかりの歓声が上がった。
勝負は六年生チームが勝ったんだけど、前衛の内の一人、その女子生徒。あの女の人、スチアート先輩って言うんだね。
格好良いな。何だろう、彼女自身も凛々しいし、それでいて活気的で魔法は力強かったし。
もう全てが格好良かったよ!
今の今まで名前すら知らなかったのに知った途端、彼女の姿が目から離れなくなる。それくらい感動をした一戦だったね。
スチアート先輩の戦いぶりを見て納得した。確かに最初から派手に魔法を使うと観客の視線を釘付けに出来るんだね。
周りを見回せば誰もかれもが彼女の事を見つめている。
ユキの言っていた、派手にすればするほど人の視線を引きつけられるってこう言う事ね。
確かに私もその一人だし。
先輩に至っては作戦かどうかは分からないけど、とりあえず効果は抜群ね。
「さて、見学はもう終わりよ。そろそろ行くわよ」
観客がざわつく中、ユキはそう言い立ち上がると私達を順番に見つめた。
そう、この後の第二戦目はついに私達の番だった。
うわぁ、緊張する!でもあれだけ特訓したんだから大丈夫だよねっ!
「準備は良いわね?」
ユキの問いかけに、私は前向きに心を入れ替え、そして顔を上げるとユキの視線をしっかりと受け止める。
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