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第7章 Memory~二人の記憶~
13 敵か味方か
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「さて、とっとと倒すか」
私を背に庇いつつアレスからそんな呟きが聞こえてくる。
全くと言って良い程、アレスからは焦った様子は感じず、寧ろ熱が上がってやる気に満ちているようだ。
「さあ容赦はしない!死にたい奴からかかってこいっ!!」
様子を伺っていた賊達に挑発するように言い放つと、それを合図に一切に男達が武器を手に向かって来て、それを迎え撃とうとアレスは戦闘態勢を取る。
「サンダーボルトっ!」
けれど賊達の攻撃はこちらに届く事はなかった。
透き通るような声と突如目の前に天からの稲妻が光った為だ。それは勢い良く地面へと落ちたかと思うと、私達と賊達の間の地面を裂き、大きな亀裂生んだ。
な、何っ?……何が起こったの?
いまいち状況が呑み込めない私はアレスの背中にぴったりとくっつき、大きくなる不安な気持ちを必死に堪えた。
そして恐る恐る周りを見回すと、一人の人物に目が釘付けとなった。
「全く、多勢に無勢とは……。卑しい奴らじゃの」
そんな言葉と共に、声の主は軽やかな動きで地面へと降り立った。
現れたのは一人の少女だった。辺りが薄暗くとも見て取れる程濃い真紅の髪に真紅の瞳。どこからどう見ても少女にしか見えないその人物は、まるで天から舞い降りて来たと錯覚する程空高くから私達の目の前に舞い降りて来たのだ。
「……誰だ?」
見た目が少女でも敵でないとは限らない。そう思ったのだろうアレスは警戒心を解く事なくその少女へと問う。
すると背中を向けていた少女はこちらに振り向き一瞥するとにやりと笑った。
「妾はここをただ通りすがっただけじゃ。気にするな」
それ以上は聞くな、と言わんばかりにまた背を向けてしまった。
「それにまずはこいつ等を片付けなければ静かに話をする事も出来まい」
その言葉に少女ばかりに気を取られていて忘れていたけれど、周りを見ればまだ賊達がこちらの様子を伺うようにして立っているのが目に入り、まだ終わっていないのだと気づく。
賊達も私達の事よりも今はこの目の前の少女の登場に目が釘付けになっているようだったけれど。
「お主等はそこを動くでないぞ。直ぐに終わらせる、そこで待っておれ」
そう言うと少女は地面を強く蹴り、この場にいる全員を唖然とさせてしまう程の跳躍で一気に賊達の元へと飛んでいくと、呆気に取られていた賊達を次々と倒していく。
細い脚から放たれる強力な蹴りで相手を吹き飛ばし、どこからそんな力が出るのかと疑問を抱くが、白く今にも折れてしまいそうな腕から放たれる重い拳が男達の腹に食い込み、同じように賊を吹き飛ばしていった。
……つ、強い。何なの、この子……。
それに先程の稲妻は魔法……?
身体能力がこれだけ高く、しかも魔法まで使えるなんて……、ただ者じゃないわ。
そうは思っても私達は唯々その様子を黙って見守っている事しか出来なかった。
「ふう、漸く片付いたようじゃな。待たせたな」
……瞬殺。まさにその言葉がしっくりくる。
そんな早業で賊達を倒して戦闘不能にした少女は、一息吐き何事もなかったかのようにこちらに歩いてくる。
あれだけ動いていたのに全くと言って良い程息は上がっていない。
本当に何者……?
「お前何者だ」
私の代わりに歩み寄ってくるその少女にアレスは低い声で訊ねた。
「何者、か。そうじゃな……、ただの少女と言っても納得はしないだろうな」
自分に言い聞かせるような口振りをすると、今度は指を口元にあて、何かを悩むように頭を捻った。
その時ふと気が付いた事がある。
その少女はあまりにも子どもと言っては違和感があるのだが、それが良く分かるのは言葉遣いだと言う事。
聞きなれない言葉遣いのせいで尚更大人びてしまうのだ。
もし目の前の少女を見る事なく、会話だけをしていたら大人と普通に会話をしていると勘違いしてしまってもおかしくはない。
そこまで考えて私達が警戒をして見ていると、少女は意を決したと言う顔でこちらを見た。
「仕方ない……。お主等には妾が何者か明かそう」
そう言って小さな少女はゆっくりと私達の目の前まで歩いてくると顔を上げ名乗りを上げた。
「妾はルリアーナ。ルリアーナ・リーリス・アインフェルトじゃ」
この出会いが後に女王と呼ばれる彼女――ルリアーナとの出会いだった。
私を背に庇いつつアレスからそんな呟きが聞こえてくる。
全くと言って良い程、アレスからは焦った様子は感じず、寧ろ熱が上がってやる気に満ちているようだ。
「さあ容赦はしない!死にたい奴からかかってこいっ!!」
様子を伺っていた賊達に挑発するように言い放つと、それを合図に一切に男達が武器を手に向かって来て、それを迎え撃とうとアレスは戦闘態勢を取る。
「サンダーボルトっ!」
けれど賊達の攻撃はこちらに届く事はなかった。
透き通るような声と突如目の前に天からの稲妻が光った為だ。それは勢い良く地面へと落ちたかと思うと、私達と賊達の間の地面を裂き、大きな亀裂生んだ。
な、何っ?……何が起こったの?
いまいち状況が呑み込めない私はアレスの背中にぴったりとくっつき、大きくなる不安な気持ちを必死に堪えた。
そして恐る恐る周りを見回すと、一人の人物に目が釘付けとなった。
「全く、多勢に無勢とは……。卑しい奴らじゃの」
そんな言葉と共に、声の主は軽やかな動きで地面へと降り立った。
現れたのは一人の少女だった。辺りが薄暗くとも見て取れる程濃い真紅の髪に真紅の瞳。どこからどう見ても少女にしか見えないその人物は、まるで天から舞い降りて来たと錯覚する程空高くから私達の目の前に舞い降りて来たのだ。
「……誰だ?」
見た目が少女でも敵でないとは限らない。そう思ったのだろうアレスは警戒心を解く事なくその少女へと問う。
すると背中を向けていた少女はこちらに振り向き一瞥するとにやりと笑った。
「妾はここをただ通りすがっただけじゃ。気にするな」
それ以上は聞くな、と言わんばかりにまた背を向けてしまった。
「それにまずはこいつ等を片付けなければ静かに話をする事も出来まい」
その言葉に少女ばかりに気を取られていて忘れていたけれど、周りを見ればまだ賊達がこちらの様子を伺うようにして立っているのが目に入り、まだ終わっていないのだと気づく。
賊達も私達の事よりも今はこの目の前の少女の登場に目が釘付けになっているようだったけれど。
「お主等はそこを動くでないぞ。直ぐに終わらせる、そこで待っておれ」
そう言うと少女は地面を強く蹴り、この場にいる全員を唖然とさせてしまう程の跳躍で一気に賊達の元へと飛んでいくと、呆気に取られていた賊達を次々と倒していく。
細い脚から放たれる強力な蹴りで相手を吹き飛ばし、どこからそんな力が出るのかと疑問を抱くが、白く今にも折れてしまいそうな腕から放たれる重い拳が男達の腹に食い込み、同じように賊を吹き飛ばしていった。
……つ、強い。何なの、この子……。
それに先程の稲妻は魔法……?
身体能力がこれだけ高く、しかも魔法まで使えるなんて……、ただ者じゃないわ。
そうは思っても私達は唯々その様子を黙って見守っている事しか出来なかった。
「ふう、漸く片付いたようじゃな。待たせたな」
……瞬殺。まさにその言葉がしっくりくる。
そんな早業で賊達を倒して戦闘不能にした少女は、一息吐き何事もなかったかのようにこちらに歩いてくる。
あれだけ動いていたのに全くと言って良い程息は上がっていない。
本当に何者……?
「お前何者だ」
私の代わりに歩み寄ってくるその少女にアレスは低い声で訊ねた。
「何者、か。そうじゃな……、ただの少女と言っても納得はしないだろうな」
自分に言い聞かせるような口振りをすると、今度は指を口元にあて、何かを悩むように頭を捻った。
その時ふと気が付いた事がある。
その少女はあまりにも子どもと言っては違和感があるのだが、それが良く分かるのは言葉遣いだと言う事。
聞きなれない言葉遣いのせいで尚更大人びてしまうのだ。
もし目の前の少女を見る事なく、会話だけをしていたら大人と普通に会話をしていると勘違いしてしまってもおかしくはない。
そこまで考えて私達が警戒をして見ていると、少女は意を決したと言う顔でこちらを見た。
「仕方ない……。お主等には妾が何者か明かそう」
そう言って小さな少女はゆっくりと私達の目の前まで歩いてくると顔を上げ名乗りを上げた。
「妾はルリアーナ。ルリアーナ・リーリス・アインフェルトじゃ」
この出会いが後に女王と呼ばれる彼女――ルリアーナとの出会いだった。
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