幸せな人生を目指して

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第7章 Memory~二人の記憶~

22 光の守護

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「無事か?二人共」

「ルリアーナ!」

「平気だ。リリーシェも俺が守っていたからな」

「それなら良い。遅くなってすまなかった」

襲撃してきた黒ずくめの男達。それを全員アレスが倒し、今は拘束魔法で自由を奪っている状態だった。
それから直ぐにアレスがルリアーナに連絡を入れてくれたんだけど、私としてはいくら彼らを拘束していると言っても何があるか分からないから離れない方が良い気がするのだけど、アレスが少しその場を離れるよう促す為、仕方なく今は二人して離れた場所でルリアーナが来るのを待っていた。

それとルリアーナは遅くなってと言っているが寧ろ連絡してから直ぐに駆け付けてくれて、その速さに驚くくらいなのだが。
その速さでやって来たと言うのにやっぱり彼女は少しも息を上げていない。それに馬もいないようで、つまりその足でここまで来てくれたと言う事だ。
本当に凄い身体能力だな、と改めて感心してしまう。

「それで襲撃者だが、今妾の配下の者達に対処させている。連絡で聞いたがアレスの拘束魔法も掛かっているのだろう?ならば尚更もう逃げられまい」

「ああ。それじゃそいつらの身柄は任せても良いって事だな?」

「うむ。この先は妾が責任を持って預かろう。安心するが良い、妾の元にいる限り決して逃がしはしない」

自信満々にそう言い切ったルリアーナの瞳が一瞬ぎらりと怪しく光りを放つ。

「こんなに小さいのに言ってる事は説得力あるし一応頼りにもなるんだから不思議だよな」

「むっ、一言余計じゃ!」

アレスのその一言にルリアーナが先程とは違った殺気の籠った瞳でぎろりとアレスを睨み返し、しかしその視線を受けても彼は平然と笑っていたのだった。


「さて、お主達はもう行くのか?」

腕組みをして近くにある気に凭れ掛かりながらルリアーナはそう聞いてくる。

「ああ、また襲撃されても面倒だ。早い内にここを去るよ」

いくらアレスが強くても出来る事なら争いは避けたい。目的のためにも。そう言った理由で先を急いでいる訳だし、ここで立ち止まっている訳には行かないものね。

「そうか。だがその前にそろそろはっきりさせておきたい事がある」

「……?」

「何をだ?」

不意に呟かれたルリアーナの言葉に私達は同時に首を傾げる。

「そろそろ姿を現したらどうじゃ?」

彼女は私達の疑問には答えず、私、いや、私の背後と言った方が近いか、誰もいないはずのその場所を睨みつけるとその誰かに向かって彼女は問いかけた。

「お主達に初めて会った時から感じていた気配。リリーシェについている者の気配。そうじゃろう?」

「気が付いていたのね。種族の中で最強と言われるだけの事はあるわね」

……っ!!

ルリアーナの問いかけに応える声。それも自分の直ぐ近くから。
大人っぽい口調だけど声は小さな子どものような、そんな印象を与える声。

声がした瞬間、驚いて振り返るとそこにはいつの間にか宙に浮き、身体から光が溢れ、何とも愛らしい顔をした幼女の姿が浮かび上がっていたのだ。

……女神様……?
思わずそう思ってしまう程にその幼女は神々しかった。

「リリーシェっ」

私が優艶に微笑む幼女に目を奪われていると突然アレスに名前を呼ばれ、そして腕を引っ張られる。
その勢いのまま彼の胸の中へとすっぽりとはまり、彼に守られるようにして抱きしめられた。

「お前何者だ?」

普段のアレスからは聞く事のないような低い声が頭上から降ってくる。突然現れた幼女に私以上にアレスの方が警戒心を剥き出しにしているようだ。
アレスの視線は幼女に釘付けで一瞬も隙を見せずに、私もそんな彼の腕の中からもう一度幼女へと視線を向けた。

「もう、そんなに警戒しないで頂戴。私は貴方達の敵ではないわ」

幼女は怒ったように可愛らしく頬を膨らませ、細い腰に手を当てて抗議の声を上げた。
しかし本気で怒っている様子はなく、直ぐに口元には笑みが浮かぶ。

「警戒されたままなのは流石に悲しいわ。と言う事で自己紹介をするわね」

そう言って幼女は花が綻ぶように微笑むと名乗った。

「私はウルティナ。光を司る精霊よ」
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