俺はモブなので。

バニラアイス

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帰省期間終了

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帰省期間が終了し、学園へ戻る当日。


「えへへ...」

「うわ...気持ち悪いわね。」 

指輪を眺めニヤつく俺の姿に、母が顔を歪めながら開口一番にそう言った。

「うるさいな。」

自分の息子に対して酷い言いようだ。

「しばらく会えなくなる息子に対して酷いな。」

「事実よ。...あれよりマシだけどね。」

溜息混じりに振り返る母に、そこは同意する。

「ぐすっ...も、もう、行ってしまうのか?」

「父さん、少し落ち着いてください。」

大の大人が泣きじゃくりながら兄に慰められている姿を、一週間以上は見ていると思う。

「あなた、流石にうざいわよ。」

「だって...」

「まったく、情けない。クラン、連れて行きなさい。」

「分かった。ごめんなクレノ、ろくに見送りもできなくて。」

「大丈夫。見送りより、父さんを早く連れて行ってほしいよ。」

「あぁ。父さん、行くよ。」

「うぅ...いつでも戻って来ていいからなっ....」

「はいはい。分かったから。」

父は呆れた表情の兄に家の中へと引き摺られて行った。

「あー、あれはクランだけじゃ可哀想だな。俺も子爵様を慰めに行ってくるわ。」

「すみません...」

呆れ顔で言うハンスさんに、迷惑をかけて申し訳なく思う。

「またな、クレノ。」

ハンスさんは俺の頭を撫で、父と兄の元へと向かい、俺と母だけになった。


「...クレノ。」

突然、母が俺の頭を荒く掻き回す。

「ちょ...なんだよ!?」

「...幸せになりなさいよ。」

「え...?」

ポツリと呟いたその言葉を母が本当に言ったのか信じられず顔を上げると、母は照れくさそうにそっぽを向いて歩き出す。

「母さん...」

母がそんな事を言うなんて思わず戸惑うが、それ以上に嬉しかった。


「いい母親だな。」

馬車の準備が終わったのか、いつの間にか隣にいた第二皇子が微笑む。

「...はい。尊敬してます。」

なんだかんだ、尊敬できる偉大な母だと思う。

「それじゃあ、行こうか。」

色々あったが楽しかったなと思いながら手を取り、馬車に乗った俺達は学園へと戻った。

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