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【Side】ラインハルト 3。
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「一体どういうことなんだ!!」
「いえ、旦那様、ですから何度も決裁の書類をお願いしておりましたが」
「なんだと! 私が悪いとそう言うのか!?」
「私共は日常の業務を精一杯こなしてまいりました。しかしながら……」
「ではどうしてこれほどまでに資金が目減りするのだ!」
「仕入れの支払いにも店舗の維持管理、従業員の給金にも費用はかかります。それに以前決済された投資案件にも資金は拠出しておりますが、そちらの回収の目処がたっておりませんので……」
「なんだと!? あれは必ず成功すると、儲かると、そういう触れ込みではなかったか!」
「そちらの新規事業を立ち上げたブルックリン子爵は破産し行方がわからなくなりました。おそらく、借金苦に命を絶ったのではというのが巷の噂でございます」
「なんと! ではそちらに出資した60億ゴールドは……」
「はい。回収はほぼ不可能か、と」
「マクベス伯爵は!? 必ず成功するからと売り込みにきたやつはどうなったのだ!?」
「伯爵は、子爵が破産する前に資産を回収し、事業からは撤退したとのことです」
「なんと! なぜそれを早く言わない!」
「ですから、子爵の事業が傾き始めた頃にそちらの概要と撤退の提案を致しました。あとは旦那様の決済待ちでございました」
「う、く……。なるほど……。しかしそれだけではないな、目減りした資産は60億どころではないではないか!」
「王都内にある店舗の大半が赤字に陥っておりますれば……」
「なぜだ!!」
「仕入れ値が変われば売値も変えねばなりません、その都度旦那様に決済をお願いしておりましたが……」
「そんなもの! お前たちでなんとかすればいいではないか!」
「権限が、ございません……。そもそも仕入れをするものと販売を手がけるものは別の者ですし、販売をするものは仕入れ値を知り得ません。以前はすべて奥様に決済を仰いでおりましたので……」
「ではわかった。これよりその権限とやらをお前セバスに与える。なんとかしてみせろ!」
「恐れながら、旦那様、私共では商品の適正価格の判断がつきません。市場の価格を勘案せず高値をつけても商品は売れ残るだけになります。先日も旦那様に値付けをしていただいた作物が売れ残り、大量の廃棄がでてしまいました。せめてそういった市場調査にも人材を割いていただいて……」
「ああ、わかった。お前はすべて私のせいだとそう言いたいのだな!?」
「いえ、旦那様、我が商会で扱っている商品は多種多様でとても一人で把握しきれるものではございません。ですから、そういった経営部門に人材を割いていただけますようお願い申し上げます」
「どういう事だ!? エルグランデ公爵家からも何人も人を派遣してもらっている筈だろう? それでは足りないというのか!?」
「従業員はあくまで従業員でございます。実務に優秀であっても自ら経営に口を出せるわけもございません」
ラインハルトは苦々しく顔を歪め、セバスを睨め付けた。
「よし、わかった。経営ができる、采配ができる人材を連れ戻せばいいと、そう言う事だな!?」
「ああ、旦那様。よろしくお願い致します」
セバスは深々とお辞儀をし、部屋をあとにする。ラインハルトは机の上にあったインク壺を手に取り、セバスが出ていったドアに向けて投げつけた。
「いえ、旦那様、ですから何度も決裁の書類をお願いしておりましたが」
「なんだと! 私が悪いとそう言うのか!?」
「私共は日常の業務を精一杯こなしてまいりました。しかしながら……」
「ではどうしてこれほどまでに資金が目減りするのだ!」
「仕入れの支払いにも店舗の維持管理、従業員の給金にも費用はかかります。それに以前決済された投資案件にも資金は拠出しておりますが、そちらの回収の目処がたっておりませんので……」
「なんだと!? あれは必ず成功すると、儲かると、そういう触れ込みではなかったか!」
「そちらの新規事業を立ち上げたブルックリン子爵は破産し行方がわからなくなりました。おそらく、借金苦に命を絶ったのではというのが巷の噂でございます」
「なんと! ではそちらに出資した60億ゴールドは……」
「はい。回収はほぼ不可能か、と」
「マクベス伯爵は!? 必ず成功するからと売り込みにきたやつはどうなったのだ!?」
「伯爵は、子爵が破産する前に資産を回収し、事業からは撤退したとのことです」
「なんと! なぜそれを早く言わない!」
「ですから、子爵の事業が傾き始めた頃にそちらの概要と撤退の提案を致しました。あとは旦那様の決済待ちでございました」
「う、く……。なるほど……。しかしそれだけではないな、目減りした資産は60億どころではないではないか!」
「王都内にある店舗の大半が赤字に陥っておりますれば……」
「なぜだ!!」
「仕入れ値が変われば売値も変えねばなりません、その都度旦那様に決済をお願いしておりましたが……」
「そんなもの! お前たちでなんとかすればいいではないか!」
「権限が、ございません……。そもそも仕入れをするものと販売を手がけるものは別の者ですし、販売をするものは仕入れ値を知り得ません。以前はすべて奥様に決済を仰いでおりましたので……」
「ではわかった。これよりその権限とやらをお前セバスに与える。なんとかしてみせろ!」
「恐れながら、旦那様、私共では商品の適正価格の判断がつきません。市場の価格を勘案せず高値をつけても商品は売れ残るだけになります。先日も旦那様に値付けをしていただいた作物が売れ残り、大量の廃棄がでてしまいました。せめてそういった市場調査にも人材を割いていただいて……」
「ああ、わかった。お前はすべて私のせいだとそう言いたいのだな!?」
「いえ、旦那様、我が商会で扱っている商品は多種多様でとても一人で把握しきれるものではございません。ですから、そういった経営部門に人材を割いていただけますようお願い申し上げます」
「どういう事だ!? エルグランデ公爵家からも何人も人を派遣してもらっている筈だろう? それでは足りないというのか!?」
「従業員はあくまで従業員でございます。実務に優秀であっても自ら経営に口を出せるわけもございません」
ラインハルトは苦々しく顔を歪め、セバスを睨め付けた。
「よし、わかった。経営ができる、采配ができる人材を連れ戻せばいいと、そう言う事だな!?」
「ああ、旦那様。よろしくお願い致します」
セバスは深々とお辞儀をし、部屋をあとにする。ラインハルトは机の上にあったインク壺を手に取り、セバスが出ていったドアに向けて投げつけた。
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