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おじさま。
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よく見ていると新作を大事そうに持ってお店を出て行く女性に混ざって、数人の無骨な男性が大量の荷物を抱えて出てくるのが見えた。
お嬢様に付き従った荷物持ちの男性もいるから最初は不思議に思わなかったけれどどうやら違う。
主人の代わりに買いに来た従者、って感じでもない、かな。
「あれは……。トマスか」
「え? トマスって」
「この間セバスが言ってた彼の後釜だよアリーシア。抱えている荷物を馬車に運び込みまた店に入ろうと並んで。ああ、あいつら半額の衣装狙いか」
「そんな、ブラウド商会の方が来ているってことですか?」
「まあ、そうだろうね。エリカティーナの商品はもともとブランド志向で原価が高い。半額っていうのは正直原価割れを起こしているわけだからね。ここで買ってブラウド商会で売れば利益が出るとでも思ったのかもしれんね」
あら、マクギリウスったら言葉遣いが元に戻ってる。
わたくしはその方がしっくりきていいですけど。
マクギリウスに丁寧な言葉遣いをされるのはなんだか背中が痒くなる気がして苦手。
に、しても。
そうですかー。そういう手段にきましたかー。
買っていただけるのはこちらとしては不良在庫がはけて助かりますが、でも半額で出ている商品の大半が流行遅れだったり倉庫に長い間放置されたおかげか生地が痛む寸前だったりしてたもの。
あちらでも売れ残らなければ良いのですが……。
「ほんとにバカだな。どうせラインハルトの浅知恵だろう。そんな事をするくらいならどうして店ごと売りに出す前にやらなかった。安いといってもせいぜいが一割程度だ。ほぼ変わらないものだってある。そんな金使うなら新作を仕入れて売るくらいの真似すればいいんだよ」
ほんと、そうです……。
こうして買い漁ってくださるのはいいのですけれど、それであちらで売れ残ったりしたら……。
わたくしが考えてもどうしようもない事ですが、なんだかすっきりしませんね……。
「まあ俺たちが考えてもしょうがないか。それよりアリーシア。セールはほぼ成功だ。売り上げもかなり見込めそうだな。肝心の在庫が底をつく可能性もあるが、そこはそれ。その分新作をどんどん追加で仕入れて展示するとしようか」
「そうね。マクギリウス……」
考えてもしかたがないとは思いつつも頭の中がブラウド商会のことでいっぱいになってしまう。
もうわたくしには関係がない事だと言うのに。
ダメ。
考えてもどうにもならないことだというのに。
それよりも、今後はマギアアリアの方のテコ入れも考えていかなければいけないのに。
「あら、そちらにいらっしゃるのはもしかしてマクギリウスおじさまじゃございません?」
唐突に。そんなどうしようもない事を考えて俯いていたわたくしの背後から、可愛らしい声がした。
「違う、別人だ!」
機嫌の悪そうなマクギリウスの声。
「マクギリウス、どうしたの?」
振り向いたわたくしが見たのは……。
黒づくめのマクギリウスの腕に絡みつく可愛らしい少女。
白銀の髪に蒼いコケティッシュな瞳。白磁のような肌に可愛らしい唇。そんな美少女、で。
「ほら、やっぱりマクギリウスおじさまじゃない。わたくしの目は誤魔化せませんよ?」
そういたずらっぽく笑う彼女。
嫌そうな表情のマクギリウス。って、マクギリウスがおじさまって、そんな、どういうこと?
お嬢様に付き従った荷物持ちの男性もいるから最初は不思議に思わなかったけれどどうやら違う。
主人の代わりに買いに来た従者、って感じでもない、かな。
「あれは……。トマスか」
「え? トマスって」
「この間セバスが言ってた彼の後釜だよアリーシア。抱えている荷物を馬車に運び込みまた店に入ろうと並んで。ああ、あいつら半額の衣装狙いか」
「そんな、ブラウド商会の方が来ているってことですか?」
「まあ、そうだろうね。エリカティーナの商品はもともとブランド志向で原価が高い。半額っていうのは正直原価割れを起こしているわけだからね。ここで買ってブラウド商会で売れば利益が出るとでも思ったのかもしれんね」
あら、マクギリウスったら言葉遣いが元に戻ってる。
わたくしはその方がしっくりきていいですけど。
マクギリウスに丁寧な言葉遣いをされるのはなんだか背中が痒くなる気がして苦手。
に、しても。
そうですかー。そういう手段にきましたかー。
買っていただけるのはこちらとしては不良在庫がはけて助かりますが、でも半額で出ている商品の大半が流行遅れだったり倉庫に長い間放置されたおかげか生地が痛む寸前だったりしてたもの。
あちらでも売れ残らなければ良いのですが……。
「ほんとにバカだな。どうせラインハルトの浅知恵だろう。そんな事をするくらいならどうして店ごと売りに出す前にやらなかった。安いといってもせいぜいが一割程度だ。ほぼ変わらないものだってある。そんな金使うなら新作を仕入れて売るくらいの真似すればいいんだよ」
ほんと、そうです……。
こうして買い漁ってくださるのはいいのですけれど、それであちらで売れ残ったりしたら……。
わたくしが考えてもどうしようもない事ですが、なんだかすっきりしませんね……。
「まあ俺たちが考えてもしょうがないか。それよりアリーシア。セールはほぼ成功だ。売り上げもかなり見込めそうだな。肝心の在庫が底をつく可能性もあるが、そこはそれ。その分新作をどんどん追加で仕入れて展示するとしようか」
「そうね。マクギリウス……」
考えてもしかたがないとは思いつつも頭の中がブラウド商会のことでいっぱいになってしまう。
もうわたくしには関係がない事だと言うのに。
ダメ。
考えてもどうにもならないことだというのに。
それよりも、今後はマギアアリアの方のテコ入れも考えていかなければいけないのに。
「あら、そちらにいらっしゃるのはもしかしてマクギリウスおじさまじゃございません?」
唐突に。そんなどうしようもない事を考えて俯いていたわたくしの背後から、可愛らしい声がした。
「違う、別人だ!」
機嫌の悪そうなマクギリウスの声。
「マクギリウス、どうしたの?」
振り向いたわたくしが見たのは……。
黒づくめのマクギリウスの腕に絡みつく可愛らしい少女。
白銀の髪に蒼いコケティッシュな瞳。白磁のような肌に可愛らしい唇。そんな美少女、で。
「ほら、やっぱりマクギリウスおじさまじゃない。わたくしの目は誤魔化せませんよ?」
そういたずらっぽく笑う彼女。
嫌そうな表情のマクギリウス。って、マクギリウスがおじさまって、そんな、どういうこと?
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