包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 よのぎさんのおじいさんは目力の強い人。
 家は古く、秋なのにじめっとしていた。

「おじいちゃん、こちら私の旦那さんの七さん。とても有名なデザイナーさんなのよ」

 この家でなら場所がわかるからなのかよのぎさんが無駄なく動く。
 お茶っ葉を急須に入れる、ポットのお湯を注ぐ、おじいちゃんの湯呑に注ぐ。

「初めまして。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
 と僕は挨拶をした。

「よのぎ、もっと若い男を捕まえられなかったのか?」
 元大工さんらしく、70近くてもムキムキ。
 今でも手伝い程度に働き、近くで畑仕事もしているらしい。

「おじいちゃん、そんなこと言わないでよ。失礼よ」
 とよのぎさんが口を尖らす。

「ごもっともです」
 手土産のワッフルには誰も手を伸ばさない。

「あなたが世界のなんなのかは知らないけど、よのぎは大事な孫です」
 きれいな人のおじいさんはやっぱり目がきれい。

「わかっています。人生をかけて幸せにしたいと思っています」
「はい。よろしくお願いします」
 こういう人は上から目線ではだめだとか、そんなこっちのぬるい考えまでお見通しのようだ。

 よのぎさんは庭の動物たちの墓に手を合わせる。
「よのぎが子どものときからいろいろ飼ったんですよ。犬に猫、野生のタヌキを飼っているのがバレて怒られたり」
 飄々としているが、その皺の深さに苦労を感じられる。

「よのぎさんの親の居所は?」
 と尋ねてみた。
「あの子から?」
「いえ、弟さんから」

「本当に知らねぇ」
 こんなにおいしそうにタバコを吸う人を久しぶりに見た。

 おじいさんは、
「結婚式を挙げたら写真だけでも送ってください」
 とヤニで汚れた歯を見せて笑った。

「はい、必ず」
 必ず幸せにしよう。そのためだったらお金を全部使われても構わない。
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