包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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「本当はね、ウズラの卵を買ったの。七さん好きって言ったでしょう? だから煮物作ろうとして、でも煮物はカレーみたいにルーがないから味付けがわからなくて。しかもゆで卵がひとつもまともに剥けなかった。ダメな奥さんでごめんね」
 よのぎさんはようやくカレーとかハヤシライスとか、ルーを使う料理が作れるようになった。

「買ったばかりだと殻が剥きづらいんだよ」
「そうなんだ。そうそう、卵の裏側がとてもきれいな色してた」
「ああ、緑っていうか、萌黄」
 よのぎさんのドレスはその色にしよう。きっと似合う。

「わぁ、そのスカート素敵。柘榴みたい。触っていい?」
 よのぎさんが目を輝かせる、
「うん」
「とっても軽い。ふわふわ」
「それだけまだモデルさんに合わせられなくて。着てみる?」
「いいの?」
「歩きづらかったら教えて。上はこのシャツがいいかな」
 白地に薄い生地のストライプ。

 不思議なもので、こういうときによのぎさんの乳首が透けてもなんとも思わない。仕事スイッチのせいなのだろうか。
「見た目よりタイトなのね。歩きづらいってほどではないけど」
「よのぎさんよりも背の高いモデルさんが着る予定なんだ」
「そう」

「よのぎさん、これも着て」
「いいですよ」
 パソコン上でも、実際に作ってみても色が喧嘩しているように見えてたけど、よのぎさんが着たらしっくり。

「紫とカーキも合うんだな。よのぎさんだからかな。ちょっとこっちも持って当ててみて」
 よのぎさんのせいかもしれない。だから手で顔を隠すと、ふふっと小さく笑った。

「あ、ごめんなさい。七さん真剣なのに」
「ううん。ごめん、仕事じゃないのに」
「いいの。あなたの役に立つなら何でもしたい」
 こんなおじさんの頬を包んで笑うのは君だけだよ。触られると、お仕事モード終了。
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