包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 日本へ戻っても取材が待っていた。

 賞賛よりも、よのぎさんの、
「おかえり」
 が嬉しい。

「ただいま。そば食べたい」
「寒いけど、冷たい天ぷら付き?」
「よくわかるね」
「あなたの奥さんだからね」

 ちょっといいお店でそばをすすりながら、よのぎさんは家の工程表を見せてくれた。

「一人で建築事務所に行ったらまた写真撮られるよ」
「だから羽切さんがついてきてくれたの。歩きながら平然と『今はお腹に穴が開いている状態』なんて言うのよ。手術痕が痛そうなのに、ちゃんと私が一人で撮られないように密着してくれて。それもこれも七さんへの愛なんだろうな。普通できないよ。自分がずっと慕っていた男性が若いだけの女と結婚したら恨むはず」
「病気になってますます強くなったのかな」
「羽切さん、自分でもそう言ってた」
 そば湯を飲んでマンションに戻る。
 妻の隣りで眠ることが嬉しい。


 次の日だけ休みで、また仕事。
 お土産のチョコレートを一日一粒しか食べないよのぎさんを偉いなと思う。どうして自制できるのだろう。
 カメラマンからようやくニューヨークの写真が送られてきて、それを見て気味が微笑むから、つられてにやける。

 今日はうちで日本のコレクションのためによのぎさんの弟さんと打ち合わせ。
「バイト助かります。大学院へ進みたいので」
 モデルはあくまで彼にとっては臨時収入。

 家に呼んだのは、よのぎさんも会いたいだろうと思ったから。
「譲、見て。今、七さんと暮らす家を建てているの」
「でかいな。この納戸で俺暮らせそう」
「お前と一緒なんて御免蒙る」
 よのぎさんのそういう口調を初めて聞いた。まだ心を許されていないのだろうか。男と女でもきょうだいだから笑った顔が似ている。
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