包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 家ではよのぎさんがカレーを作ってくれていた。

「残念だったわね。ニュースで見たよ」
 譲くんを連れて家に帰った。夜にはこっちの電車も止まってしまったから。

「姉ちゃんのカレー初めて。へぇ、食べれそう」
「譲のほうが料理は上手だよね。手先が器用なのよ、男のくせに」
 細長い二人と食事を取る。

 謎だ。同じものを食べているくせによのぎさんは細長く、僕は横に伸びるばかり。コレクションのときは特に食事が不規則になってだめだ。

「姉さんも出ればよかったのに。お金になるし、スポットライト浴びて楽しい」
 譲くんは言った。

「仕事と遊びは違うわ」
「母さんから連絡があったよ」
 譲くんの言葉によのぎさんが言葉に詰まる。

「よのぎさん、僕は席を外そうか?」
「ううん。大丈夫」
 と僕の握りこぶしを包むように握った。

「今は四国にいるらしい」
 譲くんが言った。

「お遍路でもしてるの? そういうの好きだものね、あの人」
「知り合いの旅館で働いているそうだよ」
「新しい男?」
「そうじゃないらしい。父さんとも離婚はしているけど」
 よのぎさんが両親を、特に母親を嫌う理由はわからない。捨てられたと思っているのかもしれない。

「そう。それで譲に金の無心?」
「違うよ。現状報告って言ってた。そうやって連絡をたまに取り合えばいいじゃん? 一緒に暮らすのが家族じゃない。俺たちはもう大人なんだし」
「私は、一緒にいるのが家族だと思う」
 よのぎさんは寂しがり屋なのかもしれない。一人だと寂しくて、自傷するのは人間だけではないらしい。
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