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伴藤さんは竹細工の職人さんと石工さんを紹介してくれた。
一生懸命な人たちには弱いのだ。お金も惜しくない。
箪笥のリメイク代よりも業者への配送料のほうがかかる。いいのだ。お金は使うためにある。貯めていても溜まるだけ。
断り続けていたのに、『女性のために』という売り言葉によのぎさんは共感して、雑誌の取材を受けた。世界に挑む女の人、自立を促す女性たちとよのぎさんと肩を並べる理由がわからない。やはりよのぎさんに憧れている人は少なくないのだろう。たくさん努力したことが間違ってなかったと思わせてあげたい。
『夫さんの好きなところは全部です。仕事で若いときに知り合って、再会してすぐ結婚に至りましたが、ずっと私の中でもすごい人ですね。家でも仕事をしていて、あの気力と創造力が途切れないのは不思議です。私はあまり自分のことが好きではないのですが、彼が肯定をしてくれるのでモデルをしていた頃の自分を嫌いになれないというか。彼と結婚をして、やっと自分を労われるようになりました。最初は尊敬から始まって、夫婦になったら彼のかわいらしいところを見つけて、素敵な方ですね。魅力的です。
夫婦とは? うーん。絶対の味方ですかね。私、肌が乾燥しやすいので昨晩も寝ながらお尻を搔きむしっていたらしいのですが、それを止めてくれるし、軟膏も塗ってくれます。お尻を見せるのはまだ恥ずかしいですけどね。
本当になにをしても怒らないんですよ。料理も彼がしたほうがおいしいけど、年齢的に私が一人で生きる期間が長いと考えているのかきちんと教えてくれます。七さんは、よく笑いますね。顔をくしゃってして萌えます。二人とも幸せの沸点が低いのかな。似たような水玉の靴下を履くだけで嬉しいし笑っちゃってますね。幸せって値段がつけられないけど安上りな夫婦だと思います』
他のインタビューを受けた人はきりっとしているのに、よのぎさんだけめちゃくちゃ笑っていた。
自分にちょうどいい愛を見つけられたラッキーにただ感謝をしている。背伸びをしてしまうのが人間だし、片意地を張ってしまう人もいる。
「失敗したな。最後の文章がきっと反感買いますよね。『旦那の金で暮らしているくせに』とか『夫が金持ちだから生活に余裕がある』とか」
よのぎさんが雑誌を閉じる。
後半部分に仕事を辞めた理由や毎日の生活のことが書かれてた。今が幸せならいい。人を幸せにするために生きる人もいる。自分の幸せが全ての人もいる。
「ずっと読んでいたい文章だよ。また棺桶に入れてもらいたいものが増えちゃった。リストに書いておかないと」
僕は言った。
「えへへへ。恥ずかしいわ」
最近、そういう物が増えた。死ぬ前に普通は断捨離に励むらしいが僕は結婚してからいろんなものが捨てられない。収集癖はないほうだ。本当はよのぎさんの裸の写真を撮りたいけどそんなことをしたら嫌われるってわかっているから寝顔で我慢。
老眼のこの目に焼き付けておくよ。匂いも感触も、全部。
一生懸命な人たちには弱いのだ。お金も惜しくない。
箪笥のリメイク代よりも業者への配送料のほうがかかる。いいのだ。お金は使うためにある。貯めていても溜まるだけ。
断り続けていたのに、『女性のために』という売り言葉によのぎさんは共感して、雑誌の取材を受けた。世界に挑む女の人、自立を促す女性たちとよのぎさんと肩を並べる理由がわからない。やはりよのぎさんに憧れている人は少なくないのだろう。たくさん努力したことが間違ってなかったと思わせてあげたい。
『夫さんの好きなところは全部です。仕事で若いときに知り合って、再会してすぐ結婚に至りましたが、ずっと私の中でもすごい人ですね。家でも仕事をしていて、あの気力と創造力が途切れないのは不思議です。私はあまり自分のことが好きではないのですが、彼が肯定をしてくれるのでモデルをしていた頃の自分を嫌いになれないというか。彼と結婚をして、やっと自分を労われるようになりました。最初は尊敬から始まって、夫婦になったら彼のかわいらしいところを見つけて、素敵な方ですね。魅力的です。
夫婦とは? うーん。絶対の味方ですかね。私、肌が乾燥しやすいので昨晩も寝ながらお尻を搔きむしっていたらしいのですが、それを止めてくれるし、軟膏も塗ってくれます。お尻を見せるのはまだ恥ずかしいですけどね。
本当になにをしても怒らないんですよ。料理も彼がしたほうがおいしいけど、年齢的に私が一人で生きる期間が長いと考えているのかきちんと教えてくれます。七さんは、よく笑いますね。顔をくしゃってして萌えます。二人とも幸せの沸点が低いのかな。似たような水玉の靴下を履くだけで嬉しいし笑っちゃってますね。幸せって値段がつけられないけど安上りな夫婦だと思います』
他のインタビューを受けた人はきりっとしているのに、よのぎさんだけめちゃくちゃ笑っていた。
自分にちょうどいい愛を見つけられたラッキーにただ感謝をしている。背伸びをしてしまうのが人間だし、片意地を張ってしまう人もいる。
「失敗したな。最後の文章がきっと反感買いますよね。『旦那の金で暮らしているくせに』とか『夫が金持ちだから生活に余裕がある』とか」
よのぎさんが雑誌を閉じる。
後半部分に仕事を辞めた理由や毎日の生活のことが書かれてた。今が幸せならいい。人を幸せにするために生きる人もいる。自分の幸せが全ての人もいる。
「ずっと読んでいたい文章だよ。また棺桶に入れてもらいたいものが増えちゃった。リストに書いておかないと」
僕は言った。
「えへへへ。恥ずかしいわ」
最近、そういう物が増えた。死ぬ前に普通は断捨離に励むらしいが僕は結婚してからいろんなものが捨てられない。収集癖はないほうだ。本当はよのぎさんの裸の写真を撮りたいけどそんなことをしたら嫌われるってわかっているから寝顔で我慢。
老眼のこの目に焼き付けておくよ。匂いも感触も、全部。
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