【再々掲】男だけの異世界に転移しちゃった! 異世界人生は2択で進む「抱く」「抱かれる」さあ、どっち?

緒沢利乃

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秘密がバレた

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暗転。

なんか、周りが暗い。
俺、どうしたんだっけ?

そもそも事故で呆気なく死んで、転生するのにふざけたクジで人生を勝手に決められて、男ばっかりの世界に転生じゃなくて転移で放り込められて。
【人生の選択】とかいう厄介なスキルのせいで、あちこちの男からの好意? 下心? に気づかされて。
挙句の果てには、刃傷沙汰だよ。
「俺のために争わないで~」って、どこの三文芝居なんだ……。

もう一回、クジを引かせてくんないかな?
もう、女の子にモテモテになりたいとか、チート能力でウハハハになりたいとか言わない。
モブでいい。
平和な世界で、ひっそりと生きるモブでいいので、もう一回やり直させてください。

むむむむ、と呪う勢いで祈っていると、なんだか耳元がガヤガヤとうるさい。
おい、静かにしろよっ! こっちは、神様に必死に祈ってんだから……。
て、あれ?
俺、どうしたんだっけ?




パチリ。
目を開けて飛び込んでくる四つのイケメン……!
視力の暴力!

「ああ……。良かったわ。アオイちゃん、大丈夫?」

「アオイ、しっかりしろ。怪我してないか?」

「アオイさん?」

「…………」

いや、最後。
お前のせいで、俺、めちゃくちゃ走り回ったんだからな! なんか言えっ!

「……ここ、どこ?」

はて?
俺はルイさんを助けるためにアルカサル侯爵家まで爆走し、今まさに襲われるルイさんに声を掛けて……。

チラリ。
黒いローブのフードを肩まで下ろしているから、黒い巻き毛と赤い、ルビーみたいな瞳がよく見える。

「ここは、アルカサル侯爵家の私の部屋ですよ。アオイさんが気を失ってしまったので、ここへ運んで休ませていたのです」

「……ありがとう、ございます。……イリヤさんたちは?」

俺、呼んでないぞ?
なんでいるの?
しかもイリヤさんとジンとふたりで?

「わたしが襲われたのを聞いて、ギルドに来てくれたんでしょ? 受付の子がアオイちゃんの様子がおかしかったって聞いて、心配で……」

「俺たち、アオイの後を追ったんだよ。そうしたらこの屋敷の裏で声が聞こえたから」

なでなで。
状況は説明して欲しいんですが、なぜ二人して俺の頭を撫でくり回すのか……。

「……んで、お前は? 何やってんの?」

少し離れたところで所在なさげに立ち尽くすアイツ。

「…………」

いや、なんか言えよっ!
イラッとした俺の横でイリヤさんがふうっと息を吐くと、奴に向かって。

「いいぞ。許す」

「……はい」

???

「イリヤさん?」

「こいつは、王家の影よ。王家の命で護衛から暗殺まで、裏の仕事を請け負うの。今は陛下か王太子の命で……護衛中よ」

「誰の?」

コテンと首を傾げて尋ねれば、イリヤさんの顔が苦虫を噛み潰したようになった。

「そりゃ、王族の護衛だよ。いや、監視かな? ……なあ、イリヤ?」

「そうですね。やんごとない身分の方が何かしでかさないように、王家からの監視も兼ねた護衛でしょうか?」

「ジン? ルイさん?」

なんだなんだ?
俺だけ、よく分からないのだが?

しかも、気まぐれに餌付けしていた男が王家の影……。
忍者みたいと思った俺の考えも、当たっていると言えば当たっているな。
隠密か……かっこいい。

「……。そこにいる第三王子の監視でカケスの街に滞在していた」

え?
奴の目線を辿ってみると、そこにはイリヤさん……。

「イリヤさんが……王子?」

え? こんな女装趣味の王子でいいの?
いや、別に似合ってないわけじゃないし、男しかいない世界だから、王子でも嫁に行くという選択肢もあるけれども……。

「もう、王位継承権はないわ。今はただの冒険者イリヤよ。アンタもなんで監視対象のわたしに刃を向けたんだが? それも王家の命なのかしら?」

ブルブルブルブルルル。
王家の影は、激しく首を左右に振って強く否定する。

「じゃあ、なんでよ。ジンやアルカサル侯爵家使用人のルイまで狙って。何が目的なのよ」

ヤバイ……。
俺は俯いてダラダラと冷や汗を垂らす。

ヤバイヤバイヤバイ。
言うな! 絶対に言うなよ!
俺は縋る目を奴に向けた。
奴はコクンと大きく頷くと……。

「お前らがこいつに懸想して下心を持っていて、こいつが困っていたからだ!」

胸を張って言うことかーっ!
てか、なんで言うんだーっ!

ザッ、と三人の六つの刺すような視線を感じる。

……逃げよう。

「あ、俺、もう平気なんで。か、か、帰りますね?」

立ち上がろうと片膝付いたところで、ガシッと三人の六本の腕で、腕、足、腰、肩をホールドされた。

「「「ちょっと、待って」」」

ですよねー?



いやーっ! 帰りたーい!
元の世界に戻してくれーっ、ばかやろー!
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