完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

文字の大きさ
42 / 254
第2章 生活の基盤

第42話 集う者達

しおりを挟む
 肉の半分は売らずに、もって帰ることにした。
「エリアス、大丈夫なのか?400kgは取れるから半分でも200kgにはなるぞ」
「大丈夫です。すぐに食べきりますから」

「そ、そうか。お前も大変だな」
 ギルドの解体部門のアンセルさんは、オルガさんを見ながらそう言った。
 そんな訳ないでしょ!!
 まさかストレージに入れておけば腐りませんから、とは言えないからね。
 オルガさんが大食漢だと思われたなきっと。
 
 


 そしてワイルドボアの解体が始まった。
 仰向けにし首があった部分から、肛門にかけて縦にT字形に切れ目を入れる。
 先に入れたT字の横の切り目に沿って頭を落とす。
 内臓を取り縦に切れ目を入れたところから、あばらの側面に沿って残さない様にナイフを背中側まで入れていく。
 次に手足の関節を中側で切り離す。
 今度は表皮の手足の皮を切れば、骨が全て外れた状態になる。
 そして後は皮から肉を切り離すだけだ。

 簡単に言えばこれが一般的な、食肉用の魔物の解体らしい。

「はいよ、これが持ち帰りの肉200kgくらいだ。換金用の肉は220kg。受付で報酬をもらってくれよ!!」
「はい、ありがとうございます」
 見ると内臓が端に避けられている。

「内臓は食べないのですか?」
「駄目になるのが早いからな。大概捨てるのさ」
「それなら、もらって帰ります」
「あぁそうか、早めに食べろよ」
 俺はアンセルさんに礼を言い受付に向かった。


 すると受付にはアリッサさんが来ていた。
 ワイルドボアの解体に、2時間くらいかかったからな。
 出勤時間になるよね。

「おはようございます。エリアス君」
「おはようございます。アリッサさん」
 俺はそう言って解体場でもらった、ワイルドボアの肉220kgの買取証書を渡した。
「今日、持ち込んだのね」
「えぇ、そうです」
 アリッサさんは買取証書を見て、首を傾げる。
 
「ちょっと待っていてね」
 そう言うと解体場の方に向かって行った。
 そして、しばらくしてから戻って来た。
「はい、エリアス君、お待たせしました。ワイルドボアの肉はとても鮮度がので220kgで22万円の買取価格となります」
 買取は220kgで22万円かあ。
 100g、100円てところか。
 スーパー並なんだ。
 俺はそんなことを考えていた。


「ではワイルドボアを三等分しないと」
「いいのよ、エリアス君」
「でも3人で狩ったので…」
「私の分は本当に良いから。あの時、私は見ているだけだったし」
「良いんですか?」
「えぇ、それにこれから、お世話になることだし…」
 そう言ってアリッサさんは、恥ずかしそうに俯いた。

「エリアス君。ところで200kgの肉を、持ち帰ると聞いたけど本当?」
「えぇ、本当です」
「そんなに持ち帰ってどうするの?」
「もちろん食べるんです。今夜から家族が増えるので、その歓迎会をしようと思いまして」

 家族が増える?歓迎会??
 わ、私のこと?!

「エリアス君、もしかしたら私のこと?」
「もちろんです!!」

 まっ!きゃあ!!
 どうしよう?!

 アリッサさんは顔を赤くして、頬に両手を当てクネクネしている。
 クネクネ人形だ。

「アリッサ、さっきからなにクネクネしているのよ。気持ち悪いな」
 隣の受付のコルネールさんが、変な顔をしている。
 コルネールさんは20歳くらい。
 肩まである赤みがかった金色の髪をしている。

「な、何でもないわよ。今日は早く帰るわね」
「は、はい。お待ちしています」

「なあに?お待ちしています、て」
 コルネールさんが俺に聞いてくる。
 すると、しまった!と言う顔をアリッサさんがした。

「今夜、俺の家で歓迎パーティをするんです」
「誰の?」
「アリッサさんのです」
「どうして?」
「それは、これから一緒に…」
「駄目よ、エリアス!!」
 俺はオルガさんに横から、口を塞がれた。

 お、おかしい。
 コルネールさんの目を見た途端、逆らえなくなってしまった。
 まるで蛇に睨まれたカエルのように。
 そう言えばコルネールさんの瞳は、人にしては縦長に細かった。
 

「私もお邪魔しようかしら?その歓迎パーティ」
「えっ?!」
 アリッサさんが、驚いた顔をする。

「だってワイルドボアの肉200kgなんて、誰が食べきれるのかしら?」
 アリッサさんはしまった、という顔をした。
「えぇ、いいですよ。大勢の方が楽しいですから」
 俺は特に隠すことも無いので、コルネールさんも誘った。

「ありがとう、エリアス君。君はいい子ね、お姉さんは素直な子は大好物…」
「ウッ、ウ~ン!!」
 横からアリッサさんの、大きな咳払いによってその先は遮られた。

「今日はアリッサと終わる時間が、同じだから一緒にお邪魔するわね!!」
「はい!お待ちしております」
 コルネールさんはとても喜んでおり、アリッサさんは迷惑そうな顔をしている。
 仲が悪いのかな?

「そ、それなら私達もお邪魔して良いでしょうか?」
 声をした方を見るとパーティ『餓狼猫のミーニャ』のエメリナさんだった。
 まだいたんだ。

 俺はオルガさんを見た。
 すると肩をすぼめ、仕方がないだろ?という顔をした。



「分かりました。では夕方来てください」
「どこに行けば?」
「私が連れて行くわよ。夕方、冒険者ギルドに来て」
 アリッサさんが不貞腐れた顔をして言う。
「助かります、ありがとうございます」
 エメリナさんはアリッサさんにお礼を言った。

 エメリナさんが改めて紹介をしたいと言う。
 でもここにいると受付の邪魔になるから、俺達は飲食コーナーに移動した。
 受付横のフロアは、夜は酒場になっている。
 昼間はまだやっていないので、査定が終わるまでの休憩場代わりになっている。


「アリッサも大変ね?ライバル多そうで」
「なにを言っているのよコルネール。そんなんじゃないわ」
「なら、私もアタックする権利があると言う事ね」
「な、なにを言っているのよ?!」
「だって彼、美味しそうな魔力に溢れているのよ」

 そう言うとコルネールは、縦長の金色の目を更に細めた。
 なっ、なにが出ているのよ。
 幾ら人型だからと言っても私達は、亜種族であることを隠さないと駄目でしょう。
 そうしないと人の中では暮らしていけないのよ。



 エリアス君は、生活魔法は使えると聞いたわ。
 でも教わったことが無いから使い方が分からない、とオルガさんは言っていた。
 今度、早めに制御方法を教えてあげないと。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...