完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第3章 お披露目会

第49話 設備

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 な、なんだ…、これは?
 私の名は商業ギルドのギルドマスター、アレックだ。
 
 エリアスという少年のお誘いで彼の家の前に来ている。
 いや、これはもうお屋敷レベルの建物だが。

 彼にワイルドボアとビッグベアの、焼肉に誘われたのだ。
 肉は十分にあり普段お世話になっているから、ぜひ来てほしいと言われたのだ。
  随分と高価な魔物の肉を、ご馳走してくれると思ったものだ。

 それに彼には国から不干渉ふかんしょう条例が発令されている。
 これはジリヤ国を挙げて、その人物を守ることを宣言しているのと同じだ。

 対象の人物はエージェントと呼ばれる、腕利きの護衛が陰から守るそうだ。

 彼はこの地方では珍しい黒髪だ。
 異世界から召喚された勇者の一族は黒髪が多く、その末裔かもしれない。
 
 だがそれ以外は普通の少年にしか見えない。
 いいや言葉使いを考えると、高等教育を受けているようにも見える。

 そんな彼がなぜ不干渉ふかんしょう条例の対象になるのか分からなかった。
 『味元あじげん』という調味料が、そこまでの物とは思えなかったが…。




「これは商業ギルドのアレック様と、ノエル様ではありませんか?」
 声を掛けられ振り返ると、アバンス商会会長アイザック様が居た。

「これはアイザック様!どうしてここに?!」
「今度、エリアス様と同居のオルガ様に、王都まで護衛して頂くことになりまして」
「護衛ですか?私達は『味元あじげん』という調味料を卸してもらっている縁で」
「ではアレック様達もエリアス様の、お披露目会に招かれたのでしょうか?」
 お披露目会?あぁ、言われてみれば、そうかもしれないな。

「えぇ、そうです」
「このお屋敷のことはアレック様は御存じだったので?」
 この屋敷のことだと?

「存じております!」
 同行しているノエルが、代わりに返事をしている?

「エリアス様の件は、あまり詮索されないほうが御身の為かと…」
「やはりそうでしたか、エリアス様は国の保護下にあると」
「そう、思って頂いて構いません」
「わかりました、このアイザック。他言は致しません」
「感謝いたします!!」


 3人が思った事はエリアスは国の保護下にある、最重要人物だと言うことだった。
 こんな豪邸を短期で建てられる財力と、人材を集める富と力があることになる。
 これほどの力を持っているとしたら王族に連なる者か?
 表に出られない『やんごとなき』方なのか?

 だが詮索することは出来ない。
 それをする事は国に逆らう事になるからだ。

 だから商業ギルドとしても、アバンス商会としても、これからも良い関係を築いて行ければと互いに思った。




「では私が代表して、ドアを叩きましょうか」
「お願いします、アレック様」
 そう言われ私はドアノッカーを叩く。

 するとドアが開きエリアス君が顔を出す。
「いらっしゃい、みなさんご一緒だったのですか?!」

「今、ここで一緒になってね」
「そうですか!さあ、お入りください」

 私達は中に案内され歩いて行く。
 見上げるばかりの大きな屋敷に、私達は圧倒され声もでない。
 

 まず私達は屋敷の中に案内され、すでに先客がおり紹介された。

 獅星龍のあざなのあるAランク冒険者のオルガさん。
 冒険者ギルドの受付、アリッサさんとコルネールさん。
 そしてDランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』のエメリナさん、マルガさん、シュゼットさんだ。
 しかもオルガさんとはすでに一緒に暮らしており、今日からアリッサさんとも暮らし始めるという。
 いったいどうなっているんだ?

 しかも先に来ている来客は、全員女性ではないか?!
 こ、これはエリアス君、目当てか!!
 これだけの財があれば…。

 私が思わずつぶやくと、それが聞こえたのか同行しているノエルが反応した。
 ノエルよ、お前も浮いた話も無い二十歳の女性だったな…。


 お披露目会というだけあって、エリアス君は屋敷を一通り案内してくれた。
 正面は大きな階段があり、左右はホールになっている。
 特に目を引いたのが一階にある風呂場だ。

 台所を含めて各水場には、蛇口と言う物があり捻るとなんと!水とお湯が出る。
 そして驚くことにお湯を溜め毎日、お風呂に入っていると言う。
 こんな贅沢は聞いたことが無い。
 貴族でもお風呂がある屋敷は少ない。
 水を浴槽まで何度も汲みに行き、それを温めるなどその労力を考えるとこの屋敷は…。

 蛇口の構造を知りたい。
 商業ギルドのギルマスとしてこれは商売に繋がる。
 だが国から不干渉ふかんしょう条例が発令されている以上、干渉は出来ない。
 見ればアバンス商会のアイザック様も、聞きたいのを我慢しているようだった。

「エリアス様、これはいったいどうやっているのでしょうか?」
 ふと見ると同行しているノエルが、目を輝かせて聞いている。
 アチャ~、駄目だろう。そんなことを聞いては!!
 教えてくれる訳がない。
 
「はい、裏の河から水を引き浄水場で水をろ過し、火の術式を組み込んだボイラーを経由して各場所の蛇口に水やお湯を流しています」

 教えてくれるんかい?!!
 だが言っていることが分からない。
 浄水場?ボイラー??とは。

 だがさすがにこれは聞けまい。

「浄水場とは、なんでしょうか?」
 おぉ、ノエル。いつから空気を読まず突っ込めるようになったんだ?
 普段は控えめな性格のお前がどうして…。

「はい、河の水をゴミやドロなどを取り除いて、綺麗な水にするところです」
「水を綺麗にするのですね。ではボイラーは?」
「綺麗にした水をボイラーという機器に通します。蛇口の栓を手前の水色に回すと水が、奥の赤色の方に回すとお湯に。お湯はボイラーの火の術式を組み込んだ場所を通った水が温められお湯になるのです」

「で、ではこの明る魔道具はなんでしょうか?!普通、ライトの魔道具の光は丸いはずですが?」
「蛍光管方式にしたのです」
「蛍光管方式?!」
「丸い灯だと光が届く範囲が一定ではないので、細長く光るようにしました」
「だからこんなにも全体的に明るくなるのですね」
「はい、そうです」
「でも、お高いんでしょう?」

「いいえ、そんな…「エリアス君、それ以上は言っては駄目!!」
 そこには怖い顔をしたアリッサさんが立っていた。
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