完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第3章 お披露目会

第63話 冒険者ギルド長パウルの憂鬱

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 私の名は冒険者ギルド長パウル。
 若い頃はパーティーを組み冒険者をやっていた。
 魔法も使えたがどちらかというと、剣の方がむいており剣士になった。
 そして35歳の時、Sランクになった。
 それからは魔物討伐や護衛依頼をこなす日々だった。


 そんなある日、前のギルド長が引退した。
 そして実績があった私が次のギルドマスターになった。
 年齢的にもキツイものがあり、引退を考えていた時だった。
 パーティーは解散、私はギルド長になった。



 150年前、ドラゴンが街を襲った。
 街を襲ったドラゴン相手に、騎士団は勇敢に戦った。
 だがドラゴン相手では歯が立たなかった。

 そんな時だった。
 異種族と人族からは、敬遠されていた種族が力を貸してくれた。
 どこからか現れ勇敢にドラゴンと戦い追い払ってくれた。
 そして5人は、この領の英雄となった。
 
 その内の巨人族ジャイアント天使族エンジェルは、戦いの中で命を落とした。
 生き残ったのはラミア族、森妖精エルフ小人族ホビット
 気まぐれな小人族ホビットは、戦いの後に姿を消した。
 ラミア族、森妖精エルフは、その当時できたばかりの冒険者ギルドの庇護下に入った。


 人族は人口が大きく、どの土地でも一大勢力だ。
 異種族と言われる彼らは、能力が高いほど寿命が長く繁殖力が弱い。

 だから数には負けてしまう。
 そして見た目が人族の容姿から、離れている種族ほど人の中では生きずらい。
 
 そして人族に容姿が近いものは、国の庇護下に入り生活を守られる。
 その代償として要人警護や、諜報活動をするエージェントになる。

 どの国でも国を統括するため、影で色んな組織が暗躍している。
 この領で言えばギルドと言われる冒険者、商業、鍛冶、建築、魔術師、錬金術師などがそうだ。

 考えてみれば分かることだ。
 国全土に広がり小さな村にもギルドは必ず存在する。
 そんな大きな組織を一団体が行えるわけがない。

 彼らは人々に仕事を与え管理し、暴動など起きない様に情報収集を行う。
 街の噂話などを集め人の動きや、国にあだなす者をいち早く見つけるのが仕事だ。

 彼らは能力が高く寿命も長いからその分、長く役に立ってくれている。
 どの国も同じような組合を作り、同じように人々を裏から管理している。
 
 受付のアリッサは、そのドラゴン大戦で生き残つた5英雄の一人だった。
 風魔法が得意で、動きが早く疾風のアリッサとあざながつくほどだった。


〇月▢日
 そんなある日、受付のアリッサが面白い少年が居ると楽しそうに話をしていた。
 アリッサは面食いだから、美少年かな?
 
 数日経ち、その少年が他のパーティーと協力してトロールを倒したと言う。
 それは嬉しそうだった。
 どうせ倒したのは他のパーティーだろう。
 その少年もいい経験になったと思う。

 そして今度は冒険者を助けるために、バグベアを単独で立ち向かい倒したと言う。
 しかも助けたのは獅星龍のオルガで、少年はFランクだという。
 どこかで剣術でも習っていたのかもしれない。
 しかしあまりにも軽はずみだ。
 見ず知らずの他人のために、バグベアに立ち向かうとは。

 しかもバグベアが収納できるマジック・バッグを持っていると言っていた。
 それが本当なら、それだけで一財産築ける。
 運び屋として十分、生活できるはずだ。
 同時にそれを狙う者も出てくるだろう。



〇月△日
 今度はなんだ?
 なに、ジャムをもらっただと?!
 しかもその後、イチジクを皿に山盛りもらい、挙句の果てに『季節ごとに森の果物は違うから、その都度たくさん採ってきます』と言ってくれたんです、だと。

 その少年はエルフキラーなのか?
 本来、森の住人である森妖精エルフには果物は森の恵み宝物なのだ。
 その宝物を山盛りにして差し出すとは。
 金貨を目の前に山積みにして差し出されたら、女はどう思うか?
 それと同じことをしたと言う。

 プロポーズをしているのと同じだぞ!!
 しかしアリッサがエルフとは知らないはず。
 では無意識にやっているのか?
 だとしたら天然のたらしだ。

 砂糖や果物は高級品だ。
 町娘でもそこまでされたら、堕ちるぞ!!



〇月◇日
 アリッサが私のところにやって来て頼みがあると言う。
 エリアスというあの少年を、エージェントとして側で警護したいと言い出した。

 彼は『創生魔法』と言う、自分の望んだものが創れるスキルを持っていると。
 裏路地にあった潰れかけの屋敷が、一晩で豪邸に変ったという。
 信じられない話だ。
 そしてその屋敷の中は、見たことも無い魔道具だらけだという。
 材料さえあれば自分の望んだものが作れる、それが彼のスキル『創生魔法』だと。
 
 それだけではなく光魔法を含めた5属性の魔法を使えるという。
 加えて大容量のマジック・バッグを持っている。

 私は頭を抱えた。
 
 彼は100年、いいや場合によると今後現れることのない逸材かもしれない。
 

 すぐに不干渉ふかんしょう条例を発令した。
 国に属する組織や貴族に対しては、これで彼を守れる。

 だが問題はそれを知らない一般の人々から保護することだ。
 アリッサをエリアス少年の、エージェントに任命した。




 しかし今日アリッサは、とんでもないことを言ってきた。
 冒険者ギルドを辞めたいと。
 
 なぜなのか聞くと昨日、屋敷のお披露目会があったようだ。
 数日前にはなかった3階建ての建物ができ数々の魔道具。
 温泉設備や斬新な遊具の数々。
 
 温泉施設と考えたら、何日でも居たい夢の宿だと。
 そしてお金を出せば魔道具が買える展示即売会会場だと。

 そして彼は世間から、離れた暮らしをしていたらしく常識に疎い。
 秘密にすることも無く、隠すことを知らない。
 だからとても危うく、危険だと。

 
 明日からAランクのオルガと彼は、護衛と運送の仕事を受け王都に向うという。
 その彼らについて行きたいと。
 だが、さすがにそれは許されない。




 トン、トン、
 その時、書斎のドアが叩かれた。

「誰だ?」
「コルネールです」
 受付のコルネールか。

「入れ」
「失礼します」


「どうした、コルネール。今アリッサと話をしているのだが急用か?」
「それが受付にアリッサを訪ねて、エリアス君とオルガさんが来ています」
「まあ、エリアス君達が。どうしたのかしら?」
「エリアス少年が来ているのか?」
「はい、そうです」
 コルネールもギルドのエージェントだ。
 当然、エリアス君のことも知っている。

 だから話の途中なのに、わざわざ知らせに来たのだ。
「ここへ通せ。話をしてみたい」
「ここにですか?」
「あぁ、そうだ」
「わかりました、そう伝え案内します」

 エリアス君というのは、どういう少年なのかこの目で確かめようではないか。
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